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なぜ朝鮮学校を「無償化」すべきなのか?〜「差別」の不合理訴える

    尾澤邦子

 「なぜ朝鮮学校を『無償化』すべきなのか?」という集会が、10月15日(土)午後2時から東京北区の赤羽会館で開かれた。会場はほぼ満席の190名が参加していた。

 弁護士の李チュニさん(写真上)から、東京無償化訴訟の報告があった。「裁判を起こしてから約3年になる。今、ヤマ場を迎えている。文部科学省の担当者を証人申請し、採用された。国側をよばないと、真実が明らかにならない。次回12月13日、学生原告2名と文科省担当者の尋問がある」と報告。

 講演は、神奈川大学法科大学院教授の安達和志さんで、「『高校無償化』からの朝鮮学校除外、何がおかしいか」と題する、法律専門家の立場からのお話しだった。2013年2月、文部科学大臣は朝鮮中高級学校について、就学支援金の支給対象外国人学校に指定しない旨の処分を行った。しかし、どんな事実関係のもとで、どう審査して決定を出したのか、その処分理由を提示する義務があるにもかかわらず、出していない。高校無償化法は「教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与すること」を目的とし、その受給権者は生徒である。処分理由としてあげられた教育基本法16条1項の「不当な支配」について、安達さんは「教育活動に対する個別・具体的関与を特定せず、当該学校が恒常的に『不当な支配』の状態にあるとの『疑い』で処分している。『不当な支配』が疑われるなら、是正措置が講じられるべき。それを理由に生徒を不利益扱いするのは甚だ不合理」と話した。

 生徒の立場からのアピールがあった。「朝鮮人らしく生きようとすると、この国では排除され、差別される。私たちは、植民地時代の抹殺・同化政策からの地続きの今を生きている」と話していた。 主催した東京朝鮮高校生の裁判を支援する会からは、長谷川和男共同代表(写真下)があいさつした。

 「毎週金曜日、高校生・大学生たちは文科省に対する抗議行動を行っている。10月21日(金)には100回になる。日本人も結集してほしい。大きな世論と、政府に対する行動を結合しよう」と話した。また今年3月、文科省は地方自治体に対し、「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点」なる通知を出した。これにより補助金を止めた自治体も出てきた。長谷川さんは、子どもの教育を受ける権利とは何ら関係を持たない政治的理由により、補助金の支給を停止することは、学習権の侵害につながると、「地域の学校・子どもたちを支えるのは地域だ。地元の自治体の動きをみてほしい」そして「人権無視の教育を転換させよう」と訴えた。

 最後は、毎週金曜日、文科省前で歌われている歌「声よ集まれ、歌となれ」を会場全体で合唱した。とても緊張感のある集会だった。


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