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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(1/8)〜質問への回答がなくても議案に賛成するのはなぜ?
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●根津公子の都教委傍聴記(2015.1.8)

質問への回答がなくても議案に賛成するのはなぜ?

 2015年第1回定例会。竹花、山口教育委員は欠席だったが、その理由は今日も明らかにされなかった。公開議案は 崚豕都立学校の管理運営に関する規則の一部を改正する規則の制定について」、報告は◆崑荵絢‥豕都子供読書活動推進計画中間まとめについて」。非公開議案は今日も教員の懲戒処分が4件、報告にも教員の懲戒処分(件数不明)が上がっていた。

 ,砲弔い董6軌薜儖会が行う教科書採択の対象は、現行では文科省検定済教科書・文科省著作教科書であるが、新たにその対象に、教科書が発行されていない各教科・科目の主たる教材(教科用図書=現行では準教科書)を加える。そのために、「東京都立学校の管理運営に関する規則」第19条を「改正」するというもの。

 変更の理由は、ア.来年度から教育委員会制度が変わる(=首長が指名する新「教育長」に権限が集中する)ことにより、「これまで以上に教育委員による教育行政に対するチェック機能の強化が求められる」 イ.「教育委員会の権限の中でも、とりわけ教科書の採択は重要な権限の一つであるとされている」からである。

 来年度使用の教科用図書=準教科書について、来月2月(!)に採択を実施する、という。学校現場のことを少しも考えないドタバタ劇を見ているようであった。

 準教科書とされる書籍は、第二外国語のテキスト、専門教科(工業科)用の専門書、絵本(特別支援学校)等で2014年度は1700点。うち、高校用が700点で、語学では英語が63点、フランス語が38点にのぼるという(遠藤委員の質問に答えての説明から)。

 この提案に、遠藤教育委員は「今までで不都合があったのか」と訊いたが、事務方からは、あったともなかったとも回答はなかった。乙武教育委員は「2月に(採択・)決定し、その後教員の異動がなされる。(そうなると、異動してきた)教員は使いづらいのではないか」と質問したところ、事務方の回答は「使っていただく」と。2人のこの質問は、傍聴する私たちも疑問に思ったものであり、事務方の回答は、2人の教育委員の質問にまともに答えたものではなかった。ところが、司会の木村教育委員長が承認を促すと、2教育委員とも首を縦に振った。回答のどこに納得したというのか。納得したというならば、納得した理由を言葉にすべきであろう。そうせずに承認(賛成)することが、議案・都民に対し無責任とは考えないのだろうか。2教育委員に聞きたかった。事務方の提案には反対しないという不文律でもあるのだろうか。

 これまで教科書採択に際し、都教委は文科省検定済教科書のすべてについて「北朝鮮による拉致問題の扱い」「我が国の領域を巡る問題」「国旗・国歌の扱い」の記述がどうなっているかを克明に調査し、報告書にした。記載があるはずのない古典の教科書についてまで調査した。今回の準教科書についても、各都立学校が選定した書籍に対し、この点の調査をし、それを採択の基準にするのだろうか。

 現行で不都合もないのに「改正」するのは、教育委員会の権限強化・拡大のためであり、文科省の教科書検定 基準の変更・実質的な国定教科書化の動きに合わせたとしか考えられない。

 △砲弔い董「文字離れ」の対策として2001年、政府は「子どもの読書活動に関する法律」を制定し、政府は子どもの読書活動の推進に関する計画を策定すること、都道府県はその施策についての計画を策定するよう務めることを定めた。その二次計画(2009〜2013年度)の取り組みの成果と課題、及び第三次計画(2015〜2019年度)の中間まとめの報告がされた。

 朝読書(小・中)や読書週間・読書月間(高)などに取り組み、≪成果≫として不読率の改善が(学年:2007年度調査→2013年度調査  小2:5、8%→2、6% 中2:23、4%→13、2% 高2:47、8%→31、8%)、≪課題≫として読率の改善(2013年度の3割減が目標)と読書の質の向上が挙げられた。不読とは、調査直前の1か月間に1冊も読まなかった者をいう。1冊を読了しなくても、不読にならないとのことだった。

 一緒に傍聴した、私を含む退職教員3人の感覚からいえば、実際の不読率はもっと高いのではないかと思った。こんな計画を立てることよりも、子どもたちが学ぶことの楽しさを感じられるような授業や学校生活を保障することこそが教育行政のしごとではないだろうか。教育委員会が教育への介入をやめ、教員の教育の自由を保障することこそが今もっとも必要なことなのだと、再確認した定例会であった。


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