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管理監視強化ではなく、多民族共生社会の実現を!
7月9日から、新入管法が施行

                                                 西中誠一郎  

2009年に改定成立した「出入国管理法」と「住民基本台帳法」が、先日7月9日に施行され、その内容に反対する集会や、新制度から排除される在日外国人当事者の抗議デモが相次いで行われた。

 7月7日には水道橋の在日韓国YMCAで「改定入管法に反対し、ともに生きる宣言集会」が開催された。(主催:外国人人権法連絡会、移住連、外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会)

 戦後60年間に渡り、来日/在日外国人の管理法制として「外国人登録法」と「出入国管理法(入管法)」が機能してきたが、今回の法改定で「外国人登録法」が廃止され、法務省入国管理局が一元的に管理監督する入管法と、電子的な個人情報データ管理が進む住民基本台帳法に再編統合される。戦後の外国人政策の最大の転換である。

 集会では(写真上)、200万人を超える在日外国人の権利保障をする基本法制が存在していないにも関わらず、管理監視強化を目的にした法改定が突出する現状を批判する発言が相次いだ。「外国人登録法」の廃止に伴い「外国人登録証」はなくなり、3ヶ月以上滞在する「正規滞在」外国人には、法務省入管局から「在留カード」が発行される。様々な届け出義務と罰則規定が課せられ、職場や学校などの所属機関からの届け出義務が強化され、在留資格取り消し制度が拡大される。難民申請者や、止むなく非正規滞在の状態に置かれている外国人には「在留カード」そのものが発行されず、従来から厳しかった医療や社会保障制度、諸々の行政サービスから徹底排除され、銀行口座の開設や自動車免許の取得なども不可能になる。

 集会では、日本人も外国人も人間としての尊厳が生かされる地域社会、「多民族多文化共生社会」の実現に向けて、「ともに生きる」宣言が採択され、「入管改定法にNO!」と声を上げた。施行日の9日には代表者が法務省を訪問し、政務三役と会談し、新制度から排除される非正規滞在者や難民申請者などへの「在留特別許可」を求め、1万人、200団体を超える署名を法務大臣に提出した。

 同じ9日には、「仮放免中」の非正規滞在者や難民申請者と、日本人支援者が2010年に結成した「仮放免者の会」による集会とデモが日比谷公園周辺で行われた。200人を超えるデモ参加者があり、外国人当事者が180人近くに上った。参加者の国籍も人種も多彩で、難民申請者や、長期非正規滞在者と家族、シングルマザーなど、様々な背景から非正規状態におかれ、帰国することが困難で、収容と仮放免を繰り返してきた在日外国人たちだ。中には現在2週間だけの仮放免許可で、いつ再収容、強制送還されてもおかしくないパキスタン人男性なども参加した。

 一行は今回の入管法の改定で徹底排除され「社会から見えなくなる」存在にさせられることに抗議して、収容政策の見直しや、在留特別許可を求めて法務省に申し入れを行った。


Created by staff01. Last modified on 2012-07-11 16:50:44 Copyright: Default

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