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*転載情報
日本ジャーナリスト会議東海は、従軍「慰安婦」問題でメディアは真実の追求を競え(声
明)を発表しました。

〔声明〕従軍「慰安婦」問題でメデイアは真実の追求を競え

 朝日新聞は自社が過去に行なった「従軍慰安婦が強制連行された」とする記事は、元労
務報国会下関支部動員部長と称する吉田清治氏の証言に基くものであったが、吉田証言を
再取材した結果証言を裏付ける話はなく、「虚偽」と判断した ―― と報道しました。ま
た、「女子挺身隊」と「慰安婦」の混同による誤用もあったことを認めました。しかし記
事の取り消しを行なった後も、社としての謝罪が直ちに行なわれず、さらに重ねて今年5
月に東京電力福島原発所長の吉田昌郎氏(故人)に対する政府事故調査・検証委員会の調
書を入手したとして報じた記事で、「大震災直後に吉田所長の待機命令に違反して第一原
発にいた東電社員らの9割が第二原発に撤退した」という記事についても「調書の評価を
誤り、事実と違う記事を発表した」と、この記事も取り消しました。そして9月11日に木
村伊量社長が二つの誤った報道について謝罪の記者会見を行ない、翌日朝刊に「おわび」
を掲載しました。「遅きに過ぎた」との謗りを免れません。吉田清治証言検証報道以来、
メディア(新聞や週刊誌、テレビ報道など)やネットで朝日新聞への批判、非難が渦巻い
ており、自民党の石破茂元幹事長は、朝日新聞慰安婦検証報道について国会での検証を示
唆し、評論家の桜井よしこ氏は「潰すべき本丸は河野談話」と述べ、稲田朋美自民党政調
会長も河野談話の見直しに言及しました。政治権力による慰安婦問題の否認と報道への介
入が強まろうとしています。

 吉田清治証言は以前からその信憑性に疑問が持たれていましたが、インドネシア・スマ
ラン事件では旧日本軍による強制連行を示す公判記録が残っています。また騙されて軍慰
安所に連れて行かれた元「慰安婦」の証言も数多くあります。2007年にはアメリカ連邦議
会下院において、日本軍が女性たちを「性奴隷」となるよう強制したことを認め、謝罪す
ることを日本政府に勧告する決議を採択。オランダ、カナダ、韓国、台湾などでも決議が
されています。

 1996年に国連人権委員会が提出し、日本政府へ謝罪と賠償を勧告した「女性への特別報
告」及びその付属文書1「戦時における軍事的性奴隷問題に関する朝鮮人民民主共和国、
大韓民国および日本への訪問調査に基く報告」は「慰安婦募集に日本軍が関与している」
と認定しています。一部メディアに報告書が吉田証言に影響されているとの説もあります
が、特別報告書作成の責任者であるクマラスワミ氏(スリランカ人、現国連総務)は、朝
日新聞が吉田清治氏の証言を虚偽として一部の報道を取り消したことについて、吉田証言
は「証拠の一部にすぎない」と述べ、元「慰安婦」への聞き取り調査から、「日本軍が雇
った民間業者が元慰安婦を誘拐した」事例があり、「募集は多くの場合、強制的に行われ
た」と述べています(2014年9月5日共同通信)。このように国際的には「慰安婦」募集に
、日本軍が関与していることは数々の証拠から、ゆるぎない事実として認定されています
。

 「慰安婦」とは日本軍の管理下にあって、無権利状態で拘束された、将兵たちの性の相
手にさせられた女性たちのことで、重大な女性への人権侵害です。このような女性の名誉
回復のために、事実究明が重要であることは、言を待ちません。しかし昨今の朝日新聞バ
ッシングは節度ある批判の領域を踏み越え、非難,罵倒の言辞が目立ち、あたかも「慰安
婦」問題が始めからなかったかのような錯覚を与えかねない、異常な状況となっています
。新聞記事の点検、取り消しと言う[木]にとらわれて、肝心の[森(「慰安婦」問題)
]の存在に眼をそむけてはなりません。私たちは全てのメディアに対し今後も「慰安婦」
問題の事実解明に力を注ぐことを要請します、また朝日新聞には、なぜそのような誤りを
行なったかの精密な検証を行い、国民に報告するとともに、今後とも非難や圧力に萎縮す
ることなく、真実の報道に力を注ぐよう、要請します。

             2014年 9月16日   日本ジャーナリスト会議 東海  


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