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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(7月13日)〜 英語教育を叫ぶも小学校英語は非正規教員で賄う?!
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●根津公子の都教委傍聴記(2017年7月13日)

英語教育を叫ぶも、小学校英語は非正規教員で賄う?!

   公開議案が 崚堽学校設置条例施行規則の一部を改正する規則の制定について」 ◆崙段面筏状に関する規則の一部を改正する規則の制定について」、報告が「都教科用図書選定審議会の答申について」 ぁ屮リンピック・パラリンピック教育における『東京都公立学校ボッチャ交流大会』の実施について」。非公開議案には教員の懲戒処分(停職以上の処分)案件があがっていた。

‥堽学校設置条例施行規則の一部を改正する規則の制定について

 「都立高校改革推進計画 新実施計画」(2016.2)にもとづき来年度より、商業高校7校の学科をビジネス科に、工業高校2校の学科をデュアルシステム科に、また、中野工業高校についてはエンカレッジスクールに指定することに伴いキャリア技術科に学科を改編するという提案だった。

 企業と高校が連携し、ビジネス科では実地に学ぶ機会を拡充する、デュアルシステム科では長期就業訓練等を行うとのこと。2004年度からデュアルシステム科を設置している六郷工科高校では、6割が関連企業に就職し離職率も低いということだが、今後都教委は高校を就職予備校化しようということなのか。
注)デュアルシステム科:ドイツを発祥とする学術的教育と職業教育を同時に進めるシステム

特別免許状に関する規則の一部を改正する規則の制定について

 小学3・4年生で「外国語活動」が、5.6年生で教科「外国語科」が始まる(2018年から移行期間、2020年全面実施)ことから、それを担当する小学校英語教員が大量に必要となる。
 一般に教員採用は普通免許状取得者を対象に行う教員採用試験で行うが、小学校英語については、特別免許状を取得した人で充当するということのよう。特別免許状は、普通免許状を持たないが「専門的な知識経験又は技能を有する社会人」(=学校等での教科の指導経験が最低1学期以上、おおむね600時間以上の勤務経験がある)に、書類審査と面接を実施し合格すれば授与される。

 これまで面接は「学長等と校長等」の2名体制で行ってきたが、大量採用に当たり面接を委嘱する大学の学長等の日程を確保することが難しくなる。そこで、難しい場合には「『学長等』を『教育長が別に定める職員』に代えることができる」と、規則を改定するという議案。「教育長が別に定める職員」とは、都教委の「主任指導主事等とする」予定とのこと。要するに、小学校英語は正規教員ではなく、非正規教員で安く働かせようということだ。

 日本語がまだ分からない8歳の子どもに英語を教える事自体が間違いだと思うが、それを、子どもたちとの人間関係を作る時間的余裕のない非正規教員に担当させるのはさらに無理がある。今年9月1日に公布、施行とのこと。都教委の焦りがあらわれている。英語教育を叫ぶ都教委だが、安上がりの非正規教員で賄うとは、矛盾もいいところ。こうした問題にこそ検討を加えてほしいと思うが、教育委員の誰からも質問や意見は出されなかった。

E垓飢瞥竸渊饒定審議会の答申について

 都立特別支援学校(聴覚障害、肢体不自由・病弱)の小学部で来年度から使用する道徳教科書の採択資料及び、都立中学校・特別支援学校で来年度使用する教科書採択について、教科用図書選定審議会に諮問したところ、「資料等が適切であったと認められる」との答申を得たとの報告。
 道徳教科書採択資料については、6月8日の定例会で聴覚障害、肢体不自由・病弱以外の特別支援学校小学部用の資料が配られており、そちらと同じ。次回7月27日の定例会で道徳の教科書が採択されるのか?日本会議のメンバーである貝塚茂樹武蔵野大教授などが執筆した教育出版教科書を採択しないよう、教育委員に働きかけたいのだが、…。

 また、都立中学校等で来年度使用する教科書は、高校と異なり、教科用図書無償措置法で4年間同一の教科書使用を義務付けられているので、今年は採択がない。

ぅリンピック・パラリンピック教育における「東京都公立学校ボッチャ交流大会」の実施について

 やっぱりこれか、この程度しか都教委には考えられないよな。この報告を受けて最初に思ったことだった。ボッチャとは運動面で障がいのある人に向けた球技で、ボールが持てなくてもプレイの仕方を変えて参加できる、パラリンピックの公式種目。オリンピック・パラリンピック教育の推進を掲げる都教委は、「特別支援学校と小・中・高校との交流を一層の推進」と「パラスポーツの普及・啓発」を目的に、7月29日、府中けやきの森学園(特別支援学校)を会場にして、ボッチャ交流大会を実施するという。

 参加対象は、都内国公立肢体不自由特別支援学校及び都内公立小・中学校に在籍する児童・生徒24校150人。高校生は、大会運営や参加チームのサポートを行うボランティアとして11校50名が参加。また、工業高校の生徒が大会で使用する競技用補助具を制作するという。 さらには、大会後、都立特別支援学校の最上位チームと、小池知事+都庁パラスポーツ部からなる都庁チームとの対戦を9〜10月ころに実施予定とのこと。ここでも、小池ファースト。忖度したのは誰なのか!

 大体、日常生活で分離教育をし、障がいのあるなしにかかわらず共に暮す機会を子どもたちから、社会から奪い、障害者差別意識を醸成させておいて、何が「交流大会」か!「障がい者理解」につながらないのは、自明ではないか!茶番はやめてもらいたい。

 昨日の東京新聞が「ユースボランティア・バンク 登録後わずか周知課題」の見出しで次のように報じていた。「東京五輪・パラリンピックに向けて思いやりの心を育んでもらおうと、都教育庁は、ボランティア活動の情報を公立学校に提供する『東京ユースボランティア・バンク』を始めた。ただ、登録する学校がほとんどなく・・・登録数は中学校613校のうち11校、高校186校のうち12校にとどまる。」

 この少ない数を見て一瞬ほっとした。やはり、校長を含め多くの教員にとって、オリンピック・パラリンピック教育は迷惑なことなのだと。ただでさえ学校は忙しい。なのに、都教委は、昨年度から各学校に年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育を課し、学校は忙しさを加速させられている。ユースボランティア・バンク登録も見て見ぬふりをしたいのだ。一方、都教委指導企画課は、登録が進まないのは「周知不足」との認識、現実を見ようとしない。今後、登録数を増やすために、都教委が校長に対して「指導」を強化することは間違いない。

 校長たちよ、都教委の圧力に負けるな、と言いたい。この報告についても、教育委員からは一言もなかった。都教委事務方の出す施策に対して追認するだけでは、教育委員の仕事をしているとはいえないと、いつも思う。


Created by sasaki. Last modified on 2017-07-16 15:48:14 Copyright: Default

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