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派遣法は廃止するべき(伊藤彰信)
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 1月29日、労働政策審議会は、労働者派遣法の改正について建議しました。派遣労働が常態として可能になるなら、職業安定法で禁止されている労働者供給事業の例外措置として合法化された派遣労働の存在意味はありません。派遣法は廃止されるべきです。

 私は、昨年12月13日に東京・日比谷野外音楽堂で開催された「労働法制の規制緩和と貧困問題を考える市民大集会」で「派遣法は廃止されるべき」と言う発言をしましたが、私の発言を引用した報道のほとんどが私の発言の本旨を取り上げていないので、労働政策審議会の建議を機に、12月13日の私の発言原稿を以下のとおり掲載させていただきます。

 伊藤彰信(全港湾労組委員長)

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 私は、はじめに、本集会を開催いただいた日本弁護士連合会にお礼を申し上げます。それは、現在の労働組合運動が、労働法制の基本的な性格が変わってしまうような大幅な規制緩和が行われようとしているときに、労働者を幅広く結集する集会を開催できないという痛苦な反省を込めてであります。

 さて、私は、港湾労働者の立場から労働者派遣の問題について発言をさせていただきます。ご存じのように、港湾運送業務は労働者派遣が禁止されています。規制改革会議は「すべての業務を派遣の対象とすべきだ」と主張し、関係者からのヒアリングをしたわけですが、厚生労働省は「港湾運送業務に一般派遣を適用すれば、悪質ブローカーが介入する恐れが強い」と言って反対しました。港湾運送業務においては、現在でも港湾労働法にもとづく港湾運送事業者間での常用港湾労働者の派遣制度があります。港湾運送業務に一般派遣を適用しようとするならば、私たちは産業別全国ストライキで闘う決意を固めています。

 労働者派遣法は、当初「専門的業務に限定する」ものでした。次いで「一時的・臨時的業務に限定する」ものとして、派遣適用業務が原則自由化されたのです。その結果、日雇派遣が問題となり、偽装請負が暴露され、リーマンショックによって派遣切りが行われ、この日比谷公園に「派遣村」が出現する事態になったのです。すでに厚生労働省が心配する悪質ブローカーが横行していたではないですか。労働者派遣法は、職業安定法で違法とされる労働者供給事業の内、雇用関係があれば労働者の保護ができるとして成立したものですが、雇用関係によって労働者保護ができないことはすでに実証されています。

 そして今回、労働者派遣法は「派遣労働者を常態として活用する」に変えられようとしています。専門的、一時的、臨時的という労働者派遣法の趣旨から全く変わってしまいます。常態としての労働力を求めるなら、派遣の必要性はありません。間接雇用ではなく、使用者が直接雇用して雇用責任を果たせば良いのです。もはや労働者派遣法が存在する意味はなくなるのですから、労働者派遣法は廃止すべきです。

 労働組合は、雇用関係が成立したあとの従業員に対して責任を負うのではなく、就労を求める労働者にも責任をもち、労働市場に介入し、仕事づくりを行うべきです。労働組合は、職業安定法で合法とされる労働組合が行う労働者供給事業を大きく発展させ、働きたいと思っている労働者の雇用にも責任を持つべきだと思います。

 私は、労働法制の規制緩和に対抗できる労働運動をつくる決意を表明し、発言を終わります。


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