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「原発ゼロ」が全ての始まり〜細川候補が出馬記者会見

                    西中誠一郎(報告・写真)

 1月22日夕方、都庁記者クラブで細川護煕東京都知事候補の出馬会見が行われた。冒頭で細川氏は事前に準備した文書を読み上げた(会見後、データで配布)。その中で、出馬した「決意」について、以下のように述べた。

 「今の国の目指している方向、その進め方になにかと危ういものを感じている。憲法でも、安全保障でも、近隣諸国との関係でも懸念していることがいくつかある。経済についても、少子高齢化社会が進む中で、いままでのような大量生産、大量消費の経済成長至上主義ではやっていけない。腹一杯ではなく、腹7分目の豊かさでよしとする抑制的なアプローチ、心豊かな幸せを感じとれる、そういう社会を目指して成熟社会へのパラダイムの転換を図っていくことが求められている。世界が生き延びていくためには、豊かな国がその生活のスタイルを多消費型から共存型へと変えていくしかない。成長がすべてを解決するという傲慢な資本主義から幸せは生まれないということをもっと謙虚に学ぶべき」

 このように語った上で、原発再稼働の動きへの強い危機感を述べ、ひとたび事故が起これば、国の存亡に関わる大事故になるとし、都民の生命と財産を守るためにも、原発依存型のエネルギー消費型社会を180度方向転換することを訴えた。また核のゴミ捨て場もないのに再稼働することは、後の世代に対する犯罪的行為だ、とした。

「同じコストをかけるなら自然エネルギーなどに変えていく方がよほど生産的。新しい雇用や技術を開発していく可能性もそこから拓けてくる。世界の自然エネルギー産業の成長を日本に取り込み、成長の切り札にしていく、絶好の機会。いまここで『原発ゼロ』の方向を明確に打ち出さなければ、50年100年経っても原発依存の状態から抜け出すことはまず不可能。再稼働にストップをかけ、『自然エネルギー大国日本』を世界に発信していく方向にいま決断すべきとき。この都知事選挙は、小泉さんが言ったように『原発がなくても日本は発展していけると考える人々』と、『原発 がなければ日本は発展できないと考える人々』とのまさに戦いだ」。

 しかし原発ゼロに向けての具体的な道程については、「有識者による「東京エネルギー戦略会議」を立ち上げて、脱原発のエネルギー基本計画を作っていく」と述べるにとどまった。

 また医療、介護、子育て、教育などの分野では、「規制改革を強力に推し進めていきたいと思う。これは、既存の政党勢力と結びついた人たちには恐らく難しい課題。私は、何のしがらみもない。既得権との闘いこそ、私に最も期待されるところではないかと思う」と言及した。

 首相辞任の理由となった熊本県知事時代の東京佐川急便の一億円借り入れ問題については、記者(読売新聞)からの質問に対し、国会を混乱させたことを謝罪の上、10年かけて完済していたことを改めて弁明した。

 また他候補者が同じ「脱原発」を訴えるのでも、他の政策と並列にして訴える候補とは優先順位が違うとし、「ひとたび大きな原発事故が起これば、憲法問題も、TPPの問題も、災害対策も全てが吹っ飛ぶ。私の意識では、原発を問う選挙だ」と断言した。

 また安倍首相や小泉元首相の靖国参拝や近隣外交については、「個人の心の問題。私も行ったことがあるが、今は行くつもりはない。首相は行かないほうがいい。国際的に刺激が強過ぎる。外交は都政ではないが、近隣外交は重要。国際友好関係を旨に行動していく」と述べ、本質論を避けた。

 自分の信念で投票するか、今勝てそうな候補を選択するか、表面化しない候補者の背景や当選後の実行力まで読み取って、最後まで悩む選挙戦になりそうだ。

会見全記録(IWJ)


Created by staff01. Last modified on 2014-01-23 13:54:48 Copyright: Default

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