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LNJ Logo 写真報告 : 東電・経産省を許さない!女たちの御用納め行動
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こんな気持ちじゃ年を越せない!〜福島の女たち 東電前で抗議アクション

12月28日、福島から約50人がバスで上京し、東電本社や経産省前で抗議アクションを行 った。名付けて「女たちの御用納め行動!」。各地から300人以上が集まり、東電本社 前は一杯になった。 「原発震災で、環境や生活、人生がめちゃくちゃに破壊されたのに、事故の真相究明や 、東電や政府の責任追及は極めて不十分。それなのに、原発の再稼働や輸出を進めよう としている。とんでもない暴挙。こんな気持ちじゃ、とても年を越せない!東電に、仕 事納めなんかさせない!」という怒りの声が噴出した。

東電本社の入口付近で、次々に読み上げられる抗議文や要請文に対して、東電側は「特 別警戒態勢」を理由に、社屋への入場を拒み続けた。「早朝5時6時に福島を出発したの に、東電の対応は冷たすぎる。今まで、業界団体の対応はしても、被災住民の要請には 答えてこなかった。被災地域での損害賠償の相談窓口には本社の幹部はやって来ない。 末端の社員に任せるのではなく、東電幹部は被災地に来て、直接、被災住民の声を聴く べきだ」。

東電による損害賠償の対象者については、文科大臣の諮問機関である「原子力損害賠償 紛争審査会」で協議されてきた。12月6日の同審査会で、自主的に避難した福島県民約 5万人を含む、避難指示区域外の福島県内23町村の全150万人の住民に対し、妊婦と子 供には40万円、他の住民には一律8万円を賠償する指針が出された。しかし原発事故直 後の放射能汚染の政府情報は数か月に渡って隠ぺいされ続け、「年間100m㏜ま では大丈夫」という県の放射線防護リスクアドヴァイザーの言説が県内隈なく巻き散ら かされ、避難地域指示の基準が年間20m㏜に限定される中で、避難指示地域外か らの避難はなかなか進まなかった。経済的負担、地域社会や職場での人間関係の面でも 「自主的」避難は困難を極め、県内外に家族が離散した状態で避難したケースや、子ど もの被曝を毎日心配しながら放射線量の高い地域に留まらざるを得なかった家族が非常 に多い。

「自主避難に対する原賠審の方針を聞いたとき、最初は月額かと思いました。一回ぽっ きりの見舞金で、国も東電も済まそうとしている。福島県民は皆怒っている」。 「東電は加害企業なのに、被害者面して国に守られている。私たちは何よりも、子ども の内部被曝や健康被害について心配している。そのことについては、政府や東電は全く 答えようとしないし、避難で家族がバラバラになったことに対する損害賠償について、 いつから支払うのか、東電に問い合わせても『マスコミ発表します』だけ。何に対して も責任をとろうとしない、他人事の態度に腹が立って仕方ない」。 冷たい師走の風が吹きつける東電本社前で、参加者の怒りの声が渦巻いた。

一行は経産省へ移動し、座り込みから100日を超えた「テント広場」に集まった。郡山 市内に在住する14名の子どもの集団疎開の仮処分を、福島地裁郡山支部に申し立てた「 ふくしま集団疎開裁判」支援者から、次のアピールがあった。

「大変残念ながら12月16日に申し立ては却下された。郡山市内の多くの地域で、チェル ノブイリ事故での『強制移住地域』や『移住の権利地域』『放射線管理強化地域』に該 当する放射能土壌汚染が測定されて、裁判所に何種類もの意見書を提出したが完全に無 視された。司法は行政基準に追随するだけで、放射能汚染の現実からも、子どもの健康 被害からも目を逸らしている。ただちに高裁に抗告した。子どもたちの将来のためにも 今後の支援をよろしくお願いします」

また関東地方で母子での避難生活を余儀なくされている「福島避難母子の会in関東」 のメンバーから、全国に散り散りになっている自主避難者6万人をつなげるネットワー クを、2月中に結成する計画が報告された。

経産省前で「会津磐梯山」を合唱し、銀座に移動してチラシ配りを行った。

「今日は約50人で福島からやって来ました。原発事故以降、私たちの生活はすっかり変 わってしまいました。毎日子どもたちの被曝状況や健康被害を気にしながら、何を食べ たらよいのか、何を着たら良いのか、逃げるべきなのかどうなのか、迷い続ける毎日で す。なかなかチラシを受け取って頂けないようですが、福島のことを忘れないで欲しい 。福島の現状を知って下さい。放射線管理区域と同じ空間で、子どもたちが首から線量 計をぶら下げて毎日生活している状況を考えてみて下さい。東京の便利な暮らしは、福 島での発電に支えられてきたのです。チラシを読んで下さい。今までの生活が多くの犠 牲の上に成り立っていることを知って下さい」  短い時間だったが、銀座四丁目の交差点を行き交う人々に問いかけて、一行は福島に 帰るバスに乗り込んだ。(報告・写真=西中誠一郎)


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