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憲法のことを身近に話せる場〜「憲法カフェまつり2016」に参加して

    尾澤邦子

 若い女性に人気の「憲法カフェ」を地域でやりたいと思い、「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」主催の「憲法カフェまつり」に行ってみました。9月24日(土)午後1時半、東京駅八重洲地下街から直結する貸会議室。「受付がおすみの方は、お菓子を持ってお好きな席に座ってください」と言われたが、雑然と置かれた椅子。どうやら3か所で分科会が行われる様子。会場はたちまち満席に。

 分科会ラインナップは、「憲法改正の本丸〜緊急事態条項と任期延長ってなんだ?〜」(小口幸人弁護士)、「国が決めるの!?家族の形〜24条改憲の危機〜」(打越さく良弁護士)、「学校で中立『病』が蔓延!?〜ますます進む『政治はタブー』」(小林善亮弁護士)。3つの分科会は、時間を区切り、同時並行で3回行われるとのこと。

 開会のあいさつで、あすわか事務局長の早田由布子弁護士は、「2013年に28人の弁護士で始めたが、現在500人を超える弁護士が全国で憲法カフェを行っている。お茶を飲んだり、お菓子を食べながら、改憲のテーマ、何が変えられるのか、どうなるのかなど話し合っている。今日は、今問題になっている3つのことを取り上げた。疑問を解消するものにしたい」と話した。テーマごとに全体で話を聞くというのではなく、20〜25人くらいで、顔が見え、声が聞こえる範囲に集まり、わからないことはその場で質問しながら進めていくというやり方。

 私は3つの分科会を順番に回った。まずは、「緊急事態条項」について。小口弁護士(写真上)の、資料をふんだんに提示しての説明はとてもわかりやすく、「改憲の必要なし」を実感。「24条改憲」については、45分という時間では足りず、議論はできず。でも改憲案が、女性に家事・育児の役割を押し付け、多様な家族を認めないものであることはわかった。3つ目の学校現場における「政治的中立性」についての質問から始まった小林弁護士のお話は、おもしろかった。というか、とても深刻な事態が学校でも起こっていると感じた。

 学校の先生も参加していて、「学校では、とても緊張していて、ものが言えない状態」と話していた。教育基本法14条の「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」ということの大切さや、「子どもの発達要求を最も正確に把握し、具体的な教育内容を選択できるのは現場の教員」であることを認識。政府・文科省の不当な学校への介入と圧力に、教育の危機を感じた。休憩をはさみ、場所を移動しての分科会は、それぞれに集中して、みな熱心だった。

 気軽に立ち寄れ、憲法の実態について知ることができる身近な場の必要を感じました。葛飾では、11月13日(日)午後2時からウィメンズパル(京成線「お花茶屋」駅徒歩10分)で、あすわかの江夏大樹弁護士(1990年生まれ、東京法律事務所)をお招きして憲法学習会を行います。お近くの方は来てみてください。


Created by staff01. Last modified on 2016-09-27 11:27:34 Copyright: Default

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