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川内原発再稼働反対!さまざまな角度から訴え〜炎天下の6.1国会正門前

6月1日、首都圏反原発連合の呼びかけで、九電・川内原発再稼働に反対する集会が官邸・国会前で開かれた。午後2時、33度を超える炎天下の国会正面前、強烈なパンクバンド「切腹PISTOLS」、「ジンタらムータ」の『不屈の民』の演奏で始まった集会には、北は北海道から南は九州・鹿児島から(沖縄からもメッセージ)一万人が集まった。原発立地で活動している人たち、現地の県・市議会議員、菅直人前首相・志位共産党党首をはじとすめる国会議員、弁護士、原発技術者、文学者、女優、城南信用金庫理事長、テントひろばなど、沢山の様々な角度からのスピーチがあった。そして5月21日の福井地裁判決を武器に運動を前進させ、日本のどの原発も再稼働さないという決意を新たにした。(shinya)

井上勝博・薩摩川内市議会議員

「反原連で作っていただいたリーフレットを付けて地元でアンケートをやっています。返信用封筒を付けて配っています。千通戻ってくるのを目標にしていますが、今1万5千通を配って750通の方から届いています。中を見ると86%の人が再稼働に反対しているじゃないですか。ビックリしました。立地自治体というのは、原発関連企業が多いのです。そこで働く人がいっぱいいます。川内市民は福島原発事故で初めて放射能の怖さを知ったと思います。川内原発が再稼働して、事故が発生したら取り返しのつかない大変なことになり、使者も出るかも知れません。原発関係者からも、こんな危険なものとは知らずに福島にも四回行ってみたが、なにひとつ復興は終わっていないのに、再稼働なんてあり得ないと言いっています。市議会は26人。ハッキリ反対は二人、反対するかも知れないが二人、残念です。しかし、川内市民の気持ちが変わってきていることを他の議員は知らないのです。どうすればよいか、みなさんの力を貸して下さい。」

小川美沙子・鹿児島市議会議員

「今年は桜島が二〇世紀最大の噴火を起こして丁度百年目にあたります。遠く東北まで火山灰が飛んだとされています。今、2010年以降、年間千回以上の噴火が続いています。降灰は毎日のように起こっています。これは何を予知しているのでしょうか。百年前、桜島が噴火したとき、鹿児島測候所は地震の震源は鹿児島市の北西部にあるから逃げる必要はないと言いました。桜島は大丈夫と言ったのです。測候所を信頼した人たちはどうなったでしょうか。逃げ遅れ、海に放り出され、凍死したり、溺死したりして沢山の死者がでました。それを悲しんで桜島の小学校に石碑を建てました。そこには『科学を信じてはならない』と書かれています。鹿児島市民はこの碑を『科学不信の碑』と呼んでいます。」

阿部悦子・愛媛県県会議員

「私は15年目の愛媛県で初めての女性議員です。伊方は川内に続く二つ目の再稼働の原発だと言われています。今年の3月14日夜中の2時、私は下から突き上げるような揺れに見舞われました(伊予灘地震・震度5強・M6.2)。朝まで眠れませんでした。伊方原発沖8キロに世界でも最大級の中央構造線があり、2000年ごとに動いており、今が2000年目であります。多くの学者は、南海トラフが動いたとき、連動して動くのではないかと言っています。伊方の30キロ圏には13万人が住んでいます。伊方町の1万人の内、5000人は佐多岬に住んでいます。その人たちは事故が起きた場合、伊方原発の前を通って逃げなければならない。それができない過酷な場合、船を利用して大分に行くことになっています。しかし、今までの避難訓練で二回も海が荒れて船が出なかった。佐多岬半島に住む人の人口は減っています。5000人の内、新生児は2人です。伊方町1万1千人の内、新生児は5人です。原発が建つ前の人口は3万人ありました。学校が24校あった。今は12校です。小中学生の数は8千人以上いました。今600人です。公共事業をどんどんぶち込んで、金をばらまいて、この地域は過疎地になり、限界集落を起こしています。原発は決して地域を活性化していません。3月に市民団体が伊方町に避難できるのかと聞きました。伊方町の原子力安全対策課長は、この小さな伊方町に責任を負わせるのは弱い者いじめでしょうと言いました。立地自治体の職員も苦しんでいます。」

遠藤素子・八幡浜市議会議員

「伊方原発のある佐多岬の付け根にある八幡浜市から来ました。みかんと魚の町です。福島の事故は決して他人事ではありません。もし伊方であのような事故が起きれば、瀬戸内海は死の海と化してしまいます。故郷も美味しいみかんも、魚も、そして子供たちの未来も奪ってしまうことになります。四国電力は福島の事故以来、絶対安全とは言えないと言いながら、この3年間で8千数十億円を安全対策に施してきたと言います。しかし、福島の事故が津波ではなくて地震の揺れによる事故の可能性が高いという状況の中で、安全対策のほとんどが津波対策と電源確保の対策です。伊方沖にはテロ対策と称して、海上保安庁の警備艇が24時間監視を続けており、異様な雰囲気です。伊方原発の警備も強化され、沖縄の基地を連想します。」

今大地晴美・敦賀市議会議員

「福井地裁判決は本当に感動的でした。涙が止まりませんでした。当たり前のことを、本当にわかりやすい当たり前の言葉で、私たち地域住民は生きていていいんだよ、反対だと言っていいんだよ、とこの判決は教えてくれました。原発立地地域の住民は声を上げることができません。見ざる聞かざる言わざるでないと暮らして来られなかったんです。中島哲演さんは、原発立地自治体は原発植民地だとおっしゃいます。植民地の人たちは支配する人たちに逆らえません。絶対服従です。私たちは選んで原発立地自治体になったんじゃない。基本的人権や人らしく生きることを奪われて生きてきたんです。沖縄の基地の人たちと同じだと思います。そんな中で出された判決は、本当に心を打ちました。優しい言葉で一言一言が心に、胸に、頭の中に染み渡っていきました。これまで司法も、見ざる聞かざる言わざるだったんだなと改めて思いました。その司法に生き返るチャンスを与えたのもこの判決だと思っています。今後、川内でも差し止め請求が行われるでしょう。各地で続きます。この判決は大きな力になると思います。原発立地の住民は、この判決後も声を上げられないでいる人が大勢います。原発に勤めている人も、その家族も心から原発は要らないと言っていいんだ、原発は危ないと声を出して言っていいんだ、そう言えるような運動を何とかみなさんと一緒に作っていきたいと思っています。」

佐藤和良・いわき市議会議員

「今も原発事故は継続しています。この瞬間も、一日2億4千万ベクレルの放射性物質が大気中に拡散され、地下水バイパスと称して汚染水が外洋に放出されています。そのほかに、様々なトレンチから高濃度の汚染水が漏れ出ています。海の汚染はこれから大変な状況になっていくと思います。首都圏に暮らしているみなさんも、実はキッチリと汚染され、被ばくしつつあるということをおわかりだと思います。14万人が今なお避難生活を強いられています。原発事故子供被災者支援法は作られましたが、閣議決定で骨抜きの基本方針が作られ、避難する権利、とどまる権利、移住する権利、帰還する権利、どの権利を行使してもキチンと支援するという法の精神はまったく骨抜きにされています。自死者が増えています。考えて下さい。3年3ヶ月も仮設や見なし仮設で暮らしているその自分の姿を思い起こして下さい。そういった非人間的な生活を強いられているのが現状です。再稼働を認めたら、次のフクシマが、第三のフクシマが続くということです。未だに福島原発の事故責任は、誰ひとり問われていません。これは法治国家でしょうか。」

吉原毅・城南信用金庫理事

「わたしは原発再稼働すべきでないと考えています。原発は即時ゼロにすべきだと考えています。安倍総理大臣は日本を取り戻すという。日本の国土の安全保障に非常に関心のある総理大臣です。それなら何故、日本の国土を失っている原発という危険なエネルギーをもう一回稼働させようとするのか、理解できない。日本を取り戻すどころか、日本を失っています。こうした考えはごく当たり前のことです。福井地裁の判決も常識です。原発は稼働するメリットそのものさえない。危険が極めて高い。国土が消失する。放射能被害を受けてしまう。原発コストが安いというのは全くの嘘です。会計の基本が分かっている人はみんな分かっているはずです。冷静に考えれば、今原発を稼働しても長い目で見れば、何万年も使用済み核燃料を保管するコスト、廃炉にしたあとの資材を保管するコスト、膨大なコストです。それがどこにもカウントされていない。粉飾決算です。原発が安いというのは粉飾決算です。国家ぐるみの壮大な粉飾決算だと思います。おかしいではないかと公認会計士協会に聞いたことがあります。そうしたら、コストが計算できないからカウントしないと言うんです。カウントできないほどの膨大なコストだということです。自民党のブレーンであった加藤寛慶應義塾大名誉教授は、原発は即止めろ、止めないと大変なことになってしまうと言っていました。そして原子力ムラは反社会集団だとも言っていました。原発はどこから見ても正当性がない。原発を即時止めて、再生エネルギーにした方が、国家経済にとっても、私たちの生活にとっても安全で、しかも得になるということをもっと知ってもらいたい。」

河合弘之・脱原発法制定全国ネットワーク/弁護士

「今、日本中で差し止め裁判を起こしています。その第一の成果が福井地裁の大飯原発差し止め判決です。わたしは裁判官はあの福島原発の事故の恐ろしさと被害の大きさ見て考えが変わったはずだと、目からウロコが落ちたはず、良心を揺り動かされたはずだと思った。そこでもう一度、全国の弁護士に呼びかけたら300人の弁護士が集まった。そして日本中で裁判を起こすようになったわけです。福井地裁の裁判官は、その目覚めた裁判官だった訳です。判決文の一番最初に書いてあるのは、福島原発を忘れるな、福島原発の事故の悲惨からすべての判断をスタートさせなければいけない、そういう考えなのです。判決文で重要なのは、一つに、基準地震動の決め方がいい加減だということです。基準地震動というのは、すべての耐震設計のスタートです。それが10年間の内に5回も基準地震動をオーバーする地震が来た。これでは全然当てにならない、危ないではないかという素人目にも分かる論理で、しかも科学的な論理です。これを覆すことはほとんど不可能です。もうひとつは、使用済み燃料のプールを覆う屋根があまりにも弱いではないか。格納容器に比べたら本当に弱い。使用済み燃料プールはアメリカも一番心配していた。つまり、使用済み燃料プールが、実は原発のアキレス腱なんです。そのアキレス腱は治ったのか?いや前と変わりません。じゃあ危ないではないか。こういうわかりやすい論議で、あの判決では原発の差し止めをしているんです。私たちはこれを水平展開できる論理と呼んでいます。水平展開できる論理というのは、どの原発にも当てはまる論理だという意味です。今回の判決は、日本中の原発に当てはまる論理です。この判決文をコピーして、全国の裁判所に証拠提出しました。原子力業界は、あれは非科学的判決だと言っています。何を言うんですか。御用原子力学者のせいで福島原発事故が起きたのではないか。御用原子力学者にあの判決文を批判する資格はありません。業界から金をもらってその結果があの事故です。恥を知るべきです。事故原因は自分たちの報告書に書いてあると言うが、笑わせるな。放射能がいっぱいで現場検証もできないのに、何故報告書が書けるんだ。何で原因が分かったなどと言えるんだ。原因なんて誰も分からない。だから判決文に書いてある。放射能事故の恐ろしさは、真の原因究明ができないことだ。何故ならば、原因究明するための立入ができないからだ。それが他の技術とは違うところだ。だから止めるべきだと。週刊誌や新聞も、じゃあ、あの判決文の通りだったら日本中原発はできないことになると言うが、その通りだ。私たちはこの判決文を裁判でも、市民運動でも広めて、日本から原発をなくしましょう。」

布原啓史・みやぎ金曜デモ

「女川原発に押し寄せた津波は13メートルでした。あと80センチしか余裕がなかった。あと1メートル津波が高かったら福島と同じようになっていた。ジーゼル発電はシャットダウンした。それでも一回線生きていたからぎりぎり冷温停止できた。10年間で5回突破された基準地震動の2回は女川原発です。2005年の宮城県沖地震と3.11です。3.11の後の4月7日の余震でも突破されているから正確には3回です。3.11を思い出して下さい。福島第二原発も一回線しか利用できず、ぎりぎりで冷温停止に持ち込んだ。ほんのちょっとの運が無かったら、福島第一、第二、それに女川原発、全部で13機あります。それがメルトダウンして、爆発して放射能を噴き上げている状況を想像して下さい。3.11はその寸前までいったということです。」

中川喜征・北海道反原発連合

「泊村の近くの岩内から風船を飛ばしたら、半日で旭川まで飛んでいきました。道庁の前で行動をやっていますが、その公園にも風船は落ちていた。私は福祉の仕事をしていて、子供たちを守らなければいけないという使命感があって、反原発運動に関わっています。子供たちが目に見えないはずの放射能の絵を描いたり、七夕に原発被害に遭わないように元に戻して下さいと書いているこの国を、なんとかしていきましょう。」

後藤政志・元東芝・原子炉格納容器設計技師

「福井の裁判で言われていますように、いろんな問題があるけれども、基本的には技術の問題を超えている。人間の命の問題だと言っている。科学的ということは、分かったことはありのまま出して、分からないことは分からないまま、ありのまま出して隠さないことです。『吉田調書』隠すなんて犯罪です。事故原因の隠蔽です。事故の時にボイスレコーダーを隠したら犯罪です。福島の事故なら最大級の戦犯になります。本当に安全だという学者が居るなら、ここに来てキチンと説明して欲しい。」

福島瑞穂・社会民主党副党首

「鹿児島で5000人を集めて川内原発再稼働反対の集会が開かれました。地元のみなさんの話を聞きました。みなさん不安がっています。避難計画など実現できないと思います。まず5キロの人から避難して、その後に、5キロから30キロの人が避難なんて、そんな馬鹿なことが起きるわけがないじゃないですか。みんな一目散に逃げるに決まっています。政府の防災計画に、ケアの必要な人たちは自宅待機で置いていくということを原則としています。置き去りにするなんて、こんなこと許してはなりません。原発事故があったらみんな逃げられません。北海道の幌延に行ってきました。核の高レベル廃棄物の最終処分場になるかという所で、オンカロを想像していたら、松代の大本営みたいでビックリしました。日本は地下水が豊かで、安心して使用済み核燃料を埋められるところはどこにもありません。だから再稼働して、これ以上核のゴミを増やしてはならないんです。誰にも責任はとれません。電気は間に合っています。全国の地元のみなさんとタッグを組んで、どこでも再稼働させないように頑張っていきます。」

吉岡達也・脱原発世界会議

「漫画をここまで弾圧する国はどこにあるんだ。スエーデン元環境長官は、福島の健康被害をキチンと調査することが、これからの世界の原発の行方を決めると言っている。福島の方々の命と、日本のすべての原発立地の地域の方々の命と、それから世界の原発立地の人たちの命にかかっていることだ。安倍首相は、武器と原発を世界に売ってまわっています。税金を使って死の商人です。原発を輸出すると輸出先でプルトニウムができるんですよ。核兵器の材料を輸出するのと、原発を輸出してるのとは同じことなんですよ。日本は広島、長崎を経験して、いままた福島を経験してる。その国が核兵器の材料を売ってどないすんねん。これは人類に対する罪です。人類史上最悪の死の商人です。日本人は人類に対する罪を被ることになります。」

鎌田慧・さようなら原発1000万人アクション

「6月13日、鹿児島県会議の開催に対して、九州のみなさんが川内原発再稼働反対の声を上げ、集会を開きます。僕も川内原発を絶対止める、そういう決意で行ってきます。避難計画について市役所に聞くと、自家用車のある人は自家用車で逃げてくれ、自家用車のない人はバスで逃げてくれ、と言っています。こんな状態でも原発を動かしたい。それは九電が儲けたいからです。企業が儲けるために人を殺してもいいのか。そういうことが問われている時代になっています。福井地裁の判決にどう書いてあるか。危険性のあることを判断の対象とするべきで、福島原発の事故後に、この判断を避けることは、裁判所に課せられた最も重要な責務を放棄するに等しい。これは裁判官の良心宣言と言ってよい。最後の勇気です。こういう勇気は誰がつくったか。私たちの運動がつくってきたんです。裁判官の良心を揺り動かしてきたんです。裁判官も人間の子です。日本国憲法がある限り、裁判官は勇気を奮って頑張ってくれないといけない。安倍内閣はとにかく再稼働すると言っています。原発も輸出する、武器も輸出する、こんなメチャメチャな政治を行っても、自民党は誰も反論できない。裁判官が勇気を奮っているのに自民党はまったく勇気がない。自民党は死んだのか。安倍首相は美しい国と言っているが、その美しい国を踏みにじっているのはお前たちじゃないか。福島の原発事故のあとを見てくれ、福島の人たちが全国に散った悲惨、仕事を失い、家族がバラバラになり、自殺に追い込まれ、こういうことがあってもなおも原発を再稼働するという。これは犯罪行為です。6月28日、明治公園で大集会を開きます。戦争を止める、沖縄を解放する、原発を止める、こういう大きな任務と、この時代に私たちは向かい合っている。私は75歳です。力を尽くして、頑張ってまともに死にたい。」


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