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米国に広がる「国歌斉唱拒否」行動〜「タイム」表紙にキャパニック選手

    和美(サンフランシスコ)
 黒人や他の有色人種への差別への抗議として、国歌斉唱時に起立しなかったアメリカンフットボールのコリン・キャパニック選手。その後の影響がだんだんと大きくなって来ているのでお知らせします。先ず、この1週間ほどで黒人男性3人(13歳から43歳)が警察により撃ち殺されました。それらに対するデモがその町だけでなく、他の都市にも広がっています。キャパニック自身に対しては殺すという脅迫なども来ているようです。このような状態の中で彼に賛同する人たちが、同じような行動をし始めました。

 アメリカではいろいろな行事、公の会合、学校などでミーディングやクラスの前によく「pledge of allegiance (忠誠の誓い)」というのを、右手を左の心臓の上に置いて星条旗に向いてやるのですが、その中で 「…one nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.(…我々は神の元、すべての民が自由と公正の元で一丸となって星条旗に忠誠を…)」というのを声を出して誓います。ちなみにこちらのサンフランシスコ労働組合協議会などでは毎回ミーティングの前にこれをします。ただ最後に「some day」というのを付けて「いつかは…」と言っていますが。

 ところが隣の町のオークランドで先日の市会議員の例会で二人ほどの議員がこの忠誠の誓いに立ちませんでした。前回でミッションハイスクールの事を書きましたが、今度はオークランドのキャッスルモントのハイスクールで選手たちばかりでなくそのコーチも国歌斉唱中、片膝をついて拳をあげたそうです。また、オークランドの学校区で形成されているブラスバンド155人はこの水曜日、オークランドのプロ野球チーム、オークランドAs の試合開始前に国歌を演奏したのですが、その間、全員立たずに片膝をついて演奏したそうです。

 今日 (9/23) のクロニクルの新聞の一面の写真は女性のサッカーナショナルチームが国歌斉唱中、他全員が右手を胸に当てて直立している中で、一人片膝をついている写真です。その下の写真は、キャパニックが今度の雑誌「タイム」に彼の片膝をついた写真が表紙になるそうですが、そのカバーの写真が出ていました。

 今までは一部の左派系の人たち(スティーブ・ゼルツアーも含めて)で立たない人たちを見てきましたが、キャパニックの行動によって、このように一般の人たち、特に若い人たちが実際に疑問を持ち、話し合いをしたりして、このような行動に出たというのは今回が初めての経験です。アメリカは大変狂信的な右派も多い国ですから、なかなか皆の前でこのような行動に出る事はそのしっぺ返しを覚悟しなければ行けませんから大変です。しかしキャパニックの行動によって勇気を得たのでしょう。この日曜日にはまたプロフットボールの試合があります。今度は何人がひざまずくのでしょうか。


Created by staff01. Last modified on 2016-09-25 02:26:30 Copyright: Default

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