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LNJ Logo 東京東部労組 : メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判証人尋問報告
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全国一般東京東部労組の須田です。
以下、昨日の東部労組メトロコマース支部非正規差別なくせ裁判証人尋問の報告
です。

非正規差別と生活苦への組合員4人の怒りで傍聴者の魂を震わせた!
〜東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判証人尋問報告〜
東京メトロ駅売店の非正規労働者らでつくる全国一般東京東部労組メトロコマー ス支部が正社員との賃金差別をなくすために起こした裁判の証人尋問が6月23日、 東京地裁であり、同支部組合員の原告4人が非正規差別と生活苦を強いる会社側 への怒りをもって、同じ仕事をしているにもかかわらず労働条件に不合理な格差 があることを堂々と証言し、傍聴に駆けつけた多くの支援者の魂を震わせました。 証人尋問は午前中、会社側証人として向井拓メトロコマース前総務部長への主尋 問・反対尋問がありました。組合側弁護団による反対尋問で、なぜ正社員に支給 される住宅手当や家族手当が出ないのか、早出・深夜の割増賃金に差がついてい るのはなぜか、非正規労働者に退職金が出ないのはなぜかなどについて、向井氏 は「過去の経緯でそうなっているから」「そういう制度だから」などと答えまし た。まさに、そのような経緯と制度が非正規労働者への差別だと指摘されている にもかかわらず、まったく合理的な説明ができませんでした。 その他も多くの尋問に対して「覚えていない」「記憶にない」などと不誠実な答 弁に終始しました。正社員には売店の中でもとくに売上げの高い売店を任せてい るので非正規労働者とは役割と責任が違う、という会社側の主張に対して、裁判 官から「そのような売店にはより経験がある契約社員B(非正規労働者)をあて がった方が良いのではないか」という当然の疑問が補充尋問として出されました が、これにも向井氏は「会社の方針としてそうだから」と、何の説得力もない言 い方しかできませんでした。 午後は組合側証人として、まず同支部の後呂良子さんが証言に立ちました。後呂 さんは非正規労働者も正社員とまったく同じ売店業務を担っていること、自分た ちの創意工夫で売上向上に貢献していること、責任の度合いや配置転換の有無な ども同じであること、登用試験の不合理性などを具体的に明らかにしていきまし た。そのうえで、以前の店舗が閉店になる際にお客さんがくれた手紙に、後呂さ んは「心のオアシスだ」と書かれていたことを紹介し、「非正規労働者はいくら 頑張っても会社に評価されないが、お客さんは見てくれていた。これからも頑張っ ていこうと思った」と涙ながらに語りました。 続いて同支部の瀬沼京子さんが証言。過去に骨折で仕事を休んだ際、正社員は私 傷病時に休めるのが3年であるにもかかわらず、契約社員Bは4カ月であること をあげ、さらには正社員にはほとんど全額賃金が払われるのに契約社員Bは無給 で、なおかつボーナスまで減額されたという差別の実態を明らかにしました。母 親の介護で働けなくなった時の心境を「収入が断たれ、ショックだった。姉弟の 援助があったから何とか生活できた。退職金もなく、賃金も低い契約社員Bの生 活を会社は考え直してほしい。格差をつけるのをやめて、売店の屋台骨を支えて きた契約社員Bを救ってほしい」と訴えました。 組合側として3番目に証言に立ったのは同支部の加納一美さん。2011年3月11日 の大震災時には電車が動かなかったため家に帰れず、翌朝そのまま一睡もせずに 売店勤務についたことなどの事実に基づいて、非正規労働者であっても責任をもっ て売店業務にあたってきたことを証言しました。会社に定年退職を迫られた際、 常連のお客さんからもらったハンカチを「勲章」と話す一方で、会社は退職する 正社員には盛大にパーティで祝いながら非正規労働者にはねぎらいの言葉や花一 輪すらなかったことに「社員と同じ仕事をしてきたのに、なんでこのような差別 されるのか、いまでも納得できない」と怒りを表明しました。 最後に同支部の疋田節子さんが証言に立ちました。非正規労働者への差別ゆえの 低賃金について、けがで仕事を休んだ際に社会保険料の支払いのため、父から社 会人になったお祝いにもらったネックレスなどを売却してお金を捻出したときの つらい気持ちを語りました。息子との2人暮らしで、冷暖房もほとんど使わず、 大根の葉など食材も残さず生活費を切り詰めている状態であるものの、昨年4月 の退職時には貯金が8万円しかなかったという。「賃金が上がらないので、会社 側に生活を安定させるため、せめて月給にしてほしいと言っても『ダブルワーク しろ』としか言われなかった」と悔しい思いを述べました。 裁判後の報告集会には、傍聴席に入れなかった支援者が残って参加してくれまし た。同支部組合員と弁護団は大きな拍手で迎え入れられました。弁護団が証人尋 問のポイントと今後の裁判の進行について説明し、同支部組合員からは証人尋問 を終えての感想を述べました。同じ労働契約法20条裁判を闘う郵政ユニオンの仲 間から連帯発言を受け、最後に「東京メトロとメトロコマースは非正規差別をな くせ!」などのシュプレヒコールを参加者全員であげました。 次回の裁判と報告集会の日時・場所は以下のとおりです。引き続き皆さんのご支 援をよろしくお願いします。 【東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判 第16回口頭弁論】 ■日時:2016年9月29日(木)午前10時〜 ※ 10分前に法廷前に集まってください。 ■場所:東京地裁7階 709号法廷 (地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口から徒歩1分) ※ 報告集会は裁判終了後すぐに徒歩で移動して日比谷図書館4階小ホールで行 います。 <連絡先> 全国一般東京東部労組 書記長:須田光照 電話 03-3604-5983 メール info@toburoso.org 参照ブログ「労働相談センター・スタッフ日記」記事 http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/123d45b93dbccb5e36bc7c47a21eb71b

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