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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(11/10) : 「子どもには制服を着せておいて教員はジャージ、問題だ」の発言が飛び出した
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●根津公子の都教委傍聴記(2016年11月10日)

「子どもには制服を着せておいて教員はジャージ、問題だ」の発言が飛び出した

 公開議題は、 峪童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果について 都公立学校における「いじめの認知件数及び対応状況把握のための調査」結果について E毀韻寮次紛軌蕁κ顕宗砲砲弔い董椋G度上半期〕 ね菁度教育庁所管事業予算見積もりについて。非公開議題はいつもながら、教員の懲戒処分及び校長の任命について。

 峪童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果について

 「全国学力・学習状況調査」結果について10月13日に報告があったばかりなのに、今回は都学力テストについての調査結果の報告であった。小学校4教科、中学校5教科の平均点だけでなく、一問ごとの正答率を出したうえで、「数学で習熟度別授業を実施している学校の方が、正答率が高い」とか、「授業が『よく分かる』『どちらかと言えばよく分かる』と回答した児童・生徒は増加傾向にあり、そう回答した児童・生徒ほど正答率が高い」「『将来、社会や人のために役立つ仕事がしたいと思うか』との質問に、正答率が高い児童・生徒は『そう思う』が多いが、正答率が低くなるほど、『思わない』が多くなる」等の結果報告であった。調査するまでもないことだ。習熟度別授業については、正答率だけでなく、その弊害がないかについての追跡が必要ではないのか。

 試験問題の作成、採点、児童・生徒用質問紙調査、学校用質問紙調査の集計及び正答率との関係調査等、この調査にどれだけのお金と人員が投入されているのか。年に2回も同じような調査集計をして何が得られるのか、誰が得をするのか。こんなことに金を使うな、と言いたい。

 宮崎教育委員は「できる子をどう伸ばすかも考えてほしい」と発言した。いわゆる「できる子」には留学費用の支給をはじめ、進学指導重点校への手厚い学校予算や教員の加配、進学指導アドバイザー(=予備校等の外部講師)の派遣等、都教委は十分に対応してきたではないか。「できない子」に回るはずのお金を削って。それをさらに煽る宮崎発言は実に許せない。

公立学校における「いじめの認知件数及び対応状況把握のための調査」結果について

 今年4月から6月末までに行った調査報告と、この3年間の経年比較の報告であった。いじめの認知件数は、今年が3062件、昨年が2823件、一昨年が4086件。いじめに教員一人が関わるのではなく、「学校いじめ対策委員会」(校長、副校長、生活指導主幹、スクールカウンセラー等で構成)という組織としての対応を都教委は昨年度、学校に指示した。その結果、「学校いじめ対策委員会が組織的に対応した学校が増えた」という。しかし、その成果について、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか過去2年間よりも減少した。」と、不可解そうに言った。

 当たり前じゃないか。信頼できる人の話は人(児童・生徒)の心に沁みても、学校組織としての指導には反発する児童・生徒もいるはずだ。児童・生徒が心を開くよう、だからこれまで学校・教員は、その生徒が信頼する人を中心に対応してきたのだ。対応は一人の教員であったり、複数であったり、学年の教員全てであったり、考えながら対応してきたのだ。都教委の人間観が誤っていることに、教育委員も事務方も誰一人気づかないのか。

 いじめをなくしたいと都教委が本気で考えるならば、まずは、子どもたちを競争漬けにしないこと、ハンディを持った子どもたちの排除をやめること。そして、教員弾圧をやめること。子どもたちが生活する学校で、教員が校長や都教委からいじめられるのを子どもたちは見ている。弱ければいじめていいと、日常から「学んで」いるのだ。また、いじめはいじめをする子のSOSでもある。誰もが平等・対等の生活環境にあれば、いじめは確実に解消するはず。それが抜本的解決なのだ。

E毀韻寮次紛軌蕁κ顕宗砲砲弔い董椋G度上半期〕

 今年上半期に寄せられた「苦情」は例年よりも多い。増えた「苦情」は都立高校跡地への韓国人学校建設についての107件で、同一人物からのものという。「苦情」に対し、対応を図った事例が挙げられている。その事例2つを紹介したい。

 1件は、「都立高校の教員が電話をしながら、片手で自転車を運転しているところを目撃した。教師であるにも関わらず、交通ルールを守らないというのは、非常に残念なことです。」との「苦情」に、都教委・校長の対応は「校長が当該教員に確認したところ、自宅から緊急の電話があり、自転車運転中に携帯電話で通話してしまったとのことでした。校長から当該教員に対して、・・・指導をしました。」もう1件は、「都立高校の入学式で司会をしていた教員がサンダルを履いているのは、厳粛な場に相応しくなく、おかしいと思いました。」との「苦情」に、「校長が当該教員に確認したところ、入学式当日にサンダルを履いていたのは事実であったため、入学式の場に相応しい履物を身につけるよう指導をしました。」と対応したとのことだった。苦情を寄せた人は、その当人や校長に苦情を伝えればいいだろうに、なぜ、都教委へ持っていったのだろう。“ちくり”が蔓延していく監視社会を覗いてしまった感がある。

 この報告に対しての遠藤教育委員の発言に背筋が寒くなった。「入学式ですらサンダルということは、日常の教員の服装に基準はないのか。子どもには制服を着せておいて、教員はジャージというのは問題だ。」対する事務方の返事は、「指導はしている。」 中学生の標準服(義務教育学校では制服は禁止され、この名称で実質は制服の実態)、高校生の制服指定がそもそもおかしいと私は思う。標準服・制服を着用したらその学校の生徒の自覚が持てて非行に走らないなんてことを標準服・制服支持者は昔から主張してきたが、遠藤教育委員もそう考えているのだろうか。教員も制服にすれば、非行をはたらかないとでも? 背広を着て巨大な悪事をはたらく者たちがごまんといるのは、遠藤教育委員には見えないのか。すでに東京の教員は卒業式・入学式での服装は「厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいもの」と明記されているが、さらに日常の服装まで管理しようというのか。自由を排除し、規則で管理する・される中では、人と人との触れ合い=教育は成立しない。こういう発想だから、上記した《いじめの解決に組織で当たる》という発想しか出て来ないのだろう。調査検討が好きな都教委には、制服を着用し、規律の厳しい軍隊(古今東西どこも、戦前・戦中の日本軍も)、自衛隊でいじめが多発してきた、している実態について調査検討することを勧めたい。

 東京の教育が都教委によって壊され続ける現実を、毎定例会で見せられ続けている。人には誰もに尊厳があり、人権があるという認識はさらさらなく、人を「人材」(もの)としか見ない都の教育行政。子どもたちがズタズタにされている。


Created by staff01. Last modified on 2016-11-12 17:32:50 Copyright: Default

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