最高裁がフジテレビ・産経新聞グループの労組潰しを容認！
新たな法的措置含め、闘争を継続・拡大へ！
反リストラ産経労
最高裁判所第３小法廷（裁判長・大谷剛彦、裁判官・寺田逸郎、大橋正春、木内道祥、担当調査官・衣斐瑞穂）は、１０月１５日、「フジテレビ・産経新聞グループ」による労組潰しの不当労働行為を容認した、中央労働委員会（国）の不当命令取消を求める行政訴訟で、反リストラ産経労(労働組合・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会）の上告を棄却し、上告受理申立を不受理とする不当な決定を行った。 １９９４年に不当な懲戒解雇処分を受けながらも、記者・労働者としての矜持を支えとして、あしかけ２０年間も闘い続けてきた反リストラ産経労の松沢弘委員長は「フジテレビ・産経新聞グループによる不当労働行為を追認した不当な決定であり、到底、認めることはできない」とし、「『経営にモノ言う真っ当な労組』の存在を許さないという、マスメディア資本の攻撃を、行政（労働委員会）、司法（裁判所）が一体となって支えている『抱合支配体制』と対峙し、新たな法的措置も含めた闘いを継続・拡大して、最後まで闘い抜く」としている。
以下に、反リストラ産経労と不当労働行為救済命令取消訴訟上告人・上告受理申立人弁護団（徳住堅治弁護士、萩尾健太弁護士、三澤麻衣子弁護士、高橋右京弁護士、北神英典弁護士）の「抗議声明」を掲載する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最高裁不当決定に対する抗議声明
２０１３年１０月２４日
上告人・上告受理申立人
労働組合・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会
（反リストラ産経労）
不当労働行為救済命令取消訴訟上告人・上告受理申立人弁護団
「フジテレビ・産経新聞グループ」による労組つぶしの不当労働行為を容認した、中央労働委員会（国）の不当命令取消を求める行政訴訟で、最高裁判所第３小法廷（裁判長・大谷剛彦、裁判官・寺田逸郎、大橋正春、木内道祥、担当調査官・衣斐瑞穂）は、１０月１５日、反リストラ産経労(以下、組合）の上告を棄却し、上告受理申立を不受理とする決定を行った。これは、中労委が容認したフジテレビ・産経新聞グループの日本工業新聞社（以下、会社）による不当労働行為を、そのまま追認した不当な決定であり、到底、承服することはできない。 マスメディアよる労組つぶし攻撃を、労働委員会、裁判所がバックアップした実態を厳しく糾弾し、引続き、新たな法的措置も視野に入れた闘いを継続・展開してゆく方針である。
１ 事案の概要
本件訴訟は、中労委による労働者の権利擁護機関としての役割放棄と、社会の公器たるマスメディアにおける労働組合つぶしを許さず、上告人・上告受理申立人組合（以下、組合）が、中労委による以下のような不当な本件命令の取消を求めて提起したものである。
すなわち、本件は、フジテレビ・産経新聞グループの株式会社日本工業新聞社の従業員で、同社東京本社に所属する論説委員だった、組合の委員長松沢弘が、１９９４年１月２８日に、会社に対して組合の結成を通知し、団体交渉を要求したところ、�＿饉劼�同年２月１日に、松沢に対し千葉支局の支局長への配転を命じ、��同日、組合が会社従業員らに配布した機関紙を会社が強制的に回収し、�Ａ塙腓�２７回にわたって申し入れた、松沢の不当配転の撤回等を議題とする団体交渉を正当な理由なく拒否し続け、�て映�９月２２日付で、業務指示違反を理由に松沢を懲戒解雇したという事案である。
上記�，�ら�い旅坩戮蓮△い困譴睿�働者の権利を守るため会社に異を唱えようとする組合に対する嫌悪の意思を動機とする、不当労働行為であることは明らかである。そこで組合は、同年２月４日に、上記�，�ら��の行為が不当労働行為に該当するとして、東京都労働委員会に対し、救済を申し立てた。解雇後には、�い砲弔い討睇堙�労働行為として追加の救済申立を行った。
一方で松沢は、１９９６年５月８日に、東京地方裁判所に、解雇無効による雇用関係確認を請求する訴訟を提起し、同裁判所は、２００２年５月３１日、解雇の無効を認める判決を下した。ところが、２００３年２月２５日、同解雇無効訴訟控訴審において東京高等裁判所は、一審判決を取り消し、松沢を逆転敗訴させた。最高裁判所第３小法廷も、２００５年１２月６日、松沢の上告を棄却し、上告受理申立を不受理として、高裁の不当判決を追認した。
２００６年１２月６日、都労委は、上記高裁判決が確定するまで、実に１３年近くもの間、組合の申立を放置した末、不当にも救済申立を棄却する命令を交付した。組合は、同年１２月１９日、都労委命令の取消と救済を求め、中労委に対し再審査を申し立てたが、２００８年５月２３日、中労委は不当にも、会社による上記の一連の行為が、いずれも不当労働行為に該当しないとして、再審査申立を棄却する命令を交付した。
組合は、同年１１月１８日、上記の中労委命令の取り消しを求めて、東京地方裁判所に対し本件行政訴訟を提起したが、２０１０年９月３０日、東京地裁民事１９部（裁判長・青野洋士、主任裁判官・渡邉和義、裁判官・村田一広）は、不当にも上記�，�ら�い旅坩戮垢戮討砲弔�不当労働行為性を否定し、不当な中労委命令を追認する請求棄却判決を下した。
そこで組合は、同年１０月１３日、東京高裁に対し控訴したが、東京高裁第２民事部（裁判長・大橋寛明、主任裁判官・川口代志子、裁判官・蓮井俊治）は、２０１２年１０月２５日、控訴棄却の不当判決を出した。
このため、組合は２０１２年１１月７日、最高裁に上告・上告受理申立を行った。
２ 本件決定の評価
最高裁第３小法廷の決定は、上告については民訴法３１２条１項及び２項、上告受理申立については、民訴法３１８条に該当しないとするだけの、全く無内容なものであり、世上、「三行半」と批判される、手抜き決定そのものでしかない。
あたかも、事件をベルトコンベアに載せ、同一文の棄却決定を貼り付けて、オートメーションで量産するかのごとき有様である。組合は、上告理由書、上告受理申立理由書で、高裁判決に関して、憲法解釈の誤り、憲法違反（民訴法３１２条１項）や、最高裁判例との相反、法令解釈に関する重要な事項（民訴法３１８条）を詳細に指摘した。
組合が東京高裁に提出した、日本工業新聞社経営陣のナンバー２の元専務・井上保夫と松沢との会話記録で、元専務は、“松沢の懲戒解雇処分には、親会社である産経新聞社の意向が働いていた”との趣旨の発言をしていた。
東京高裁の判決も、この事実は認めている。
組合は、これについても、上記理由書で、憲法違反や最高裁判例との相反などの論点と関連させて、産経新聞社と“超御用組合”である産経労組との一体的な労務支配体制を固守するために、松沢を懲戒解雇し、反リストラ産経労の壊滅を図ったという、紛れもない不当労働行為意思を明証した。
しかし、最高裁第３小法廷は、この重要な発言から生じるはずの当然の疑問を解明・検討することなく、安易に「三行半」の不当決定を下し、マスメディアの労働者の団結権を踏みにじったのである。
また、組合は、２０１３年７月１７日、９月２５日に、上告受理申立理由補充書（１）、同（２）を提出し、団体交渉拒否、松沢懲戒解雇処分を容認した高裁判決が最高裁判例と相反していることをさらに詳しく論証した。
しかし、最高裁第３小法廷が、これを瞥見したことさえうかがうことはできない。
これに続いて、組合は、多くの補充書を相次いで提出する準備を進めていたが、それも無駄となった。
「最初から棄却、不受理ありき」との、こうした最高裁第３小法廷の職責放棄の姿勢は、人権の最後の守り手とされる最高裁の任務に全面的に違背するものでしかない。
司法への国民の不信は募るばかりである。
３ 今後の対処方針
組合は、かかる不当な決定を到底受け入れることはできない。新たな法的措置も含めて、闘いを継続し、納得のいく解決に向けて邁進する決意である。
不当な解雇を許さない闘いは、働く者の団結権の要であり、人間の生きる権利を追求する闘いでもある。
行政機関（労働委員会）、司法機関（裁判所）の不当な決定は、不当解雇された当事者とそれを包み込む組合、支援者の強固な意志と団結がある限り、闘いを終息させることなどできない。
報道現場で働く者の団結権は、また、マスメディアの暴走を規制しうる力ともなりうる。
わたしたちは、国内最大のメディア・コングロマリット（企業複合体）であるフジテレビ・産経新聞グループを、真っ当なジャーナリズム企業に更生させるべく、闘ってゆく所存だ。
それこそが、昨年６月に４９歳の若さで死去した、日隅一雄弁護団長（元・産経新聞大阪本社・社会部記者）のご遺志に沿うものであると確信している。
日隅団長は、本件の弁護を引き受けたことで、産経新聞社の元上司らから絶交されるなどの仕打ちを受けたが、最後まで、組合の勝訴を願って闘い続けたのである。
これまでの各位のご支援、ご協力にこころより感謝するとともに、組合が勝利する日まで、引き続きご支援、ご協力をお願いする次第である。
以上
より詳しい情報は、反リストラ産経労のＨＰ「フジテレビ・産経新聞の真相」をご覧下さい。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/fujisankei/
Created by staff01. Last modified on 2013-10-30 10:37:41 Copyright: Default