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戦争する国は学校から〜第5回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会

                    佐々木有美

 8月2日、東京の日比谷図書文化館で第5回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会が開かれ、約150名が参加した。国立大学にも「日の丸・君が代」が押し付けられようとしているいま、「戦争する国は学校から」と題してドイツ文学研究者の池田浩士さん(写真下)が講演した。池田さんは、天皇制日本とナチスドイツの教育支配を比較する。学校支配に手間取ったドイツに対して、日本は明治維新後、軍隊と教育をいち早く掌握した。しかし労働奉仕(日本では勤労奉仕)に関しては、日本はドイツに学んだという。

 日中戦争のさなか、こどもたちは農家の手伝いや、神社の清掃などをさせられ、それが勤労動員につながっていった。1939年夏休みには、高専・師範学校生2500人が中国に「勤労報国隊」として約1ヶ月派遣され、侵略戦争後の復興活動に使われた。

 他者のためにできることを自発的にする奉仕活動は、こどもたちに正義や名誉という普遍的な価値観を与える。しかしそれが国家に利用されれば、簡単に戦争協力の道具になってしまう。今の学校学習にボランティア活動が組み入れられたのは国歌・国旗法案がとおった1999年とほぼ同じ頃だ。戦争国家への道は着々と準備されてきた。

 戦後日本の岐路といわれる今、「何であの時、もうひとがんばりできなかったのか」と後の世代に言われないように「ここまでがんばったと言って死にたい」という池田さんのことばが印象深かった。

 集会では、東京でただ一人「君が代」不起立を貫く教員・田中聡史さん(写真上)が発言した。「わたしはピカソの『ゲルニカ』を理解できる美術の教員でいたい。・・・ファシズムや侵略戦争をどう克服するか、という問題意識を抜きに20世紀以降の社会問題を背景にした美術作品を鑑賞することはできない。私は、不起立をすることで鑑賞者の立場を得る」。田中さんの「不起立」を支えるものが、同時にわたしたちの生き方を厳しく問うものであることを実感した瞬間だった。

 大阪の今年の不起立者、奥野泰孝さん(写真上)は「5月1日に『次に同じことをすると免職もあると』という警告書付きの戒告処分をされた。支援学校において『君が代』強制は、具体的に児童生徒の心と身体に攻撃をしかけるもの」と語り、

 松田幹雄さん(写真上)は、「橋下市長に公開質問状を出した。おかしいことはおかしいと言い、世論を変えたい」と述べた。

 東京の河原井・根津裁判と再雇用拒否第二次訴訟の勝利、育鵬社教科書採択反対の闘い、自衛隊基地での宿泊・防災訓練が今年になって阻止されているなど、この間の成果も多く報告された。8月1日には、「許すな!『日の丸・君が代』強制 止めよう!安倍政権の改憲・教育破壊 全国ネットワーク」(略称:「日の君」ネット)が結成された。

 安保法案反対運動の全国的な盛り上がりのなか、ついに高校生も反戦デモに立ち上がった。「権力は教師の力を知っている。だからこそ攻撃する。いま、彼らの怖れに見合うだけのことを教師はしているだろうか」という、元教員で今年90歳になる北村小夜さん(写真上)の問いかけが、心に残る。

*写真=佐藤茂美


Created by staff01. Last modified on 2015-08-05 01:29:11 Copyright: Default

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