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LNJ Logo 報告:狭山事件の再審を求める市民集会「冤罪50年!いまこそ証拠開示と事実調べを!」
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News Item 1031hokoku
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10月31日、東京・千代田区の日比谷野外音楽堂で、狭山事件の再審を求める市民集会「冤罪50年! いまこそ証拠開示と事実調べを!」が開催された。主催は集会実行委。

39年前の10月31日。東京高裁・寺尾正二裁判長は、一審の死刑判決を減刑し、石川一 雄さんに「無期懲役」を言い渡した。犯人を石川さんと決めつけ、さまざまな矛盾を 強引に言いくるめたペテン的な寺尾判決。支援者らは毎年この日を重要な節目と位置 づけ、再審を求める闘いを続けている。

鎌田慧さん(狭山事件の再審を求める市民の会事務局長・以下「市民の会)は、 「不当な寺尾判決以来、民主主義が、基本的人権が踏みにじられている。別件逮捕も 長期勾留も不当だ。15回におよぶ三者協議では貴重な証拠が開示された。石川さんの 無実を証明するデモにしよう」とあいさつした。

市民の会代表の庭山秀雄さんは事件当時、住居が安いと狭山に住み、本件と出会っ た。取り調べや冤罪の研究者として裁判に関わってきた、その経過を振り返った。 民主党の泉健太議員は、「取り調べ可視化」早期実現への決意を語った。社民党前党 首の福島瑞穂さんは、「少し前の」大学生だった頃、会場の参加者と同じようにゼッ ケンをして集会に出ていたと明かす。「来年の早い段階で再審を開始させたい。秘密 法案をぶっ飛ばし、みんなで一緒にがんばっていこう」と呼びかけた。

中山武敏・狭山弁護団長は、三者協議で開示させた133点の証拠と、被害者を縛った とされる「手ぬぐい」の有無について提出した新証拠を解説した。 石川一雄さんと妻・佐智子さんが、壇上に上がった。石川さんは「冤罪を訴え駆け抜 け50年 まだ見ぬ春は近きと信じ」と詠み、佐智子さんは、「今、狭山は動いてい る。今年から来年が大きな山場。みなさんのお力添えをお願いします」と訴えた。 「足利事件」の冤罪被害者・菅谷利和さんは、「今日は石川さんのためにやってき た。初めて見た時から犯人じゃないとわかった」とエールを送った。そして自身の事 件に触れ、「私は警察と検察を絶対許さない。今でもそう思っている」と語気を荒げ た。

「布川事件」の杉山卓男さんと桜井昌司さんも発言した。杉山さんはいつものリラッ クスした様子で、「日本の司法はどうしょうもない。検察も裁判所もひどい」と厳し く糾弾。「石川さんは支援者に悪いからと酒を飲まないそうだが、無罪になったら、 ビール一杯くらいは飲んでくれるよ、ね」と、後ろに座る石川さんに笑顔で問いかけ た。この優しい言葉に、私は目頭を熱くした。

スーツ姿の桜井さんは、「まだまだ多くの隠された証拠がある。こんな裁判をいつま で続けるのか。こんなことを許していいのか」と怒りを露わにし、「石川さんの無罪 確定が司法と社会を変える。検察が堂々としている世の中が変わるのだ」ときっぱ り。

参加者は満員の野音からデモ行進に出発。先頭では「袴田事件」の袴田さんの妹ひで 子さんも横断幕を持って歩いた。 農村の純朴な青年がある日突然、凶悪な殺人犯に仕立てあげられる。メディアは「容 疑者」の極悪非道ぶりを演出し、警察は長期の不当拘束で心と身体を切り裂いてい く。警察と検察によってあらゆる証拠が隠され、裁判所は事実調べも行なわず、「見 えない手錠」をかけたまま、一人の人間の人生を台なしにしている。まかりなりに も法治国家、先進国で、今なおこうした理不尽な人権無視が横行している。とんでもないこと だ。

第三次再審請求における三者協議も、山場を迎えている。誰がどう見ても、 石川さんは犯人にはなれない。それはあり得ない。粘り強い運動の力で厚い司法の壁 を打ち破るとき、この社会はきっと、大きく変わり始めるに違いない。(報道部・Y)


Created by staff01. Last modified on 2013-11-03 20:35:56 Copyright: Default

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