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News Item 0725kinosita
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●映画『襤褸(らんる)の旗』に寄せて  木下昌明

真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず

小出裕章さんは、昔から原発の実態を明らかにし、批判しつづけてきた。その彼の研究室に、足尾銅山の鉱毒被害を訴えてたたかった田中正造の写真が飾ってある。今度、小出さんが『世界』の七月号に書いた「滔々と流れる歴史と抵抗―田中正造没後100年に寄せて」のエッセイを読んで、この時の公害がフクシマのいまに至るまで続いていることがよく理解できた。以下、その一文をここにあげたい。

・・・足尾鉱毒で始まり、四大公害を経、そして今なお発生する公害、さらには沖縄を含めた基地問題など、すべては同根である。それを貫いているものは、国を豊かにするという思想である。そのもとで企業を保護し、住民は切り捨てるという構図が続いてきて、福島原発事故を経た今もその構図は全く変わっていない。しかし、「民を殺すは国家を殺す也」と正造さんが指摘した通り、住民を見捨てる国が豊かであるはずがない。正造さんは言う。「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし。」・・・

この文のしめくくりには、「私もまた私だけの命を何者にも屈せずに、私らしく使いたい」と自らの決意を語っている。今度の足尾事件と田中正造を描いた『襤褸(らんる)の旗』をみて、私たちも考え、行動しようではないか。

*『襤褸(らんる)の旗』は7月27日(土)レイバー映画祭で上映される。午前10時から。田町交通ビル6Fホール。詳細


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