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仮放免者へ在留資格と生きる権利を!入管収容制度の改善を!

                 西中誠一郎

 10月9日、品川駅から東京入管に向けて「仮放免者の会」の外国人と日本人、約110名がデモ行進し、東京入管に申し入れを行った。アフリカ諸国や東南アジア諸国などから来日し、難民申請や結婚•家族問題、健康問題などで帰国できず長期に渡り非正規滞在状態におかれている外国人たちだ。

 80年代から90年代にかけて多くの外国人が来日し、当時、人手不足だった工場や建設現場、産廃処理、サービス飲食業などで働き、結婚し家族を形成し、職場や地域社会に生活基盤を築いていった。しかしごく一部の職種の「高度人材」を除き「就労ビザ」が存在しない日本社会では、非正規状態を解消する手だては「在留特別許可」に頼らざるをえない。しかしその基準は明確ではなく、退去強制手続きの中での裁量でしかないため、多くの外国人が摘発され入管に無期限長期収容される過程で、「退去強制令書取消し」の行政訴訟を起こしたり、法務大臣に対して「再審情願」を行うなど、大変厳しい道のりを迫られる。

 一方日本の難民認定制度が大変厳しいのは周知の通りだ。ほとんどの難民申請者が非正規状態に置かれ、ごく一部の出身国の難民申請者のうち少数しか難民認定されず、認定されても、社会統合に向けた政府の難民保護政策は皆無の状態が続いている。

 その結果、多くの非正規滞在者や難民申請者が入管収容施設への無期限の長期収容を余儀なくされ、家族をバラバラにされ、健康を害し、運良く仮放免されても就労許可されず、大変厳しい生活を強いられている。

 最大30万人を超えた非正規滞在者数は、2003年以降「外国人狩り」ともいえる官民上げての「不法滞在者半減政策」や、景気悪化の中で減少を続け、2011年現在7万人を切った。2012年7月から外国人登録法が廃止され、住民基本台帳法に「3ヶ月以上の中長期の正規滞在」の外国人が組み込まれ、新しい「在留カード」の常時携帯が義務づけられた。このため、非正規滞在者は身分保障すらできず、ほとんどの行政サービスから排除されている。

 今回のデモ参加者も、ほとんどが長年日本に非正規状態で滞在し、入管に収容された経験をもち、現在「仮放免」の状態で「在留特別許可」を求めている。そのような「仮放免許可者」は全国に約2000人いると言われている。

   「非正規滞在者や難民に人権を!」「仮放免者に生きる権利を!」「我々に働く自由を!」デモに参加した外国人たちは英語や日本語で叫びながら、道行く市民にチラシを配り品川の繁華街を東京入管に向けて行進を続けた。幼い子どもの手を引いた家族の姿も目立つ。

 茨城県に住むフリピン人家族は、父親が仕事中に警察に摘発され、幼い子ども2人と妻から引き離され、1年半以上に渡り入管に収容された。フィリピンの政治•家族事情を理由に難民申請を行い、3回目の仮放免申請でやっと身柄を入管から解放された。しかし就労許可されず、辛うじて期限付きの難民保護費で生活している。「毎月一回の仮放免許可の延長手続きで、東京入管に来るだけでも一万円近くかかる。一体これからどうやって家族を養っていけば良いの?」と途方に暮れている。

 来日21年になるガーナ人女性はシングルマザー。出産間もなく入管に収容され、生まれたばかりの子どもは児童相談所に預けられた。母親の入管収容期間は約4ヶ月だったが、仮放免後も子どもの引き取りが認められず、子どもは1年3ヶ月に渡り児童相談所での生活を余儀なくされた。

 「子どもの父親は永住権をもっている。なんで生まれたばかりの子どもとバラバラにされなければならないの?」。母親は入管収容中に体調を壊したが、満足に治療も受けられず、現在も自費での通院治療を続けている。

 「みんな頑張って!!」。行進が東京入管庁舎に近づくと一段とシュプレヒコールのボルテージが上がった。収容棟からも部屋の中から鉄格子を握りしめ、答えようとする姿が見えた。  

 代表者数名が東京入管に入り、総務課渉外担当に対し、以下の内容の申し入れを行った。

ー容の処遇改善
∧貉劼亮容問題
2省免延長手続きの際に「帰国強要」を迫る担当職員の態度改善
さ国できない事情がある者の再収容の停止
サ国できない事情がある仮放免者への人道的な在留資格の付与

 従来の申し入れでは、非正規滞在者との面会に応じなかった東京入管職員も、今回は面会に応じ、熱心にメモをとっていたという。 「新しい在留管理制度ができて、入管も仮放免者をどうするか考えているみたいです。僕たちは、家族のために何年も一生懸命働いてきただけ。生活や人間関係、難民申請で帰国できない人たちばかりです。入管は収容や、帰国の脅しをしないで人権を守って欲しい。僕たちも人間です。日本で生きる権利を下さい」。「仮放免者の会」のスリランカ人キリンデさんは切実に訴えた。  


Created by staff01. Last modified on 2012-10-10 21:00:28 Copyright: Default

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