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議論の前に本物を見よう!〜国立公文書館「特別展 誕生 日本国憲法」

東京の国立公文書館(メトロ東西線竹橋駅徒歩1分)では、5月7日まで無休で9:45〜17:30に「特別展 誕生 日本国憲法」を開催している。これは、日本国憲法の施行70年の節目にあたる2017年春の特別展で、日本国憲法の制定過程の資料を展示している。戦前に天皇機関説を唱え、戦後は「憲法大臣」として日本国憲法の誕生に大きな役割を果たした金森徳次郎たちに注目し、日本国憲法がどのような経過をたどって生まれてきたかを中心に展示されている。入場無料だが、500円で図録を購入し、200円で声優の大塚明夫のナレーションの音声ガイドを借りて、展示物を丁寧に拝観することができた。フラッシュを焚かなければ写真撮影が許可されており、若い人たちも音声ガイドを聞きながら熱心に写真撮影やメモをとっていた。目玉は日本国憲法の原本で、またその当時のニュース映画を上映している。


 *公布署名

 場内は以下の三部構成で展示されている。第一部「新たな国のかたちの模索」ー可能性としての憲法改正(帝国憲法からの改正手続き)/「失意ノ淵」からの再生/GHQとの対峙/明らかになった改正案/関門ー枢機院。第二部「憲法大臣」金森徳次郎とその周辺ーことばの改革/帝国憲法下の主張/召集ー帝国議会/「帝国憲法ヲ改正スル」。第三部 憲法普及のための取り組みー新日本の建設へ/「国民の憲法」を目指して/主権者の歩む道。


 *普及紙芝居

 「みっともない憲法だ」と明らかに日本国憲法99条違反に抵触している現首相は来てしっかり学習すべきだ。「ポツダム宣言」との絡みもよく解る。安倍晋三内閣の閣僚には理解できないかも知れないが…。


 *学芸員から説明を受ける山本幸三大臣(内閣府HPより)

 最近の内閣府のHPに、学芸員(公文書専門官)から丁寧に説明を受けている山本幸三担当大臣の様子の写真(上)が掲載されていたが、直後に「学芸員は癌」「大英博物館の職員は全員リストラされた」などの、差別発言・デマ発言をしている。丁寧に解説した学芸員に対しても癌を抱えている人たちに対しても失礼だ。

 日本国憲法の9条の1項と2項の微妙な部分、天皇を象徴とする1条のカラクリも類推できた。施行直後の2年間に、小学校卒業程度の能力で理解できることを目標として、「日本国憲法」の映画・パンフレット・紙芝居が日本各地で何度も配布上映がされた様子も展示からわかった。頭でっかちの不毛な議論をする前に改憲派も護憲派も「本物」を見るべきだ。本物を見た方が絶対に迫力のある議論を展開できる。今回の特別展における国立公文書館の職員の皆さんはとても丁寧で親切で、そして何よりも威厳を感じた。【ジョニーH】


 *写真=筆者(国立公文書館前にて)


Created by staff01. Last modified on 2017-04-29 14:43:12 Copyright: Default

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