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LNJ Logo 牧子嘉丸のショート・ワールド(19)〜「2015年前期 現代用語の基礎知識」の巻
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    第19回 2015年4月12日

「2015年前期 現代用語の基礎知識」の巻


●粛々

「しずかな、おごそかな」が本義で、物事を整然とすすめること。転じて、相手の言うことに全く耳を貸さず、自分がやりたい放題するときに使う。漢詩に「鞭声粛々、夜河を渡る」とある。現在では「粛々として辺野古にコンクリートを沈める」とか「粛々と戦争準備をすすめる」という用例が多い。現時点では今年度流行語大賞のNO1候補であるが、上から目線と言われ自粛。最近では「堅実に」「強引に」「いやも応もなく」などと言い換えられている。

●八紘一宇(はっこういちう)

 第二次大戦中に用いられた世界はひとつの家にという意味の造語。「大東亜共栄圏」などと同じく自国中心を隠した、ゾンビ的な死語。最近、学園ドラマでツッパリ役を演じた元タレント代議士が国会で発言してよみがえる。何の勉強もしてこなかったために無知をさらけ出した単なる「アホ」説から、政治家としてもひとつパッとしないので、物議を醸してかつてのように脚光を浴びたかったという「演技」説などあり。

●カン・ギイ

 人名。政治家の音読み名。別名ミスター・シュクシュク。また日本のアイヒマンとか沖縄米軍のキャラウェイ(注1)に擬せられる。苦労苦学して成り上がった人間にまま見られる特有の冷徹・非情さで極右首相の暴走を支えている。しかし、一度もブレーキ役になるなどと然と言しないなど、正直な一面もある。同種の下積みから這い上がったタイプにゲムラ・バクブンなどがいる。こちらは金に汚いのが特徴で、教育など語る資格のない文科相である。

●路チュウ

 路上でキスすることを言う。これは交通法違反ではないが、政治家はチュウ意したほうがよいとされる。特に夫の遺志を継いで当選した未亡人や妻子もちの政治家などは要チュウ意である。

●I.S

 イスラミック・ステイトの略。イスラム教を騙る無法集団。その発想と行動はイスラムの教えとは全く無縁で、ほとんどはU・S(ユナイテッド・ステイト)から学んでいる。資源の略奪・海外侵略・要人暗殺・政権転覆・捕虜虐待・拷問などその手法を同じくする。なお、I.Sは地域限定で無法行為を行うが、U・Sは世界を股にかけ、自分の言うことを聞かぬ相手にはミサイル・ナパーム・ロケット弾などを容赦なく浴びせかけ、ワールド・ポリス、略してワルポリを自称している。また、国内のポリスも黒人と見れば発砲、殺害しても何の罪にも問われない特権がある。I.SとU・Sは日本のことわざで言う「目くそ鼻くそ」の類であり、最近では「ひとのテロみて、わがテロなおせ」などという流行語ができている。

●AIIB

 中国が呼びかけたアジアのインフラ投資のための銀行。欧米諸国の参加はあるまいと高をくくっていたら、英国が参加を表明。仏・独・伊・露などもこれにつづく。米国はかつてプードル視していた英国に裏切られたショックで、やはり番犬は日本種にかぎると再確認、アメリカ大使館前にハチ公ならぬポチ公像を建造予定とか。

●ビリギャル

 学年でビリのギャルが一年で偏差値を40以上あげて、KO大学に現役合格したことから名付けられた。その母をビリママ、父をビリパパと呼ぶ。今後ビリ男、ビリ女などビリをつけて逆転人生をさす場合に使われそう。大坂のビリケンとは無縁。一度はお腹がビリビリ痛いから、辞めますとその地位を投げ出しながら、再び権力を握ると暴走をはじめた首相などはシンゾウならぬビリゾウとでも言うところか。

●わが軍

 もともと専守防衛の口実でつくられたが、最近海外派兵しようという意図でこう呼ばれはじめた。しかし、「わが軍」はセクハラ・パワハラの温床で、いじめや自殺、また犯罪行為が後を絶たない。かつてイラク戦争時に戦闘に参加しないことを条件に派遣したが、帰国後27名もの隊員が自殺している。先日、「わが軍」の隊員に遺書が強制されていると、しんぶん「赤旗」が報道した。また、「わが軍」の隊員は戦争になれば「わが軍」をさっさと辞めますよと東京新聞の取材に応えている。川柳に「『わが軍』と戦場に行かぬ奴が言い」

●エモーショナル

 エモーションの形容詞で、「感情的な」をさす英語。体調不良なのに、飲み屋を三軒もはしごをして翌日の国会審議を欠席し、大阪に帰ったことを理由に、ハシスト(注2)から除名された女性議員が発したことから、有名になる。この議員は「浪速のエリカ様」と呼ばれていたが、その行動より垂れ目ふうアイメークの方が多くの女性から癇に触るとエモーショナルな非難を浴びている。

注1「キャラウェイ」米軍軍政下での最高実力者。高等弁務官。「沖縄の自治は神話」と放言。その高圧的姿勢がミスター・シュクシュクと似ていると反発される。またアイヒマンについては、本欄での松本昌次氏の的確な指摘あり。

注2「ハシスト」大阪市に生息なのに市をやめて大阪都にしよう画策する一派をいう。平和憲法改悪の手先としてビリゾウやカン・ギイから重宝がられている。また「こんな議員と二度と付き合いたくない」との街頭演説に「お前もなんぞつきあいあったんか」とか「そんな議員にしたのはお前とちゃうんか」などとさすがに大阪人のきついツッコミがあったとか。


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