ブログに下記のような文章を書きました。小倉。
http://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/2017/04/24/gunma_censorship/
抗議と要請
群馬県立近代美術館による白川昌生さんの作品「群馬朝鮮人強制連行追悼
碑」を撤去させた措置は、憲法が禁じる検閲にあたり、認められません。
強く抗議するとともに、作品の速やかな展示の復活を求めます。
抗議の理由を以下書く。
上毛新聞は以下のように報じている。
上毛新聞 4/23(日) 6:00配信(yahooニュースより)
群馬県立近代美術館(高崎市綿貫町)で22日始まった企画展「群馬の美術
2017」で、県立公園群馬の森(同所)にある朝鮮人労働者の追悼碑を模し
た作品について、同館が開催直前に展示を取りやめたことが分かった。県
は碑の設置許可の更新を巡って市民団体と係争中で、同館は「どちらか一
方に偏るような展示は適当でないと判断した」と説明。作者で、県立女子
大講師で美術家の白川昌生(よしお)さん(69)=前橋市=は「碑を巡る
状況を問題提起したかった」としている。
以下、この報道などを基に、三点にわたってわたしの群馬県立近代美術館
への批判と抗議の意図を述べる。(作品の写真はここにある)
(1)憲法が禁じている検閲であり、その主題が朝鮮人強制連行の追悼碑
であることが問題の重大さを示している。
憲法21条は権力による検閲を無条件で禁じている。【注1】今回の美術館
の決定はこの憲法に反することは言うまでもない。作家の同意を得たとし
ても、作家の自由意思によるものではなく、半ば強制であり、選択の余地
のないなかで強いられたものだということは明らかだと思う。
今回の事件は、朝鮮人強制連行の追悼碑をモチーフとしたものであるが、
追悼碑の設置許可をめぐる係争も含めて、県の態度が朝鮮人強制連行とい
う主題への明かな忌避と、ある種の歴史修正主義への偏りがあることで生
起した問題だという点が深刻だ。そもそもの追悼碑設置更新の不許可とい
う係争問題も、政治的な思想信条の自由を認めない近年の行政全般に蔓延
している検閲と共通した態度だ。【注2】このような県の態度は、安倍政
権の歴史修正主義の流れを、地方議会の保守派議員の影響も含めて、地方
の行政レベルで受けとめたものであって、事件は一地方で起きたものだが、
問題の本質は日本全体が抱え込んでしまった狭歪で偏見に満ちたナショナ
リズムへの同調圧力と無関係ではない。あるいは、安倍政権が、韓国政府
に対して要求する「慰安婦少女像」の撤去という韓国の国内法も表現の自
由の権利をも蹂躙する未だに植民地宗主国の体質が抜けない傲慢な態度と
も、その主題からみても、決して無関係とはいえない。私たちがこの国の
戦前・戦中の権力犯罪(民間であれ政府や軍であれ)を直視して、その歴
史を批判的に総括することを権力が強引に拒絶しようとしている、その具
体的な表現が、この群馬の検閲にも示されたのだと思う。
以下略。ブログをごらんください。
http://www.alt-movements.org/no_more_capitalism/2017/04/24/gunma_censorship/
Created by
staff01.
Last modified on 2017-04-25 14:24:51
Copyright:
Default