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「これは昔話ではない」佐古監督、熱く語る〜映画『米軍が最も恐れた男』試写会

     ジョニーH

 8月21日(月) 渋谷ユーロライブでドキュメンタリー映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男〜その名はカメジロー』試写会&監督トークイベントが行われた。(写真=佐古忠彦監督)

 「占領下の沖縄で米軍の圧政と闘った男の生き様を、貴重な映像で描く」という謳い文句どおり、瀬長亀次郎に関する貴重な資料が満載で、返還直前の衆議院本会議で「返還の条件において基地ありきで米国と交渉したのは納得できない」と瀬長亀次郎議員の追及にたじろぐ佐藤栄作総理大臣の答弁の映像に、思わず観客席から拍手と失笑が生じた。

 瀬長亀次郎の米軍による印象操作や不当逮捕にめげない生き様はまさに沖縄の戦後史。亀次郎は「この瀬長が叫べば50m先まで聞こえます。ここに集まった人々が声をそろえて叫んだならば、全那覇市民まで聞こえます。沖縄70万人民が声をそろえて叫んだならば、太平洋の荒波を越えて遠くワシントンに聞こえます」と演説し大衆の心をつかむ。この映画からは、現在のオール沖縄の理解と納得につながる。

 「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務めた佐古忠彦が初めて監督、語りには大杉連・山根元世、テーマ音楽は坂本龍一が参加している。


 上映後のトークで佐古監督はこう語った。

 「先行上映した沖縄の桜坂劇場は満員で好評でしたが、東京ではどうかなのか正直不安な心持ち。以前から沖縄に通い続け沖縄戦や米軍基地について取材をしているうちに、今の沖縄の状況の理解に繋げるためには沖縄の戦後史を取材することが必至と気がついた。そして、沖縄の戦後史を語るには瀬長亀次郎しかいないと思った。ちょうど一年前にTBSテレビの深夜に瀬長亀次郎のドキュメンタリー番組を放映したところ、『今の沖縄の人たちの感情や行動が理解できた』『こんな凄い人がいたことを知って良かった』などの反響をいただき、もっと多くの方に触れる機会をと思い、映画製作に踏み切った。ぜひ多くの方に観てもらいたい 大量の資料を発掘したのだが、残念だったのが、亀次郎の演説の実際の音声や映像が見つからなかったこと。しかし、次女から提供された亀次郎の日記は克明で凄かった」

 「瀬長亀次郎はいっとき共産党に所属していたが、ネトウヨからの批判やその系統メディアからの妨害は気にしていないか」というフロアからの質問に、佐古監督は「瀬長亀次郎は左翼右翼の色分けを超えている人物、人民党は民族の怒りを柱に生まれた組織だがその民族とは日本民族だと彼は言っている。いずれにしろ、映画鑑賞後、筑紫哲也さんの唱えていた『多事争論』『自由な気風」で話し合っていただければ、うれしい」と答えた。

 最後に佐古監督は「この映画で訴えたいことは、昔話でなく沖縄の今日性です」と締めくくった。映画『米軍が最も恐れた男〜その名はカメジロー』は8月26日から渋谷ユーロスペースほかで是国順次公開                          

*映画『米軍が最も恐れた男〜その名はカメジロー』
HP→http://www.kamejiro.ayapro.ne.jp/
予告→https://www.youtube.com/watch?v=w9duO6APP5M

木下昌明の映画批評


Created by staff01. Last modified on 2017-08-22 20:31:13 Copyright: Default

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