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LNJ Logo 念願のレイバーネットTVに出演して(堀切さとみ)
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News Item 1022horikiri
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堀切さとみです。

念願叶って、ついに!レイバーネットТVに登場させていただきました!
いつもツイッターで野次をとばしているばかりでしたが、実際に生放送の現場にかかわっ
てみて予想どおり(予想以上に)大変なことがわかり、いい経験になりました。
60分という長い枠だったものの、いかに原発避難民の現状を伝えるか、どこまで本音を引
き出せるか、視聴者を満足させられるか。
時間配分や「映像制作者」の立場としての自分自身のコメントなど、反省することも多く
、放送を観てくださった方の忌憚のない感想・ご意見を聞きたいところです。

 私は3・11が起きた時、
「もうおしまいだ」と思うほどのショックを受けていたのですが、
「これで終わりじゃない。これからも生きていかなくちゃいけない」
「やれることをやろう」と思えたきっかけが、翌週の木曜に放送されたレイバーネットТ
Vだったのです。それで金曜に「さいたまスーパーアリーナ」に行って、双葉町の人たち
と出会った。私自身絶望していましたが、故郷を失てなお生きていかねばならない双葉町
がこの先どうしていくのか。そこに寄り添わせてもらうことで何とか自分も頑張れるかも
しれない。そんな気持ちでした。
「記録」すること、表現することで生きていこうと思い、聞き書きしたことはずべてレイ
バーネットに掲載してもらい、その蓄積の上で映画ができ、今回の企画があったわけです
。

「双葉町特集」ということで、二人の出演者(大沼さんと鵜沼さん)と新宿駅で待ち合わ
せ。鵜沼さんは遅刻魔なので心配していたのですが、二人ともナント一時間前に到着して
いて、私が迎えられるという状態。とにかく二人の「ナマ」にかける意気込みは強かった
!
何しろ鵜沼さんも大沼さんも、福島県外に避難した若い子育て世代の原発避難民というこ
とでこれまで沢山の取材を受けてきた人ですが、実際の放送や記事をみるとだいたい「は
しょられてる」というか、言いたいことはカットされている。
でも今回は、自分が話すことはすべてオンエアされるということで張り切っていたのです
。

スタジオに着いてから放送開始までの一時間、出演者やスタッフ、見学に来た人たちの自
己紹介。構成表を見ながらキャスターの松元ちえさんとの打ち合わせ。笠原さんによる体
操がありました。大沼さんは笠原さんをみて「どこかでお会いした気がする」(亀戸の脱
原発集会で会ったとか)。鵜沼さんはギャラリーにいたテントひろばの福ちゃんに「襲撃
事件ひどいですよね。心配でした」と話しかけ、ジョニーHは「新宿で『あいときぼうの
町』という映画を観たんだけど、鵜沼さんと大沼さんがモデルになってたよ」などなど・
・。放送前から交流の輪が広がっていました。鵜沼さんは「いまだに自分は『脱原発』で
はない」というくらい、左翼でも活動家でもなんでもない人なのですが、「事故後、本当
にいろいろな人と出会えたことが喜びだ」と言ってはしゃいでいました。

  大沼さんも鵜沼さんも、ものすごい表現者です。私はとくに今回、大沼さんと出会うこ
とができて(もちろん私はかなり前から大沼さんのことは知っていましたが)同じ表現者
としてものすごい親近感を感じています。彼は役者志望だったらしく自分でもかなりカメ
ラを回していますが、北小の校歌を歌うシーンは圧巻でした。双葉町のように故郷を奪わ
れる立場になったときに、私は小学校の校歌を歌うのだろうか・・・。私自身が歌う自分
を想像したり、小学校時代を思い出して作文を書きたい心境にもなりました。3・11が
起きなければ、 大沼さんもわが母校を思い浮かべることはなかったかもしれませんが。
あと「人は失敗からこそ学ぶ」という言葉が大沼さんからスッと出てきたことに感激しま
した。以前、井戸川町長にインタビューしたとき「事故が起きたのは仕方ない。事故や失
敗はつきもの。でもその後どうするかで人間の価値が決まる」と言っていたので。安易に
希望や絆を語らせるメディアにはウンザリしますが、現実を見据えた人が語る言葉は心底
引き継ぎたいと思います。

  ジョニーの「サントワマミー」の替え歌や鶴彬の「手と足をもいだ丸太にしてかへし」
そして笠原さんによる「見よぼくら一銭五厘の旗」それらすべてが、モノが言えなくなっ
ているフクシマを突き破ろうとする人たちに注がれる、暖かいものを感じました。それと
同時に、鵜沼さんも大沼さんも、まさしく花森安治の詩そのものだなと思い、なんだか笑
みがこぼれてしまったのでした。励ますつもりが、いつも励まされて背中を押されている
。それが私の、双葉町と付き合う3年7か月での実感です。

  一番の当事者が声をあげ、そして自らカメラを回す。今や被害者は取材の対象であるば かりでなく、自らが記録者でもあります。昨日は上智大などの学生さんが見学に来ていま したが、彼女たちも被災者の生の声を記録し続けていて「マスコミでは知り得ない表情を たくさん見てきた」と言っていました。  こうした状況の中で、レイバーネットТVに問われるものは大きいと思います。当事者 でなければ語れないことをどう引き出していくのか。 今後もそのことを考えながら、いい番組作りに微力ながら参加したいです。

Created by staff01. Last modified on 2014-10-24 01:25:37 Copyright: Default

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