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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(8/25) : オリンピック・パラリンピック教育にまたまた金を注ぎこむ
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●根津公子の都教委傍聴記(2016年8月25日)

オリンピック・パラリンピック教育にまたまた金を注ぎこむ

 公開議題は、議案が 〕菁度使用の高校教科書採択について 第2期都教委いじめ問題対策委員会への諮問事項について。報告が オリンピック・パラリンピック学習ノートの作成・配布について。非公開議題には、いつもながら処分案件4件のほか、ここ連続していじめ問題の報告が上がっていた。公開議題はわずか30分で終了。山口教育委員の姿はなかった。

〕菁度使用の高校教科書採択について

 小中学校は4年に一度教科書採択が行われるが、高校の教科書採択は毎年この時期に行われる。高校の教科書採択で2013年以来問題になっていたのが、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」が「日の丸・君が代」について「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述したことに対し、都教委が「都教委の考え方と異なる」と各学校に「通知」し、選定を事実上禁止してきたことである。この記述は事実であるから、都教委は「間違い」とは言えず、しかし、都教委の好みだけで実教出版及び学校に圧力をかけてきたのだった。

 このうち、来年度使用の「高校日本A」がこの記述を削除した。都教委や大阪府教委の妨害による、会社存続の危機からの苦渋の決断だったのではないかと思う。したがって、都教委は「高校日本史A 新訂版」については「通知」は出さず、「高校日本史B」については引き続き「考えが異なる」として「通知」した(6月23日の定例会で決定)。

 今日は各学校が選定した教科書一覧が示され、教育委員によって採択がなされた。教育委員から意見はなく、形式的にことが進んだというところ。ちなみに、「高校日本史B」を選定した学校はゼロ、「高校日本史A 新訂版」を選定した学校は7校だった。この7校は3年間、この教科書を選定できなかったということなのだろう。

第2期都教委いじめ問題対策委員会への諮問事項について

 第1期都教委いじめ問題対策委員会の最終答申が出たのが今年7月、その答申を踏まえて「いじめ総合対策 第2次」を策定し、来年度から各学校に取り組ませるとのことだが、「その取り組みの成果と課題を不断に検証、評価して、その改善を図っていくことが求められる」。そこで、第2期都教委いじめ問題対策委員会に諮問するのだという。取り組みの成果が少ないのは、答申や策定の視点が間違っているからなのだ。個々人の生徒に優劣をつけない社会や学校をつくる努力をしない限り、そのことを子どもたちに提示しない限り、いじめは解決しない。そこを見ようとしないで、「都教委はやっています」のポーズはやめてもらいたい。

オリンピック・パラリンピック学習ノートの作成・配布について

 都教委は、多額の金を注ぎこんで「オリンピック・パラリンピック副読本」を小学校4年生から高校3年生までの全児童・生徒に、またDVD教材をすべての学校に3月末までに配った。そして、今年度4月から年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育を各学校に課し、「愛国心」の刷り込みを、年間を通して不断に行っている。そこに今度は「学習ノート」を副読本と同じく、4年生以上の全児童・生徒に配布するのだという。この9月から2020年までの4年間、継続して使用し、子どもたち一人ひとりが、学習・体験したことや調べたことなどを記入し、オリジナルなノートをつくり上げる、と謳う。すでに印刷に回っているとのこと。これも、「都教委はやっています」の自己アピール以外の何物でもない。子どもや教員はまた、過重負担を強いられる。

 この報告に対し、遠藤教育委員だけが疑問を呈した。「4年生から高校3年生まで同じもの、高校生にとって子供だましのようなものを配るのか。配布を否定するのではないが、年齢によって関心も違う。高校3年生は2020年には大人だ」 今日の定例会で初めての意見らしい発言だった。しかし、事務方の答えは、「学年に応じて作り上げるノートはそれぞれ関心が違っても、それぞれが書き込める形式になっている」の一言で終わり。


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