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「一個人として考え行動してほしい」〜シールズの奥田愛基さん公聴会で意見陳述

               松元ちえ

動画(奥田さん公聴会陳述・16分)

 議員が席を埋める国会で、はじめて自分の声を代弁してもらえたような清々しさとも満足感とも言える印象を得たのは、9月15日、安全保障関連法案に関する公聴会で、SEALDsメンバー・奥田愛基さんの発言を聞いたときだった。

 私たちの税金で、私たちの意思を担いで国会に勤める議員らを前に、まずは文字通り目を覚ませ、仕事をしろと喝を入れた。国会中継を見るたびに居眠りをする議員らを見て、そのつど怒りを感じていたため、これを聞いて胸がすっきりした。ツイッターでは、公聴会を視聴していた多くの人たちが、同じような意見を回覧していた。

 奥田さんの言葉には、政治に無関心だと批判されてきた世代が、なぜそうであったかその責任の所在やその理由がつまっていた。

 政府は投票年齢を18歳に引き下げた。若者にも政治に関心を持ってほしいと言いつつ、現状は、国会答弁が日々違うことを指摘され、またそれを「指摘されてもまともに答えることができないその態度に強い不信感」を抱かせている。

 一人ひとりの命と“政治生命”を比べてしまう程度の政府に対して、だれも希望が持てるはずがない。

 政府は法案について「説明不足だ」として、戦後最長期間、国会を延長してまで市民を説得しようとしたが、説得されるべきはずの奥田さんらからは「法的安定性の説明をすることを途中で放棄したのではないですか」などと問われるほど、その責任を果たせずにいる。

 連日国会前を埋め尽くす人たちや、全国2千箇所以上で抗議する人たちは、SEALDsの訴えに触発されたのではなく、「国会答弁を見て不安に思った人たちが集まっている」と奥田さんは言う。

 「今の国会での動きは70年の不戦の誓いを裏切るもの」「これ以上絶望してしまうような方法で国会を運営してくれるな」。公聴会でそう訴えた奥田さんは、そういった政府に対する不信感と危機感が、自分たち大学生や、その祖父母世代、親世代の市民、そして弟や妹世代の若者たちをつなげていると言っていた。路上で主権者と言われる人たちが世代を超えてつながり、声をあげて当たり前なんだと確認しあう・・。

 政治に関心をもってと働きかけてきた政府が、まさにいま、関心を持ち始めた市民から「憲法を無視するのは国民を無視するのと同じだ」と指摘される始末。

 奥田さんがつづった言葉と思いの一つひとつに、立ち上がった市民はみな共感したのではないだろうか。そして一方で、それを聞いた安倍首相や与党議員はなにを感じたのか、または感じなかったのか考える。

 派閥や政党といった組織にしがみつかず、一個人として考えて欲しいと訴えた奥田さん。専門家でも政治家でもなく、ただの学生がなにをやっていると批判されても、民の砦である憲法の理念を守るために「不断の努力」で戦争法案を廃案に追い込むと誓った。

 最後までともに闘いたい。

↓国会前でコールする奥田さん(9/14)


Created by staff01. Last modified on 2015-09-16 10:07:20 Copyright: Default

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