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中国ユニクロ「残酷工場」の実態明らかに〜アレックス・チャンさん来日

                        松元ちえ

中国にあるユニクロの下請け工場において労働者が劣悪な環境で働かされている実態を、香港のNGO団体と日本のヒューマンライツ・ナウが1月16日、都内の記者会見で発表した。

香港のNGOである多国籍企業の労働実態を監視する学者と学生の会(SACOM)は昨年7月から、中国の二つの縫製工場に調査員を送り込み、労働環境の実態調査を重ねた。広東省にある2件の工場はともに香港資本の大手で数千人の労働者を抱える。ユニクロだけでなく、その他の国際ブランド品も手がけているが、労働環境は国内法にも違反していた。

調査からわかったのは、単価の安い出来高制に起因する長時間労働と労働災害が多発する職場環境、罰金制度などだった。室内がときに48度を越すほど高温になる染織部署では、労働者は服を脱いで作業せざるを得ない環境だった。防備の着用を怠っていることが明らかだと、報告書を作成したSACOMのアレックス・チャンさんは話した。

報告書には、1日900着のシャツにアイロンがけをする労働者の声もあり、100時間を超過する労働時間や休みなく働いていることがわかる。また、汚水がたまる染織現場の床は、作業員が横転する危険性や感電した労災事件もあると指摘している。両工場では民主的に作られた組合がなく、小規模でもあったストは、御用組合が送り込んだ暴力団風の集団に潰されたという。

今回、報告書が11日に発表されたことに対して、ユニクロ側はすでに独自調査を実施し指摘された問題点を大筋認めたと正式発表している。また、今後SACOMとも対話を実現し、対象外の工場の実態調査も進めていくとしている。↓ユニクロの見解
http://www.fastretailing.com/jp/csr/news/1501112000.html

両者は19日に都内で話し合いを予定。SACOMやヒューマンライツナウは今後も監視を続けていくという。今回の要求項目には、直接的な労働者代表選挙を開催して労働組合を設立することも明記した。 SACOMによると、中国の縫製業界は1億人の労働者を抱える規模で、ユニクロだけでなくZaraやH&Mなど世界の有名ブランドが製造を委託している。激しい価格競争のなか、労働者には長時間働かなければ生活費が稼げないほど低賃金が強いられている。

今回、ユニクロをはじめとするファストファッションが告発されることで、新商品を安く早く消費者に提供するという事業展開の速さによって、末端労働者が締め付けられる構造が明らかになった。

SACOMのチャンさんは、ユニクロが調査結果をほぼ認めたことを肯定的に受け止め、「労働改善への第一歩」としたうえで、こう続ける。「ユニクロは、商品の質管理だけでなく、下請け工場の労働についても監視・管理を徹底するべきだ。今回の調査結果で明らかになった労働問題について、ユニクロは消費者にも謝罪すべきだ」。ユニクロを展開するファーストリテイリング社は、より格安なGUというブランドも展開するため、問題は報告書の内容にとどまらないとの見方をしている。

これまでもアップル社やサムソンなどの下請け工場での過酷労働の実態やなども調査・告発してきたが、SACOMだけでなく、他にも国際NGOが中国の製造工場での問題を指摘したことで、ナイキやアディダスでは労働基準を厳格に管理するようになっている。

同日開催された都内カフェ・ラバンデリアのトークで、チャンさんは消費者側にも個々の消費動向を考え直し、意識の高い消費者になるように呼びかけた。

↓日本語の報告書のアドレス http://hrn.or.jp/activity/ユニクロキャンペーン報告書%20日本語%20150113.pdf

*なお17日午後7時から、東京・文京区でチャンさん報告集会が開催される。レイバーネットTVも中継する。詳細


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