本文の先頭へ
LNJ Logo 問われる大手メディア〜今村復興相を追いこんだ西中誠一郎さん講演会
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0429nisinaka
Status: published
View


問われる大手メディア〜今村復興相を追いこんだ西中誠一郎さん講演会

復興相 激高会見(7分 OurPlanet-TV)

 「避難は自己責任」に次いで「まだ東北でよかった」。自らの発言によって辞任した今村復興大臣。大臣の本音を引き出した西中誠一郎さん(フリージャーナリスト/写真)の講演会が、4月29日スペースたんぽぽ(水道橋)で開催されました。会場は避難者を含めた多くの人たちであふれ、西中さんを称えると同時に、メディアのあり方を問う声もありました。

 「そもそも今村大臣と対決しようと思って会見に臨んだわけではないです」と、西中さんは切り出しました。「責任もって回答してほしいということを何度も言ったが、それに対する回答がなぜ『二度と来るな』『撤回しろ』なのか。そのまま退席されるのは悔しいので『避難者を困らせているのはあなたです』と言った。産経新聞には『フリージャーナリストの術中にハマった』とか書かれたようだが、自分はそんなにワザを使ったわけじゃないです」。

 カメラとビデオカメラの二つを携えて取材現場に現れる西中さん。4月4日の記者会見も、いつもどおりにビデオカメラを回しながら質問したので、大臣の発言は西中さんに向かって吐き出された迫力映像になっていました。 

 「今村大臣があんなに激高するとは思っていなかった。『煽ってしまったか?』という一抹の不安もあり、アワプラネットТVに相談したら『もしかしたら住宅支援打ち切りの流れを変えられるかも知れないよ』と言われ、アップすることに」。

 この動画は一晩で20万回を超えるヒット。記者会見の様子はマスコミでも取り上げられ、「発言撤回と被害者への謝罪」「大臣辞任」を求める署名も開始されて、わずか一日で2万8千筆を超える署名が集まったのです。

 自主避難者への住宅無償提供を2017年3月に打ち切ることが閣議決定されたのが2年前。そしてこの春、3万2千人を対象とする大幅な避難解除が行われました。

 復興大臣は3月14日のNHK『日曜討論』で、「ふるさとを捨てることは簡単だが、戻って頑張っていくという気持ちをしっかり持ってもらいたい」と発言。その後の記者会見でも、「自主避難された方にも災害救助法などを適用して今までやってきた。そして今回、避難指示を解除することになったわけですから、皆さん判断してくださいと言っているわけですよ」(3月14日)などと帰還を迫る発言をくりかえしてきました。

 西中さんは都内に避難している女性の話を紹介しました。「事故直後、避難指示が出されなかったいわき市では、毎時20マイクロシーベルトを越える空間線量の中、水くみの列に並ばなければならなかった。子どもを連れて避難することに何の迷いもなかったが、慣れない東京での生活で、子どもは泣き、吐き続けた。区域外からの避難は差別との闘い。賠償金も支援物資ももらえない。時には罵倒され、頭がおかしいと言われる。福島へ帰れというけれど、一万ベクレル/圓療擇如∋劼匹發謀ネ靴咾呂気擦蕕譴覆ぁI興大臣に言われるまでもなく、自己責任を押し付けれられる毎日。そんな中で、唯一の保障が住宅提供だった」。
 この間の復興庁をみていると、このような避難者の身になっているとは思えなかったと西中さんは言います。

 会場からは「フリーの記者からみた大手メディアの印象は?」という質問があり、西中さんは
 「この日は復興大臣が話をするだけでお開きになりそうだったので、あわてて質問した。テレビ局もたくさん来ていたが誰も手をあげないので、自分が延々と質問することになってしまった」
 「記者会見というのは、国会答弁同様に重要なものなのに、大手メディアはルーティン化していて『メモしておこう』程度。僕は大臣にどうしても聞きたいという時だけ記者会見に行く。辞任に追い込むことが目的なのではない。復興庁は記者クラブがないので、フリーも自由に質問することができるが、そんな省庁ばかりではない。国の責任について、大臣がどういう考えを持っているのかを、大手メディアはきちんと聞くべきだ」
 と語りました。実際、四日の記者会見以降、大手メディアも自分の問題意識で積極的に質問していたそうです。

 また「二階幹事長が『首をとる』とメディアを批判していたが、トランプと同じ。自分の意に沿わない者は会見に入れないと言わんばかりで、こういうことに対して記者はきちんと抗議してほしい」という声もありました。

 避難の協同センター事務局の瀬戸大作さんは「この間、大手新聞の記者も頑張っていて、実情を知るために僕たちのセンターに話を聞きにくる。避難者の問題については経費が出ず、手弁当でやっている若い記者は多い。また、住宅問題はOKでも被ばくについて取り上げようとすると却下されてしまう。そんな記者たちを、ぼくたちは巻き込んでいく必要がある。信頼できる記者に『ぜひこれを質問してほしい』と言っていくことも重要だ」と提起していました。

 復興庁の本音がさらけ出され、今村大臣は辞任しましたが、国による住宅提供打ち切りは撤回できていません。健康問題など、まだまだ表面化していないことはたくさんありますが、様々な立場の人たちが関わりあうことで可視化していくことはできるはず。そんな希望がみえてくる講演会でした。【有森あかね】


Created by staff01. Last modified on 2017-05-01 17:49:20 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について