震災から6年目、学校で直面する課題をどう受け止めるか〜福島県教育研究集会 | |||||||
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震災から6年目、学校で直面する課題をどう受け止めるか〜福島県教育研究集会湯本雅典10月15日、「日教組第66次 4単組合同 福島県教育研究集会」(以下、教研集会)が、福島県相馬市で開催された。毎年行われてきた教研集会、浜通りでは震災後初の開催である。地元支部の相馬支部は、強制避難地域の南相馬市(小高区)や飯舘村をかかえる。この地域での教研集会の開催は、宿泊施設を復興関連、除染関係の業者がおさえている関係で確保できないため、例年は2日間だが今回は1日間の開催となった。 福島の教職員組合は、他県と違い、ずっと原発震災後の困難さと向かい合ってきた。そして、学校には道徳の教科化(愛国心教育の強化)、全国共通テストの強制などの全国的な課題もたちはだかっている。基調報告で國分俊樹さん(福島県教職員組合書記長)は、指導要領の改訂に向けて導入が図られている「アクティブラーニング(子どもの積極的な学習参加を促すための工夫)」について、「学校環境に人員不足や受験体制システムの問題があるなかで、教職員のみに工夫を強いることはまちがっている」と強調した。これは、例えば浜通りでは、未だに仮設校舎での授業が続いているという劣悪な教育環境があるということを、まったく念頭に置いていない文科省の文教政策を批判したものだ。 記念講演は、「学校における憲法教育、人権教育はどうあるべきか」というテーマで斎藤一久さん(東京学芸大准教授)が行った。現在、道徳の教科化などの愛国心教育の強化が、憲法の理念と反する形ですすめられている。しかし政府の一連の改憲の動きは、本来求められる「グローバル化」とは、真反対の道を歩んでいるのだ。この点を念頭に置き、職場での「道徳の教科化」をとらえなおしていくことが重要だということが話された。 福島の教師たちは、放射線やふるさとを奪われたことによる不安に中に置かれた子どもたちと向かい合って震災後働き続けてきた。人権教育分科会では、廃炉作業についている教え子が、「今が楽であればいい、どうせ死ぬんだから」と話したことが報告された。(浜通りの中学校)報告した教師は、「これは大人の責任。働き方教育を続けたい」と語っていた。 私たちは、福島の教師たちがこのような苦渋の立場に置かれ続けていることを忘れてはいけない。そして、来年3月に集中する避難指示の解除、学校の現地開校、避難住宅の打ち切りなどの動きに注目度をあげ、これらの問題を脱原発とともに国政の課題に押し上げていかなければならない。(取材:10月15日) Created by staff01. Last modified on 2016-10-25 13:22:59 Copyright: Default |