石川源嗣のコラム :佐藤昭夫さんの新著から学ぶ | |||||||
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東部労組の石川です。 東部労組機関紙2015年6月号コラム<二言三言>に下記の文章を掲載しました。 佐藤昭夫さんの新著から学ぶ 佐藤昭夫さん(早稲田大学名誉教授・弁護士)の新著『「武力信仰」悪夢再現 を憂える 戦後労働法を学んだ陸軍将校生徒(米寿の記)』が悠々社から出版され 、先月、私も呼びかけ人になった出版記念会が亀戸カメリアで開催された。 佐藤さんは、戒能通孝、野村平爾など労働者側に立つ労働法学者の系列で、私 の前著でも『労働法学の方法』から引用させてもらったり、全金田中機械支部の 大和田委員長追悼会に同席させてもらったりしている。当日も米寿(88歳)とは 思えない頭脳明晰、言語明瞭でよどみがなかった。 あいさつを依頼されて、「本書の一貫した基本テーマは団結権で、労働者が尊 厳を持って生きるには、団結権確保が何より必要だということを学んだ。私たち の経験での実感とも合致する。職場で集団的労使関係を確立するために奮闘した い。佐藤先生のご健康を祈る」と発言した。 本書の特色は、いま闘われている労働争議に対する佐藤さんの20本に及ぶ意見 書・告発状・陳述書で、いずれも裁判・労働委員会に大きな影響を与えた。 同時に本書の「終章 今、何が必要か」で次の2つのことが主張されている。 ひとつは、<労働組合がどのような役割を果たすかは、そのときの主体的・客 観的諸条件によって、一様ではない。1937年7月に盧溝橋事件が起こり、中国に 対する戦争がはじまると、当時の有力なナショナルセンターであった全日本労働 総同盟は、同年10月17、18日の年度大会で、今日の時局は「非常時局」であり、 「労働者階級もまた時局の担当者たる矜持(きょうじ)を持し、・・・・あるべ き犠牲と困苦に対しては、自ら進んで堅忍するの用意あるを要する」とし、「進 んで全産業にわたり同盟罷業の絶滅を期す」という「宣言」を決議した。そうし て、翌38 年4 月には国家総動員法が作られ、39年7月には国民徴用令が発せられ る。40年7月8日には総同盟の自発的解散決議、11月23日に大日本産業報国会と続 いていく>。 もうひとつは、「彼らが正しくて勝つのではない。私らが連帯しきれなくて負 けるのだ」という韓国労働者の言葉を引用しつつ、その困難を克服する道として 、敵を見誤らぬことと戦い続けること、を強調する。 いま時代の危機にあって、私たちはこれらから繰り返し深く学ぶところが大き いのではないか。(石) Created by staff01. Last modified on 2015-06-17 13:32:00 Copyright: Default |