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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(4/28) : 都教委の教育支配・教育破壊は今年度もさらに進むのか
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●根津公子の都教委傍聴記(2016.4.28)

都教委の教育支配・教育破壊は今年度もさらに進むのか

 議題は、議案(非公開)が教員の懲戒処分1件、報告が‐中学校の来年度使用教科書の採択方針についての選定審議会答申について ∧神28年度教育庁主要施策について のみ。宮崎教育委員は10分後に入室し、着席した(いつもながら説明がないので理由はわからないが、遅刻か?)。

 次回5月12日は議題がないから定例会を開催しないとのこと。議題をめぐって教育委員が議論し、修正意見を出すとか担当所管に差し戻すとかは一切なく、担当所管の提案・報告を承認・通過させる、かたちだけの教育委員会定例会でしかない。そんな実態を見ると、開催しなくても変わりはないのだけれど、月1回の定例会で40数万円の報酬かと嫌みの一つも言いたくなる。

 以下、∧神28年度教育庁主要施策についての報告。

 「教育庁主要施策」とは都教委が該当年度に重点的に取り組む施策であり、毎年30程度の施策を定めているとのこと。「東京都教育ビジョン(第3次・一部改定)」の≪七つの柱・10の取り組みの方向≫を受けて、26の今年度教育庁主要施策を決めたとの報告。 前回報告したように、舛添都知事が「教育施策大綱」(首長が策定)にオリンピック・パラリンピック教育を入れたのを受け、都教委はこれまでの柱(知 徳 体 学校 家庭 地域・社会)にオリンピック・パラリンピック教育を加え、そのオリンピック・パラリンピック教育を最前面に押し出した七つの柱からなる「教育ビジョン(第3次・一部改定)」を策定した(4月14日)。それを受けての今日の、今年度「主要施策」。「主要施策」の冊子が都立学校及び区市町村教委に配布されるのは6月という。今年度が始まって2〜3ヶ月も経っての配布とは、なんと身勝手、計画性のないことか。

 今年度の26の「主要施策」は、「基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上」「理数教育の充実」「『使える英語』を習得させる実践的教育の推進」「豊かな国際感覚を醸成する取組の推進」「日本人としての自覚と誇りの涵養」「道徳心や社会性を身につける教育の推進」「体力向上を図る取組の推進」「オリンピック・パラリンピック教育の推進」「優秀な管理職等の確保と育成」「都立高校改革の着実な推進」等々。

 教育産業と癒着する「東京ベーシック・ドリル」の電子化に向けた準備を「基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上」と言い、エリートには金をかけ、ノンエリートには金をかけない都立高校改革や、偏狭な「愛国心」の刷り込み、全公立学校に30万円を、100の重点校にはプラス20万円をばらまいて行うオリンピック・パラリンピック教育等々、具体的にはこの1年、私が報告してきたことである。

 教員は都独自の道徳読本(小中)や「人間と社会」(高校)を使った授業や年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育、さらには補習授業まで都教委の指示通りに動かされ、多忙を極め、本来学校で優先して行うべき「教員と子どもとの人格的接触」に充てる時間はない。子どもの事故が起きると教員の対応が問題視されるが、教員が都教委に振り回される中、子どもの心の叫びに気づくことなど不可能となっているのではないか。都教委がすべきは、その現場を振り返ることなのではないか。

 「教員と子どもとの人格的接触」を最優先すべく、都教委にはすべての施策を葬り、学校・教職員支配をやめてもらいたい。「学習指導要領は大綱的基準(緩やかな基準)」という司法判断に沿って、教育を学校・教員に任せてもらいたい。

 21世紀に入ってからの都教委の教育支配・教育破壊は年を追うごとにひどくなっている。26の「主要施策」の実施で、今年度もそれに一層拍車がかかると思うと空恐ろしい。


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