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LNJ Logo アリの一言 : 宜野湾市長選・志村候補の足を引っ張ったのは翁長知事
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宜野湾市長選・志村候補の足を引っ張ったのは翁長知事

  

 宜野湾市長選挙で佐喜真淳氏が当選したことで、安倍政権が「辺野古新基地建設」に弾みがついたなどと言うことは絶対に許されません。本土メディアも共通して指摘しているように、佐喜真氏は辺野古移設への賛否は隠し続け、選挙では争点にしなかったのです。
 佐喜真氏が唱えた「普天間の危険性の一日も早い除去」が「支持」されたのだとすれば、それは逆に、これまで普天間基地の危険性を放置してきた政府・自民党、安倍政権への批判にほかなりません。

 「辺野古移設」について、沖縄タイムス、朝日新聞、琉球朝日放送合同の「出口調査」では、賛成34%、反対57%。同じく、琉球新報、毎日新聞、共同通信の合同出口調査でも、賛成33%に対し、反対56%でした。
 今度の選挙(出口調査)でも、「辺野古移設反対」が多数であることがあらためて示されたのです。

 志村恵一郎候補にとっては、もともと「2期目の現職の壁」に挑む困難な選挙でした。「敗因」もいちがいには言えません。
 しかし、少なくとも次の点は、今後のためにも銘記しておく必要があります。
 それは、「敗れた志村陣営は終始、『翁長頼み』の選挙だった」(25日付沖縄タイムス社説)などと、まるで翁長氏が“悲劇の主人公”であるかのように描く論調とは真逆に、翁長氏こそ志村候補の足を引っ張った張本人だったということです。その根拠を2点挙げます。

 1つは、翁長氏が宜野湾市長選を“自分の選挙”にしてしまったことです。

 翁長氏は「告示第1声」で、こともあろうに「宜野湾市長選挙を勝つことによって・・・また私に勇気を与えてください」(18日付「赤旗」)と公言しました。“自分の選挙”と考えている証拠です。
 事実、翁長氏は、「年末から積極的に市に入り、告示後は連日、志村氏と遊説」(25日付沖縄タイムス)し、選挙の「取り組みを細かく指示」(19日付同)しました。

 沖縄タイムスは「志村陣営は候補者決定が大幅に遅れ、志村氏に決まった後も司令塔の不在」(25日付社説)だったことを「敗因」にあげています。
 なぜそうなったのか。それは翁長氏が、「宜野湾の候補者は宜野湾で決めるのが原則だ。なぜ知事サイドが介入してくるのか」(昨年9月21日付琉球新報)という地元の声も無視し、決まりかけていた伊波洋一氏を下ろして志村氏を強引に候補にした結果ではなかったのでしょうか。

 地元の声を無視し、志村氏をまるで操り人形のようにして、宜野湾市長選挙を“自分の選挙”とした翁長氏(志村陣営)に、地元宜野湾市民が不快感を持つのは当然ではないでしょうか。

 もう1つは、最大の争点である「普天間返還」について、翁長氏が志村候補とは違う「政策」で足並みを乱したことです
 志村候補は「移設条件なしの無条件即時閉鎖・返還」を主張し、それを政策の目玉にしました。これに対し、翁長氏は「県外移設」を主張し食い違いを露呈したのです。

 志村候補の生命線ともいえる目玉政策での足並みの乱れは致命的です。
 たとえば、琉球新報の社説(24日付)は、「翁長県政が明確に県外移設を訴える中で『無条件の閉鎖撤去』を(志村候補は―引用者)主張しており、移設先に対する立場では県政と違う点もある」と指摘しました。投票日当日のこの社説の影響はきわめて大きいと言わねばなりません。

 翁長氏の「県外移設」論は、そもそも「オール沖縄」の「建白書」(2013年1月28日)に反するものです。「オール沖縄」を掲げながら「県外移設」を主張するのはごまかしです。
 また、今回の選挙の直前に県紙が行った世論調査でも、「県外移設」20・8%に対し、「無条件閉鎖・撤去」35・6%(19日付琉球新報)、「県外」29%、「国外」43%(19日付沖縄タイムス。同調査の選択肢に「無条件閉鎖・撤去」がないのは妥当ではなく、「国外」がその代わりになっています)。「県外移設」はけっして県民(市民)の多数ではないこと、「無条件閉鎖・撤去」こそが多数意見であることが改めて示されています。

 翁長氏は、「建白書」に反し県民の多数意見にも反する「県外移設」論で、陣営の足並みを乱し、志村氏の足を引っ張ったのです。

 今回の選挙で翁長氏が果たしたこうした“役割”を、「オール沖縄」の「革新」会派・市民はどう受け止め、どう教訓化し、今後にどう生かすのか。それが問われているのはないでしょうか。

*ブログ「アリの一言」より

Created by staff01. Last modified on 2016-01-25 13:57:31 Copyright: Default

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