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国会前行動に参加する若者〜16歳と74歳の対話

      浅田洋治(清掃労働者)

 *8月2日の高校生デモ。本文とは関係ありません。

 安保法案に反対する国会前行動に参加するため日比谷公園付近を歩いていると、同じ方向に向かう若者グループに出会いました。そのうち2人は「戦争させない」「9条壊すな」のプラカードを持ち、もう1人は旧日本軍の旭日旗を持っていました。私が思わず「このプラカードとその旗は矛盾するのでは?」と声をかけると、彼らは笑顔で「私たちは右翼と左翼です。しかし安保法案は日本がアメリカの戦争に参加するためのもので、左右の別なく反対しなければならないと思い、3人で話し合って行動に参加することにしました」と答えるのです。

 私が「全くその通りだと思います。だけど同時に、この旗の下でアジアをはじめ日本人やアメリカ人など何万人もの人々が殺し殺されたことも考えてください」と言うと、旗を持っていた若者は真剣な表情で聞いてくれました。年齢を聞くと「16歳、高一です」とのこと。

 こちらが「私はもう74歳になります。あなた方と同じ年齢の頃、友人とスクラムを組み『安保反対』と声を上げてこの道路をデモ行進しました。あれから55年も経つのに、当時の岸信介と同じ考えを持つ安倍晋三のような人間が総理になり、日本を間違った方向に持っていこうとしていることに責任を感じて、この行動に参加しようと思いました。若いあなた方が自分の考えでこうした行動に立ち上がっていることに心から敬意を表します」と言うと、若者たちは「おたがいに頑張りましょう」と言って去って行きました。

 足早に目的地に向かう彼らを見送る私の目に入ってきたのは、旭日旗の若者がその旗をポールからはずしてバッグの中にしまう姿でした。(「スペース21」第90号 2015年10月号より転載)


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