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共謀罪審議入りに抗議する人々の大きなうねり〜4.6昼の行動に650人

春、桜の季節にいそいそと言いたい2017年4月6日の昼、衆議員会館前に650人が集まった。天下の悪法共謀罪が午後1時からの国会審議入りに合わせて抗議行動が行われたのだ。主催は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。

まず、コールが議事堂に向かって響く。「共謀罪の新設反対」「テロ対策とウソつくな」…。開会挨拶は、高田健さん。他にもたくさんやることがあるのに、共謀罪を優先審議することに怒りを込める。日本の大きな転換期である。今こそ巨大な闘いを起こし、4度目の廃案に持ち込もうといい、昨日「野党4党での政策会議をして合意した。最後に野党側から、共謀罪も森友事件も国会で追い詰めていくが、国会の外でも頑張ってほしいと言われたと報告。参加者の私たちも、それに呼応した。

共産党の仁比聡平(にひそうへい)参議院議員からは、対象犯罪を277に絞ったと政府は言っているが、法務大臣は、どれがテロ防止なのか答えられない。つまり、網羅的には検討していないし、テロとは関係ないことがバレるからだと指摘する。

社民党幹事長の又市征治さんは、国民の自由を奪う共謀罪には、断固反対。しかも今回は、テロ対策などとと騙していて悪辣だと怒る。犯罪に当たるかどうかを全て警察権力の判断に委ねている。つまり、警察権力を強大にしようとしていることにつながり、山城博治さんを拘禁したの同じ過ちでなので、断じて許せないと危惧。安倍政権打倒に向けて、力を合わせようではありませんかと結ぶ。

民進党の逢坂誠二衆議院議員は、11時に、党として共謀罪対策本部を立ち上げたと報告。党内だけでなく、大きな国民運動にしなければ、息苦しい社会になると指摘。この2倍も3倍も5倍も集まってほしいと。

安倍は、この法案を通さないとオリンピックができないと言ったが、招致の時は「この世界一安全な日本」といった。たった3年半間に治安が悪くなったのですか? 当時は、テロの手の字も言ってない。今回の法案の名前(テロ等準備罪という愛称)にごまかされては行けない。マスコミが、正しく伝えているところの世論調査では、反対が多いが、そうでないところは賛成していると指摘。政府与党は横暴で、今回の本会議も強行的に設置されたが、もっと愕然としたのは、テレ朝の報道ステーションで、与党幹部が審議は30時間で十分と言ったこと。あり得ない。十分な審議が必要だと怒る。 さらにこの法案の反対には、国民的運動にしていくことが大事だと私たちにも呼びかけた。

連帯挨拶のトップは、日本体育大で憲法を講義している清水雅彦准教授。共謀罪の新設、創設ではなく、例外的にある共謀罪を一気に拡大するものだという。デロ等準備罪という名称では、「等」の定義がないことで非常にあいまいになってしまうと指摘する。犯罪が起きる前に捜査機関が動くので、非常に主観的な捜査が行われると危惧する。憲法31条、19条に、13条、21条も侵害される。つまり、徹底した憲法違反の法案であることを示す。刑法犯罪が減っているのに、警察官は増えている。憲法研究者としてこれらの法案を許すわけにはいかないときっぱりと述べる。安倍の退陣まで頑張っていこうと。

秘密保護法廃止実行委員会の海渡雄一さんは、審議入りすることが許されていいのかと話し始める。安倍政権は、これまでの法改正で憲法改正をする総仕上げをしようとしているのではないか。秘密保護法で政府の悪事をばれないようにし、戦争法で戦争をする要件を定めた。そして共謀罪。政府に反対するものを一網打尽にする武器になり得るものだとの発言に、参加者は「そうだ!」と応える。

安倍の教育勅語や銃剣道の学校現場への導入をしようとしているのをみると、国民は国家のためにいのちを捨てることを求めているのではないか。しかも国民が何も言えないようにするために、この共謀罪をつくろうとしているのではないかと指摘する。治安維持法は、20年間施行されていた。その間拡大適応されてきた。まず共産党、次にその周辺、合法的無産政党。労組、宗教団体、ジャーナリスト。最後は国家総動員法を作っていた国家機関まで対象になったと、驚くべきことを言う。法律はいったん制定されると、取り消すのが大変だから、作らせてはいけない。いま闘うしかないと力を込める。そして今夜18時からの日比谷野音を人で埋めて、反対している人がこんなにいるということを安倍政権に示そうと呼びかけ、それでは、夜の野音でお会いしましょうと降壇した。

沖縄の風の糸数慶子参議員は、法務会議から駆け付けてきたが、金田法相は、どこから聞いても答えられないという状態と報告。 金平茂紀の「沖縄タイムス」にあった記事に、山城博治さんへの仕打ちは、共謀罪の先取りではないかと。いまやっている活動が今後できるのか、今まさに沖縄でも重圧と不安に駆られているという。 山城さんが逮捕されたころ、全国十数カ所で家宅捜査が行われたという。その中でも、辺野古に新しい基地を作らせない活動は積み上がり、大きな集会を開くことができた。さらに、女性議員が提出した女性の権利を守る法案の審議を要望したが、その直後に共謀罪の審議入りが決まったと残念がる。

出版労連の前田能成さんは、出版人として著作権と共謀罪の関係を解き、共謀罪が制定されれば、出版界は萎縮するだろうから、現在の成立しないようにすることが大事という。

日本山妙法寺の武田隆雄さんは、宗教者は、内心な自由を奪う共謀罪、信教の自由を侵害する、命と人権を奪う共謀罪、戦争国家につながる共謀罪に反対しているとアッピールした。続いて、キリスト者として鈴木れいこ(?)さんからは、字の読めることをほめられたくてした行為が、牧師の父親を追い詰めることになった経験を語る。続けて表札の脇に「要注意人甲」とあったのは、天皇以外の神を敬う宗教ということだったから目をつけられていたという。キリスト教であることが監視の対象になった親の経験を、つぎの世代に担わせることは絶対にできないと決意を述べた。

アムネスティー・インターナショナルからの石原さんは、今年、共謀罪に反対する声明を出している。その最後の部分を読み上げた。

7つの法律家団体として2回の反対声明を出したというのは、弓中忠昭(?)さん。弁護士は全員弁護士協会に入らなければならないので、政治的な意見の一致は難しい。でも、全国に52ある弁護士会のうち、44ヶ所がこの共謀罪に反対している。残りも早期に反対声明が出せるようにしたいと努力していることを訴え、日弁連を名乗ってこういうところで話をできるようにしたいと決意を述べた。

秘密保護法の廃案をめざす藤沢の会は、「戦争をしない特別な国」から「戦争をする普通の国」になるのを阻止したいと話す。戦争は嫌だ。共謀罪は現代版治安維持法で、多くの人が獄死してきたことを伝えたいと。創価学会の創立者の牧口常三郎は、治安維持法で投獄され獄死している。このことを書いたはがきを衆・参の公明党議員に何度も送る運動をしてきたが、残念ながらこういう結果(国会本会議での審議)になったので、今後はさらに地元や国会前に来て反対を表明していきたいということだった。

共謀罪阻止の実行委員会の角田さんから、行動提言を話す。650名の市民が集まったし、国会でも与党の答弁が態をなさないと仁比議員のスピーチや、(糸数さんの話では)法務会議で法相が法案に対する質問に答えられないと聞き、この運動は勝てると確信した。

今夜の日比谷野音の集会のアッピールに続けて、5月8日を目安にして、廃案への道を全国に巻き起こしていこう。共謀罪は、改憲と一体であることを認識すれば、この法案を廃案にするということは、安倍の退陣とイコールであると結んだ。

最後は、審議のはじまったであろう議事堂に向かって、「共謀罪の国会審議入りに抗議するぞ」「テロ対策とうそをつくな」「話し合うことが罪になる共謀罪は廃案」……のシュピレヒコールが響きわたった。【笠原真弓】


Created by staff01. Last modified on 2017-04-07 10:14:09 Copyright: Default

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