橋下市長と「週刊朝日」の一件に思う(北健一) | |||||||
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*レイバーネットMLから
北です。 こういうことはふれないのが「賢い」のでしょうが、ものかきの端くれとして、やはりコメントしておきたいと思います。橋下徹・大阪市長が朝日新聞とその子会社に白旗を揚げさせた佐野眞一さんのルポのことです。 すでに指摘がありますが、私も、このルポが橋下氏への人権侵害だという理屈が腑に落ちません。「被差別部落を特定して記述したことが不適切」とい うのは、週刊朝日編集部の認めたとおりですが、それも橋下氏への人権侵害とは異なる論点です。人物を描くルポにおいて、「両親やルーツ」をさかのぼるのは 通常の手法だし、「DNAをさかのぼり」というのが比喩であることも明らかでしょう。佐野さんは、橋下氏の実父の出身からストレートに彼の「非寛容な人格」が生じたとは言っていません。 私は、最近の佐野さんの作品世界には、正直ついていけないところがあって、今回の筆致も好きではないのですが、そうした評価は、個々の読者にゆだ ねられる話でしょう。橋下氏やその取り巻きへの非難の言葉が激しすぎるとの評も多く、わからないでもありませんが、それは橋下氏が「敵対者」に浴びせた罵 詈雑言の激しさと切り離しては考えられません。 何より、橋下氏は権力の座にあります。さんざん人の人権を踏みにじってきた権力者が、自分の人権について騒ぎ立て、有力メディアが十分な議論もなく頭を下げ、連載が打ち切られてしまうことに、どうしても違和感と危惧がぬぐえません。 「週刊朝日」10月26日号の表紙には、「救世主か衆愚の王か」とありますが、私はどちらでもなく、「不透明なビジネスの広告塔」という説です が、それはおいおい。佐野さんは「一番問題にしなければならないのは、敵対者を絶対に認めないこの男の非寛容な人格であり、その厄介な性格の根にある橋下の本性である」と書いていますが、今回の騒動は、はからずも、この指摘の正しさを実証したようにも見えるのですが……。 ともあれ、ノンフィクションの書き手にとっても読者にとっても、たいへんな時代です。ただ、こうした手法が、私(たち)のファイトをかきたてるということは、今も昔も変わりません。ごまめの歯ぎしりでしょうが、そのことは記しておきたいと思います。 北健一(ジャーナリスト) Created by staff01. Last modified on 2012-10-21 11:49:28 Copyright: Default |