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東北大学・非正規職員3200人が雇い止めの危機!〜緊急集会開かれる

    佐々木有美

 東北大学の非正規職員3200人が雇い止めの不安にさらされている。改正労働契約法により、2018年4月以降、有期雇用契約が5年を超えた労働者には、本人の申し出だけで、無期雇用に転換する権利が与えられることになった。これを嫌った東北大学は、就業規則を変更して、労働契約の更新上限を5年に定め、これ以上の雇用更新の条件を「常勤職員と同等以上」などと不当に厳格にした。このままでは、非正規職員3200人が2018年春から順次雇い止めに直面してしまう。

 こうした状況を阻止しようと、10月11日、参議院議員会館で緊急集会が開かれた。主催は、東北非正規教職員組合・首都圏大学非常勤講師組合・全国大学高専教職員組合(全大教)。国会議員、大学労組関係者など60名が参加した。当事者組合の東北非正規教職員組合事務局の佐藤完治さん(写真下)は、「今まで2回団交をした。雇い止めは違法性が濃厚で、5年上限は、不利益変更にあたると主張すると、大学側はまともな反論ができない。当事者の大学あて署名も1200名近く集まり、全国の支援も広がっている。この闘いは負ける気がしない」と力強く発言。

 集会では、大阪大学・神戸大学・河合塾からも、非正規職員の雇い止め攻撃が報告された。多くの国立大学では東北大学と同じような手法で、2018年の無期転換をないものにしようとしている。全大教の長山泰秀書記長は、その背景に、国立大学の当局者が、独立法人化前の公務員制度の発想を引きずっていること、国立大学の教育・研究を支える運営費交付金が削減され続けていることを挙げた。ノーベル賞を受けた大隅良典氏が訴え続けている、基礎研究の危機は、まさにここに起因する。

 最後に首都圏の国立大学に非正規で働くシングルマザーの女性が発言した。「東北大で起こっていることは首都圏でも起こっている。5年で雇い止めと言われた。納得がいかず、一人で仲間の職員や大学に働きかけたが、反応がなく落胆していた。東北大のがんばりを知って何かできるのではないかと思った。今日の話を聞いて自分は間違っていなかったと確信した」。一人が立ち上がることからすべてが始まる。


Created by staff01. Last modified on 2016-10-12 11:27:56 Copyright: Default

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