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LNJ Logo 報告 : 5.5原発ゼロ「さようなら原発1000万人アクション」に5500人
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国内のすべての原子力発電所が運転を停止した5月5日。東京港区の芝公園で「さようなら原発1000万人アクション」集会が開かれた。会場を埋めつくした5500人の参加者(主催者発表)は、 この日の到来を祝い合うとともに、再稼働を絶対に許さないと決意を新たにした。

■無念で他界した人々へ

生田卍さん(下の写真・左)のオープニングコンサートの後、主催者あいさつとして鎌田慧さんと澤地久枝さんが発言。鎌田さんは、自責の念に囚われる心情を吐露。子どもたちに地球と日本列島を残すべき責任を果たせなかった。この日を迎えられずに亡くなった反原発運動の先達にも、思いを寄せた。福島の人々には「本当に申し訳ない」と謝罪。「先輩たちの魂と一緒に、今日のデモ行進をする」と結んだ。

澤地久枝さん(上の写真・右)は、かつての日独伊軍事同盟を「歴史上の大きな間違い」だと認識。現在の野田外交を批判した。そして「子どもたちに(食品による)深刻な内部被ばくをさせたことは、自分たちの大きな負い目」と話し、「1000万人が署名で原発はイヤだと声をあげれば、政治は変わらざるを得ない。そのことに自信を持とう」と訴えた。

■社会システムの変革を

評論家の内橋克人さん(下の写真・右)は、「原発ゼロの日を指して日本人の集団自殺だと言った人がいるが、絶対にそうはならない。なんの破たんも起きていない」と指摘。そのうえで、「今日の原発停止は新たな原発立国への準備だ。それを肝に銘じておく必要がある」と注意を促した。

「原発がなければ仕事がない、生きていけない、そういう社会の構造を、政治の進め方を、政策決定のありかたを変えていく。私たちの運動で、ゼロの状態を持続可能に永続させていく。そのことを新たに誓う日でもある」と語り、大きな拍手を浴びた。

■マスコミより口コミで

この日の午前中、有楽町や錦糸町など都内の主要な駅頭で1000万人署名が取り組まれた。落語家の古今亭菊千代さん(下の写真・右)も、それに加わった一人だ。だが通行人の反応は鈍い。これほどの脱原発運動が人々に伝わらない。「普通の人々が同じ立場で運動しているのに、それを知らない人たちは特別の運動だと思い込んでいる。今日の集会も、どれほどマスコミで報道されるか」。もどかしさが口をつく。 それでも、「マスコミより口コミだ。私もGOGOの55歳。反原発の落語で笑えるオチが作れる社会にしたい」と笑顔を見せた。

「泊原発がいよいよ止まる。これはシャレではない」――真剣な口調で切り出したのは長田秀樹さん(北海道平和フォーラム/下の写真・左)。同原発の沖合にある活断層。もし事故が起きたら、周辺編の住民は原発に向かって逃げるという。いったいどういうことなのか。

遠くへ逃げるための国道に出るには、一度原発に向かって歩かなければならない。道路の未整備が原因だが、何とも恐ろしい話である。

■「がんばれ 東京新聞」

韓国で環境財団の代表を務める崔冽さん(3つ下の写真・右)。その発言は気迫に満ちている。「安全神話は崩れた。電力は足りなくない」。「節電運動と自然エネでこの危機を克服せよ。住民の犠牲の上に経済が優先されることは、もう許されない」。過去50回も来日した日本通。3・11以降の市民運動は、韓国でも広がっているという。「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアフクシマ」と叫び、最後に「東京新聞ファイティング」と付け加えると、会場は沸いた。

椎名千恵子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネット)は、福島現地の状況を報告。「福島は3・11のまま止まっている。休みになると、子どもたちが高線量のなか、復興キャンペーンイベントに駆り出される。胸が張り裂けそうだ」。悔しさをにじませる椎名さんだが、泣いてばかりはいられない。告訴団も立ちあがった。「原発は止まったんじゃない。私たちが止めたのだと確認しよう。どんなことがあっても子供を守る。そんな親の姿勢を見せることが、何よりのプレゼントだ」。

神田香織さん(上の写真)は、経産省テント広場を訪れた。「私は食いしん坊だからハンストは付き合えない。でも大好きなお酒を断ってみなさんと付き合う」と笑いを誘った。教室の生徒を後ろにひかえ、「カツオも筍も、おいしい旬の野菜が取れても食べられない、売れない。こんなことはこれで最後にしよう」ときっぱり。

■政府を倒せなかった責任を心に

集会の最後に落合恵子さん(上の写真・左)がアピール。自身はろっ骨を折ったというが、「暑さは大丈夫ですか。水を飲んでください」と参加者の体力を気づかう余裕を見せた。

「原発ゼロで迎えた子どもの日を、心から歓迎しよう。これがずっと続くことを自分と約束しよう」。「先日、憲法記念日を迎えた。この国の歴代の政権は、生存権と平和をずっと脅かしてきた。それを倒すことができなかった私たちの責任も、しっかり心に刻もう」。「子供たちと私たちの未来を、ここからスタートしよう。電力不足なんて嘘だよと叫び続けて、さあデモに出発しましょう」。

取材者の多さに圧倒されナーバスになった警察は、規制を厳しくする。かたや飯倉の交差点付近では、右翼団体各社が罵詈雑言の限りをつくし、大音響でデモ隊を罵る。警備当局はそんな無法ぶりを野放しにしている。

参加者は挑発に乗らずに、結婚式に集まる一団に祝福の手を振り、東京タワー真下では、豪快に泳ぐ緑色の巨大鯉のぼりが注目を集めていた。

不安定な天候で連休が続いたが、この日ばかりは最高の五月晴れに恵まれた。「原発ゼロ」を祝福するにふさわしい爽やかさだ。 それでも私たちは、喜んでばかりもいられない。内橋さんが指摘したように、再稼働の準備は着々と進んでいる。この状態を一日でも長く持続させるために、未来の命のために、運動の再出発を期する、区切りの日なのだ。(Y)


Created by staff01. Last modified on 2012-05-06 22:31:07 Copyright: Default

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