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経済成長至上主義が戦争を招く〜「日の丸・君が代」集会で斎藤貴男さん

               佐々木有美

 「安倍内閣はなぜ戦争のできる国をめざしているのか。戦前回帰か、米国の戦争に荷担するためかなどと言われているが、今最も注目すべきはその成長戦略だ」。2月8日、東京・杉並で開かれた「日の丸・君が代」強制反対集会で、ジャーナリストの斎藤貴男さんがズバリ語った。経済成長至上主義が戦争を招く時代をどうするのか。経済成長は目的か、手段か。斎藤さんの問いかけを共有したい。参加者は140名。講演は多岐にわたったが、以下、ポイントのみ報告したい。

 昨年7月、集団的自衛権が閣議決定された。10年以上前の小泉政権時代から、多国籍企業の自由なビジネスを脅かす者(国益を損なう者)は、敵とされるようになった。アベノミクスの成長戦略のメダマは、インフラシステムの輸出だ。道路・橋・鉄道などの巨大プロジェクトを官民一体で海外に売り込む。その際、資源権益の確保と在外邦人の安全が条件になる。内戦状態の地域や地元民との利害対立などが起きたときに活用したいのが自衛隊だ。

 つまり、グローバル企業の成長のためには軍事力の後ろ盾がぜひとも必要になる。その時、憲法9条が邪魔になる。彼らは戦争したいわけではない。でも経済成長はしたい。経済成長のための戦争が現実のものになりつつある。新たな帝国主義の登場だ。しかし考えなければいけないのは、経済成長はみんなが幸せになるための手段であるということ。手段が目的になり戦争になる。そんなことが起こっていいはずがない。

 それではこの時代、わたしたちはどうすればいいのか。運動が大切だが、考えるべきことがある。ひとつは、戦後民主主義がホンモノかということ。敵につけこまれる隙はなかったか。あったとしたら見つめなおさなければならない。戦後日本は本当に戦争をしてこなかったか。朝鮮戦争・ベトナム戦争での特需でうるおった日本。これからの日米同盟の世界戦略の中で、日本以外の地で人が殺されても儲ければいいとなってはいけない。

 戦争の基盤は経済にあるということをあらためて確認させられた斎藤さんの講演だった。

 集会では教員たちが発言し、道徳教育の教科化や自衛隊での防災訓練など、戦争に向かう教室の実態が報告された。東京都でただ一人「君が代」不起立を続けている田中聡史さん(板橋特別支援学校教員/写真)は、「『日の丸・君が代』は侵略戦争のシンボル。それを肯定・賛美することはできない」ときっぱり語った。あらたな侵略が始まる時代、わたしたちの立ち位置が問われている。


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