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速報 : 新人教員自死、故木村百合子さんの公務災害認定裁判、勝利が確定!

 地方公務員災害補償基金(以下「基金」)は、東京高裁での控訴請求棄却(7月19日)を受け、最高裁に控訴しないことを決めた。このことで、故木村百合子さんの自死が公務災害であることが最終的に確定した。

 2004年9月静岡市磐田市で新人教師、木村百合子さんは通勤途中に自ら命を絶った(享年24歳、当時新人教員)。「基金」は3年後に「公務外」と認定、再審査請求も棄却された。ご両親は、「公務外処分取消」を求め2008年に静岡地裁に提訴した。

 裁判は3年余に及び2011年12月15日「公務外災害認定処分取消」の勝利判決が出された。しかし、被告「基金」は控訴、裁判は舞台を東京高裁に移されたが7月19日、東京高裁(東京高裁第24民事部、三輪和雄裁判長)は、公務員災害補償基金の控訴請求を棄却した。

 今回の一連の判決には、学校現場の過重労働に歯止めをかけることができうる内容がいくつか述べられている。

 ひとつは、経験の浅い百合子さんがクラス運営に「苦悩しながらもできる限りの努力や責任感を持って対応した」ことを認め、困難を極めた児童への指導では「新規採用教諭に対し高度の指導能力を求めること自体酷」と認定し、新採教師に対して「十分な支援が行われていたとは到底認められない」断じた点である(2011年12月15日、静岡地裁判決)

 ふたつめは労働職場では、「最も脆弱なもの」を基準にすべきであるという原判決を再度認めたことである。(2012年7月19日、東京高裁判決判)

 みっつめは、「うつ病に発症した後の業務内容をしん酌することは、公務と本件自殺との因果関係を考察するにあたって、意義がある」と認めたことである(東京高裁判決)。この点については、厚生労働省がこれまでうつ病の発症以降の過重労働を、労災や公務災害の審査対象としてこなかった経緯があることから重要である。

 学校現場では「物言えぬ無権利」状態が深刻化している。その中で、個々の教育労働者の「努力」を支える周囲の支援が必要であるという基準は極めて重要である。故百合子さんの母和子さんが「学校の状況を、少しでも良い方向に変えてもらいたい」と語るように、この勝利を全国の学校現場の労働条件の改善につながるとりくみにつなげていきたい。(湯本雅典)

↓7.19高裁勝訴の日


Created by staff01. Last modified on 2012-07-31 12:14:13 Copyright: Default

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