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心が震えたレイバーネットTV「愛する人を戦地に送るな!」

      堀切さとみ

放送アーカイブ

 11月11日のレイバーネットTV「愛する人を戦地に送るな!〜安保法と自衛官」、心が震えました。

 この間、元自衛官だった人たちの訴えがレイバーネットや新聞などでとりあげられ、もちろんそれも貴重なことなのですが、現役の若い自衛官の家族が、実名で声をあげるというのは、本当にすごいことだと思います。

 出演された富山正樹さん(写真上)は清々しかった。自分の息子について語るときは穏やかな笑 顔だった彼が、唯一泣きそうになったのは、安保法案反対の署名を してくれた女子高生が「私の父は自衛官で、すでに南スーダンに行っています」と語っていたというときでした。自衛隊が戦場にいく。もう現実なのに、まだまだ先のこと、あるいは他人事・・・圧倒的多数の日本人、あるいは平和運動家でさえもそう 思っている。

 「もはや一刻の猶予もない。時間との闘いなんだ」という富山さんの言葉に、2003年の大量破壊兵器の保持を理由に、イラクに空爆をしようとしたアメリカを想起しました。あのときも「イラクは大量破壊兵器なんて持っていない」「いや、それでもブッシュは空爆するだろう」という論議で揺れ動いていた。社会のあらゆる手続きを無視する安倍政権が、あの時のブッシュと重なります。“アメリカは戦争したい国なんだね”と言っていたのに。・・・日本はアメリカ をみごとに踏襲してしまいました。

 家族を思う人たちが声をあげられない。家族のために黙っている、ガマンする・・・そんなことがあまりに多い。特攻隊や「捕虜になるより自決」 を是とした日本的DNAが息づいているせいなのか。

 放送中、「何があなたの行動を支えているのか」という質問に対して、富山さ んは少し考えて「わがままかなあ」「あとで後悔したくないから」と言いました。悔いなく生きるというのは、とても大事なことだと思います。戦争体験者は「もっとああすればよかった」ではなく「そうするしかなかった」と言いますが、戦争になれば、そこでのあまりの非人間的行為に対し、自 己肯定するしか生きるすべがないのかもしれません。その愚かさを、引き継いではいけないと思っていたので、ずしんと来ました。

 人は職業的に、たとえば自然災害の救助隊員のように、命を投げ出してでもやらなければならないことはあると思います。 でも、無理やり必然性を作り出された戦場に送り込まされる。そうした茶番に忠誠を尽くさねばならない。そして大方の国民は、そんな現実を引き受ける自衛官をリスペクトしない。 ・・・そんなバカげた社会に、四人の我が子をきちんと立ち向かわせたいという のが、富山さんの父親としての思いであろうと思います。これは、自衛官の家族にとどまらない。一人一人が自分の一生や、家族の将来 を考えるきっかけにしてほしい。素晴らしい番組でした。

 レイバーネットTVによって、マスコミから出てほしいと言われた人(「追い出し部屋」小川秀朗さん/写真)も登場しましたね。大手メディア(特にNHK)は、被写体が攻撃されないよう配慮するとかなんと か言って、世間に物言う人を取り上げない傾向がありますが、 正々堂々と言いたい人は富山さんはじめ、たくさんいます。「アリさんマークの引越社」の西村さんもその一人でしょう。

 モノいう人は、70年前よりたくさんいます。メディアも多様化しました。レイバーネットTVは、闘う人とがっしりスクラム組めるメディアであり続けてほしい。私も、拙くともその一翼を担いたいと思います。

*写真=小林未来(スタジオ写真)。2枚目は福岡市内で訴える富山正樹さん。  


Created by staff01. Last modified on 2015-11-12 17:38:24 Copyright: Default

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