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シンポジウム「2013外国人の人権はいま」報告

東京の新大久保や大阪の鶴橋で、「死ね」「みな殺し」などのプラカードを掲げた外国人差別・排除のデモが行われたり、朝鮮学校の無償化を要求する集会に日の丸の旗を持った団体がおしかけ、宣伝カーで「帰れ」などとがなりたてるなど、人権を無視した外国人差別に心を痛めている方も多いと思います。4月20日(土)在日本韓国YMCA9階国際ホールで「2013外国人の人権はいま」というシンポジウムが開かれ、会場満杯の約200人が参加しました。

「移住労働者/移住者の現状」、「子どもの教育権」、「ゼノフォビアとヘイトクライム」、「国際人権基準と国内人権政策との乖離」などのテーマで問題提起がありました。主催した外国人人権法連絡会が編集・発行した「日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書2013」をもとに、話がすすめられました。

ペルーやブラジル出身などの日系組合員を多く抱える神奈川シティユニオンの村山委員長(写真上)は「外国人労働者の多くが保険なし、年金なしという労働条件で働いている。事業主は法律を守ったらやっていけないと居直っている。被害を受けている当事者が声を上げ続けることが大事だが、そういう人たちと我々がどう一緒にやれるかだ」と話しました。

子どもの教育権について、田中宏さんは「教育権はすべての子供たちの権利なのに、外国人教育は権利ではなく、恩恵とされている」と指摘し、高校無償化からの朝鮮学校排除、ブラジル人学校排除について非難しました。

去年12月、安倍内閣の登壇以降、ヘイトスピーチは過激となり拡散しています。師岡康子さん(写真上)は「政府の朝鮮学校排除の政策は地方自治体の補助金カットにつながり、また町田市のように朝鮮学校の生徒のみ防犯ブザーを貸与しないということがおきている」と指摘。「公的差別の横行で大阪の鶴橋、東京の新大久保でのデモもおきている。人種差別撤廃条約は、日本では具体化していないが、他の国では規制法がある」と訴えました。前田朗さんは「60か国を調査したが、暴力を伴わないヘイトスピーチでも、約30か国で処罰がある。ヨーロッパでは処罰される」と話しました。

会場からは「最近、留学生に対し、警察官からひんぱんに職務質問が行われている。あまり問題視されていないが、なんとかならないか」との質問がありました。山口元一弁護士は「職質は任意です。外国人だからというのは違法であり、拒否できる。記録しておいて人権救済を求めるという方法もある」と答えました。また「人権はだれがどう守っていくのか」という質問に対し、田中宏さんは「公の機関が差別することが一番大きな問題だ」と話しました。

会場では、新大久保での外国人排除デモに抗議する署名も行われており、人権感覚のマヒした今の状況をなんとかしたいという思いがあふれていました。

2013年4月21日

尾澤邦子(レイバーネット)


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