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安倍政権は分断工作をやっていた!〜「辺野古の現場から」54号(発行 毛利孝雄)

●はじめに−1ヶ月「政治休戦」事実上終了、知事は早期埋立承認取り消しを!

県の大浦湾潜水調査終了後、政府は辺野古工事再開強行へ、翁長知事は埋立承認取り消しへ向かうだろう。否、取り消さねばならない。この間の政府との会談で翁長知事が主張してきたように、沖縄戦以降の県民が対峙してきた米軍基地問題の集約点が辺野古新基地建設であり、沖縄民衆運動の到達点の政治的表現が埋立承認取り消しだからである。「本土」の私たちには、工事再開を許さない取り組みが問われる。

以下、要旨次の内容です。

■「政治休戦」期間に沖縄に滞在した富田英司さんのレポート−集中協議を利用して政府は何をしたのか

■沖縄平和市民連絡会による、9.5「辺野古新基地建設断念!戦争法案廃案!安倍政権退陣!工事再開を許さない!県民集会」の報告−取り組みの中心にいる皆さんの尽力と心情が伝わる報告

■9/12国会包囲行動など、関東圏の取り組みなど

1.「集中協議」を利用した分断工作(富田英司さん)

8月29日、沖縄で辺野古新基地建設をめぐる沖縄県と政府の第4回目の集中協議が行われた。ところが、辺野古工事を中断して、集中的に辺野古問題を話し合うということでスタートした集中協議であるが、どうも変な方向にそれ始めている。

今回、菅官房長官は10時頃那覇空港到着で、夕方6時頃には那覇空港を飛び立つ駆け足来沖であった。その間の、翁長知事と菅官房長官との会談は最後の午後4時から1時間だけ。それも、冒頭約30秒だけ写真撮影に応じて後は非公開だった。協議後の会 見では、「普天間の危機除去で一致したが、方法については『著しく距離』がある」と、特別進展なしと言うことである。

では一体、菅官房長官は何しにきたのか? それを知る鍵は、この日の日程と会談者にある。

那覇空港到着後、すぐヘリコプターで北部訓練場を視察。ヘリを降り、すぐに移動したのは名護のホテル。12時から30分だけの会談。沖縄側の出席者は東村の伊集村長と村議会議長、国頭村の宮城村長と村議会議長、それに何故か? 島尻安伊子自民党参院議員と比嘉奈津美自民党衆院議員が同席した。

会談内容は、辺野古問題ではなく、北部訓練場の過半の返還条件とされた東村高江のオスプレイのためのヘリパット基地建設問題。(高江部落に近接する基地建設予定地6カ所のうち2カ所は完成している)

菅官房長官は北部訓練場過半返還や基地負担の軽減について「目に見える形で、やれることを全力でやりたい」と強調。さらに「県にヘリパッド基地建設の協力も得なければならない」と付け加えた。

伊集東村長は「整理縮小、負担軽減をお願いしたい」と。また、やんばる地域の世界自然遺産登録について「地域の観光を拡大することにつながる」と協力を求めた。宮城国頭村長も「北部訓練場の過半を返還した後、世界自然遺産登録を進めてほしい」と要請。

このように菅官房長官は世界自然遺産登録と高江のヘリパット基地建設をセットで提案し始めている。高江の工事強行が懸念される。

次の訪問地が宜野湾の普天間飛行場隣の普天間第二小学校。そこで佐喜真宜野湾市長と面談する。この佐喜真宜野湾市長は普天間飛行場の早期返還のためには、辺野古基地建設はやむ得ずというこれまた推進派市長。

そして、最後の極めつけの会談が、3時過ぎに那覇のホテルで開かれた「沖縄の振興を考える保守系市長の会」(なんと『チーム沖縄』と名のっている会)との会談。県内11市のう名護市(稲嶺市長)と那覇市(城間市長)をボイコットして、9市の市長で結成する会。この9市長は知事選で仲井真前知事を支援しており、翁長知事の対抗勢力が結集した格好だ。

今回の菅官房長官の日程と会談内容を見ると、翁長知事との集中協議を利用して、翁長知事を切り崩す陣営のテコ入れのために来たと推測できる。

この事によって、今回の辺野古工事1ヶ月中断の真意がはっきりしてきた。工事建設の強行突破が難しいと判断し、時間を稼ぎ、その間に翁長知事を支える「オール沖縄」を分断し対立させ翁長対抗勢力を結集させる工作に乗り出している。

この分断工作に対抗する意味でも、翁長知事がなるべく早く「埋め立て承認取り消し」に踏み切ることが重要になってきた。(富田英司)

2.9.5「辺野古新基地建設断念!戦争法案廃案!安倍政権退陣!工事再開を許さない!県民集会」の報告(沖縄平和市民連絡会事務局通信から) 一部個人名は伏せています


  *写真=沖縄タイムスより

今日(9/6)の沖縄の両新聞の一面トップに掲載されていますように、9/5県民集会は、3,800人の参加で大成功でした。

私たち平和市民連絡会も大型バス(定員50人)満員で参加することができました(前日まで欠員があり心配しましたが、会員の頑張りで一杯になりました)。50人の内2人は小学生でバス賃無料(担当の○○さんが、子どもは沖縄の宝でバス賃は無料と独 断で決めてしまいました)…。

昨日の辺野古ゲート前は実に不思議な天気でした。12:00頃から14:00の大会直前まで辺野古ゲート前のみが大雨でした。おかげで12:00過ぎに辺野古ゲート前に着いた私たちのバスは、大雨で降りられずにそのまま5キロ先の世冨慶まで行きUターンせざるを得ませんでした。その途中、約2キロ先の二見トンネル付近からは晴れていました。ゲート前が晴れていることを祈りながらUターンして返ってきても、なおも大雨で降りることができず、とうとうバスの中で昼食を取るはめになりました。しかし、 その大雨のお陰で稲嶺名護市長の名文句「雨にも負けず、アベにも負けず・・・」のフレーズも飛び出しました。

大会は県民への宣伝が不十分で結集が危ぶまれましたが(事実、那覇からの毎日運行の「島ぐるみ会議のバス」は大型バス3台を準備しながら、10:00までに人が集まらず1台をキャンセルしています。)、その不利な状況の中で集会を成功に導いたの は、各市町村で結成されてきている「島ぐるみ会」の頑張りでした。口コミで人を集めて各地から大型バスを出して、3,800名結集させています。各市町村で「島ぐるみ会」が結成されてきていること(沖縄本島で結成されてない村は2村のみ)の成果がいかんなく発揮された集会(「島ぐるみ集会」)だったと言えます。また、「シールズ琉球」に見られる若者が目立った集会でもありました。


  *写真=糸数慶子事務所より

集会そのものは、大雨も手伝って熱気のあるもにとなりました。集会のトーンは安倍政権による1ヶ月の「政治休戦」後の「工事の再開は許さない」、翁長知事は仲井真前知事の埋立承認を「一刻も早く承認を取り消してもらいたい」その「英断と勇気」を断固として支持するというもので貫かれていました。この間の第三者委員会の報告も、「政治休戦」中の翁長知事の毅然たる安倍政権との対応ぶりも、はたや安倍政権閣僚の沖縄県内での「仲間の市町村長」を集めての「テコ入れ」=沖縄世論の分断工作までもが、全てが県民をより強く団結させる結果となっています。まさに、沖縄県民は「勝利の弁証法」を手中に収めつつあると言えます。

集会冒頭の照屋寛徳さんのゆったりとした口調の「うちなーとうちなーんちゅの尊厳」をかけて新基地建設を許さないとの「寛徳節」も一段とさえていました。また、平和市民連絡会と基地軍隊を許さない行動する女たちの会から登壇した高里鈴代さんからは、「島ぐるみ会議」の国際部を代表する立場からも米サンフランシスコのバークレーの市議会の委員会が「沖縄の基地建設の中止を求める県民の声に賛同する決議案」を決議し、15日の本会議で採決する運びとなっているとの沖縄の闘いの国際的拡がりの報告もなされました。

そして、現場を代表しての3人(ヘリ基地反対協の安次富浩さん、辺野古船団長の仲宗根和成さん、平和運動センターの大城悟さん、)の勝利の確信に満ちた辺野古への結集の呼びかけ、その他の全ての登壇者の挨拶・決意は会場参加者と一体化し大きな渦となって全世界に発信されていきました。最後の「シールズ琉球」の学生達の新鮮なラップ調のコールで集会は閉じました。この集会は、65分間の短時間の集会でしたが、全国の「戦争法案廃案」の闘いとも連動し、これから未来に向けて怒濤の如く広がっていく熱気が感じられ、また、参加者の顔の輝きは確信と決意に充ち満ちていました。

平和市民のバスは午後3時半過ぎにゲート前を出発し帰路に就きましたが、途中自動車道の伊芸休憩所でトイレタイムによったところ、既に集会帰りの20台以上の大型バスが入っていて、トイレは長蛇の列でした。那覇の終点の県民広場に着いたのは午後 5時半頃でした。

集会参加の皆さん、バス担当の○○さん、会計をしてくださった○○さん、○○さんご苦労様でした。(沖縄平和市民連絡会事務局)

3.関東圏−辺野古関連の取り組み・企画など

■辺野古新基地建設断念へ 9/12国会包囲 9月12日(日)14時〜 国会周辺

■法政大学総合講座「沖縄を考える」後期日程 現役学生の皆さんといっしょにオキナワを学び考える!


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