「これは殺人事件です」、ワタミ26歳過労自死で両親が申入れ | |||||||
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ワタミでの長時間労働が原因で、入社2か月にして自死に追いやられた森美菜(当時26歳)さんの両親が、渡邊美樹会長や社長など責任ある立場の人間と直接協議するよう、9月20日都内のワタミ本社に出向いて申し入れた。 今年2月に美菜さんの自死が労働災害と認められて以来、会社の代理人と2回の交渉を経た。しかし、事実関係を知らない代理人といくら話し合っても原因究明できないと察し、森夫妻は全国一般東京東部労組に支援を求めた。 「遺族にとって、これは殺人事件です」父・豪さんは、会社代表代理の社員に投げかけた。協議申し入れ当日、会長、社長ともの不在から代理で対応したリスク管理室の社員に対して、豪さんは申し入れ書を読み上げた。「娘を死に追いやった殺人犯を野放しにしておかないで、探し出し、追放しなければ、また殺人が起こります」と続けた。 森夫妻にとって、美菜さんが「墜落死」したと死体で発見されて以来、時は止まったまま。「朝起きるのがつらくなりました。苦痛です。娘のない一日を生きなければならない。生きることが、まさに苦しみ」だと語った。二人にとっては、美菜さんは墜落死した姿のままである。「来る日も来る日も、娘は墜落します。」申し入れ書を持つ豪さんの手は大きく震えていた。 その姿を打ち消して、これまでのきれいな姿のままの娘を思い浮かべられるようになるには、美菜さんが自死しなければならなかった原因を究明することだ。 「世界で一番たくさんのありがとうを集めるグループになりたい」という会社のスローガン。社員自身も、美菜さんが過労自殺した原因を知らずして、このスローガンに忠実に生きられるのか。「ワタミでの業務が娘を殺した」という責任に気付かなければ、問題は解決せず再発防止にもつながらないと、豪さんは会社に訴えた。 ワタミでは、社員が管理職の店長との間でカウンセリングを受けることになっているが、カウンセリングをする社員にはノウハウがない。美菜さんの母親は、「入社4年目の店長にはカウンセリングの知識もない人」だったと指摘している。美菜さんが疲労を訴えても「休みに気分転換ができていない」とカウンセリングノートに記載しているものの、会社強制の勉強会、研修、ボランティアなどで休息もままならなかったことが実態としてある。 会社との直接協議を支援している東京東部労組には、これまでもワタミで働く社員の親からの相談電話などもあったことから、5700名以上いるワタミグループ傘下の業界で働く労働者に対して、9月30日に労働相談を実施する予定。 「会社の体質を変えていかなければ、再発防止はありえない」と労組の須田光照書記長は言う。「人間のための会社なら、人間としての対応を」と会社に訴えた。(松元ちえ) *写真=土屋トカチ Created by staff01. Last modified on 2012-09-21 10:28:39 Copyright: Default |