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「慰安婦」日韓合意は世界の非常識〜渡辺美奈さんが国連報告

        尾澤邦子

 「私は日本代表団の団長の『慰安婦』問題に関するご発言は大変残念で、失望しました。受け入れがたいご発言です。70年前に起こった歴史や歴史的事実を、変えたり否定することは誰にもできません」と、2月にジュネーブで行われた国連女性差別撤廃委員会でゾウ委員は発言しました。オーストリアのホフマイスター委員の質問に対して返答した、日本政府の杉山外務審議官に対しての発言です。

 4月3日(日)午後、東京の韓国YMCA国際ホールは、会場満席の約150名の熱気につつまれました。国連女性差別撤廃委員会に参加してきた渡辺美奈さん(写真上)の報告に熱心に聞き入りました。(集会名:「日本の常識?世界の非常識!」国際社会は「政府間合意で解決」を認めない!主催:日本軍「慰安婦」問題解決全国行動)

 ホフマイスター委員は、日本と韓国の二国間合意の法的性格についてや、これまでの諸国連機関による数々の勧告(補償、存命の加害者の訴追、第二次世界大戦中の日本軍当局の役割に関するしかるべき捜査と情報、教育についてなど)をどう実施するかについてなどを、日本政府に質問しました。

 杉山晋輔外務審議官は、韓国政府との間で「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に」解決されることを確認したと強調する一方、「日本政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった」「性奴隷といった表現は事実に反する」などと発言しました。

 しかし日本政府が、極東国際軍事裁判をはじめアジア各地で開催された国際法廷、オランダ政府から送付された報告書など日本軍による「強制連行」を示す文書・資料を持っていることは明らかです。また日本の裁判所に提訴された「慰安婦」裁判でも軍による強制連行が事実認定されています。にもかかわらず日本政府は「強制連行を証明する資料はない」とウソを言い続けているのです。あきれるし、恥ずかしいし、こんなことが許されるのかと思います。

 渡辺さんは「日本政府は質問に答えないし、また答えられない新人を連れてきておうむ返しの返答をさせていた」と報告しました。またメディアが政府の報告しか報道しないことも非難しました。

 国連女性差別撤廃委員会の対日審査最終所見は3月7日に出されました。その中で「「慰安婦」問題が「最終的かつ不可逆的に解決した」とする大韓民国との二国間合意の発表は、被害者中心アプローチを十分に採用していない」と指摘しています。渡辺さんは「『合意』に被害者が関わっていないことだけで国際社会ではアウト。合意の内容はあいまいで、文書もない」と話しました。

 集会のまとめでヤンチンジャさんは「日本政府は被害者を傷つけている。メディアは真実を報道しない。みなさんはネットワークで拡散してほしい。被害者不在の『合意』はありえない。それは国際社会の常識だ」と話しました。


Created by staff01. Last modified on 2016-04-05 10:17:03 Copyright: Default

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