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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(10/8) : 根津公子の傍聴阻止に躍起になる都教委
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●根津公子の都教委傍聴記(2015・10・8)

根津公子の傍聴阻止に躍起になる都教委

*根津さんが都教委に傍聴を拒否されたので代理投稿です。(S)

 本題に入る前に「日の君」の闘いに追い風になるのではと思われる最新ニュース2件を報告します。1件目は10月2日東京新聞が報じた、都立中学・特別支援学校で使う教科書の採択理由が公表されたという記事についてです。「都教委は、採択の理由公表が大幅に遅れたのは、(採択は7月2日)「育鵬社版に対する懸念があるとの意見を付記すべきだ、との声が一部委員からあり、どういう形で表記するか検討していたため」としています。

 今回の教科書採択において、都立中学校、歴史、公民の教科書が育鵬社に決まってしまったのですが、(38回2015・7・2、根津公子の都教委傍聴記)で報告したように6人の教育委員の投票結果は(育鵬社4、東書2)でした。7月2日の都教委定例会では、教育委員の意見表明は全くありませんでした。意見表明しない教育委員に怒りと失望を感じたことを思い出します。

 私達は公開の定例会は単なるセレモニーであり、絶対に秘密の会議が行われており、その秘密会議で重要案件は決定しているのではないかと疑っていました。そのことが東京新聞の報道ではっきりしました。「日本史」の実教出版社教科書の排除、そして今回の育鵬社版教科書採択の採択もすべてこの秘密会で決められていたのではないかと思うと、本当に怒りを覚えます。

 しかし秘密会であっても、今回の教科書採択で、2名の教育委員が、育鵬社版の教科書に対する懸念を述べていたことに少し安堵しました。今後はぜひ公開の場で意見表明してもらいたいものです。

 2件目は10月8日、東京地裁で、2010年3月の卒業式で「君が代」のピアノ伴奏を拒否したことを理由に停職1ヶ月の懲戒処分を受けていた岸田静枝さん(当時豊島区立小学校勤務)が勝訴したことです。 清水響裁判長は「都教委は裁量権を逸脱し違法だ」として、処分を取り消しました。岸田さんはキリスト教徒であることを理由にピアノ伴奏を拒否しました。根津さんの高裁判決勝訴に続く勝利判決です。都教委はまたしても裁判所に断罪されたのです。司法もさすがに、都教委のでたらめな、司法を無視した処分を見過すことはできなかったのでしょう。

 根津の高裁勝訴判決も都教委は上告しましたので、今回も都教委は当然控訴してくるでしょう。しかし都教委は追い詰められています。私達は決して気を緩めず闘いを強めることが必要です。

 前置きが長くなりましたが。今回の定例会の議題と内容について報告します。

(1)平成28年度東京都立高等学校1学年生徒募集人員について
(2)平成28年度東京都立特別支援学校高等部1学年生徒募集人員について
(3)東京都立多摩社会教育会館条例を廃止する条例の立案依頼及び同条例施行規則を廃止する規則外一件の制定について
(4)東京都教育委員会行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号利用等に関する法律(マイナンバー制度)…中略…特定個人情報の利用及び提供に関する条例施行規則の制定について
(5)東京都公立学校長の任命について
(6)東京都公立学校教員の懲戒処分等について

 (5)、(6)についてはいつものように非公開。しかし、今回も懲戒処分を受ける教員がいるとはと、あきれてしまいます。都教委の姿勢(上意下達、議論を好まない、)により現場教職員の劣化がますます進んでいると痛感します。

(1)28年度都立高募集人員について

 全日制高等学校の募集人数が去年より280人増となっていること今年1学級増やした11校では、今来年度1学級減で元の学級数に戻っていること、について2名の委員から質問が出ました。 今回から竹花委員の代わりに入った宮崎緑委員「学校の規模と募集人数は適正なのか」。木村委員「東京都の子供の人数の増減はどうなっているのか」。

 都立学校教育部の答えは「28年度がピークに達し、また少しずつ減少していく。そしてその後増加傾向に入り、平成40年度にピークがやってくる。40年度のピークについてはその時検討する。去年1学級増した学校は子供が増えているからといって、2年続けて学級増はキャパシテイー的に無理がある。280人の募集増は地域バランスを見て、学級増する高等学校を決めている」。子供の増加による教育環境の少々の悪化は、生徒達に我慢してもらおうということなのでしょう。

(2)についての議論はありませんでした。

(3)立川市にある多摩教育会館廃止について

 地域教育支援部は次のように説明しました。「都民が社会教育に係る学習活動を行うための施設の提供は、都と市町村で分担する。その役割分担をより明確にし、都が担ってきた役割を市町村に移行する。」

 この件についてもいくつかの質問が出ました。
 乙武委員「社会教育会館は廃止されるが、反省を含めて検証する必要があるのではないか」。宮崎委員「乙武委員の言われたことは重要なことです」。

 支援部の答えは「役割分担の適正化を常に検証している。市町村や民間の会議施設などは充分充実してきた」。このように、都は「すでに社会教育施設は充実しているので施設を廃止していく」と言っているが、むしろ不足しているというのが実感です。例えば、地域の図書館は決定的に不足しており、必要な本を探すのに本当に苦労する。にもかかわらず、都立図書館はどんどん減少している。また学習会をやろうとすると、施設を探すのに本当に苦労するというのが現状です。

 社会教育への予算はオリンピック、パラリンピックに回しているのではないかと勘繰りたくなります。都知事定例会見で、舛添はオリンピック・パラリンピックでのエンブレム作成、施設の新設増設のごたごたで無駄にどこかに飛んでいってしまった数百億の金についての謝罪の言葉は一言もなく、また性懲りもなく、1億5千万円を費やして「東京ブランド推進キャンペーン」のための、わけのわからないロゴ・キャッチコピー「&TOKYO」を選定したと得意げに発表していたのには、本当に腹が立ちました。

(4)マイナンバー活用について

 総務部は「授業料・通信教育受講料の減免事務や高等学校等奨学給付の支給事務などにマイナンバーを利用すると、手続きが簡素化されスムースに事務作業が進む」と説明しました。しかし個人情報の厳格な保護システムは全くと言っていいほど白紙状態です。情報を扱う人に資格を設けるつもりもない。取り扱い事務員には厳格に情報管理するよう指導するとのことです。生徒は情報がだだ漏れするであろうことを覚悟しておく必要があると痛感しました。

 最後に3回の退場になったFさん、根津さんの定例会傍聴に対して教育委員会は神経をとがらせ、傍聴をなんとか阻止しようと躍起になっているのが、傍聴申請のやり取りで感じました。11年も教育委員を続けている木村委員について、傍聴者などから「木村はもう委員を止めるべきだ」のコールが上がりました。傍聴席に入り、木村委員を見ると、その顔は少し強張っているように見えました。


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