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5月7日。東京・渋谷の街を1万5千人の「巨大反原発デモ」が練り歩いた。先月10日の「高円寺デモ」に次いで、市民ら有志がネットで呼びかけた。

小雨がぱらつく不安定な天候の下、集合場所の代々木公園・ケヤキ並木道には、続々と人が集まってくる。 「それでもテレビは言っている。日本の原発は安全です。さっぱりわかんねぇ。根拠がねぇ」 反原発ソングの名曲「サマータイムブルース」がかき鳴らされ、ステージからマイクを向けられた参加者が合唱している。

先頭集団を担うチンドン有志の軽やかなメロディでデモに出発。表参道に入ると独特の音色にひときわ注目が集まる。警察による参加者の細かい分断で、グループ間の距離が大きくなる。

「毎度お騒がせしております」。DJ車でマイクを握るアクセル長尾さんの語りは、あくまで歩行者の目線だ。規制された1車線からはみ出た参加者が、歩道にあふれている。解放感は青山通りで最高潮に達する。

山手線のガードに差しかかると、宮下公園のナイキ化と闘う仲間が大きな旗を振り、手を振って迎えている。 ハチ公前交差点では、「日本侵略を許さない国民の会」なる団体が、日の丸をかざしながらデモ隊に罵声を浴びせてくる。

「中身のない反原発論者は、電気を使うな」「こいつらは極左テロリストだ。黒ヘル集団だ。今日はもう4人も逮捕されている」「われわれは日本の電力を守るぞ」。 行進が終わってもいないのに、なぜ逮捕者の数がわかるのか。写真を撮ろうとすると警官が制止する。隣にいた外国人が「なぜだめなの」と肩をすくめて私に聞いてくる。

巨大スピーカー群が吐き出す重低音が身体に響く。自然にリズムをとる。こぶしが高々と天を突く。注目度は抜群、これこそデモだ。(Y)


Created by Tyok. Last modified on 2011-05-08 09:43:03 Copyright: Default

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