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LNJ Logo レイバーネットTV第16回放送「原発震災とメディア」・テキスト記録
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News Item 0707text
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以下は、7月7日放送のレイバーネットTV第16回放送「原発震災とメディア」の全テキスト記録です。ご活用ください。作成=ゆか。

*なおアーカイブ映像(94分)は、以下でご覧になれます。
http://www.ustream.tv/recorded/15846470

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

右:土屋トカチさん
左:松元ちえさん

土屋:今日は「原発震災とメディア」を取り上げていきます。
ゲストにフリージャーナリストの山口正紀さんをコーディネータに迎え、
同じくジャーナリストの上杉隆さんと、双葉郡川内村村議、西山千嘉子さんからお話を
伺います。
20時15分頃からの予定です。
ワンポイント英会話レッスン。
今日は七夕ですが、英語では?

松元:ありません。

土屋:貧困ジャーナリズム特別賞を受賞しました。
http://www.labornetjp.org/news/2011/0630hokoku2 (授賞式アーカイブあり)
レイバーネットTVみんなでもらいましたので、抗議の電話や攻撃しないように(笑)。
これを励みに益々がんばっていこうと思います。

松元:今日は上杉隆さん、西山千嘉子さんにおいでいただいているので、どしどしツイッター
などで意見、質問お寄せください。

【ニュースダイジェスト】

尾澤邦子さん

・1047名の解雇撤回、JRへの雇用を求めた24年間の闘いが終結
6月24日夕方、東京・飯田橋で、被解雇者の原告10数名を含む約100人が集まり、
国鉄闘争共闘会議の総会が開かれました。
冒頭、二瓶議長は
「22日に政党関係者から『JR雇用はゼロ』と聞かされた。
不満だがもう展望はない。
この結果は、政治窓口をやってきた私の責任が大きい。
残念だが、先ほど開かれた原告団総会でも全会一致で闘争終了を確認したので、
共闘会議も闘争を終結し、6月30日で解散したい」
と提案がありました。
出席者からは
「政府JRの対応がひどいのは予測できる。
それより、この大事な1年間に何の大衆運動もしてこなかったことが納得できないし、
釈然としない」
また
「雇用を拒否したJRに抗議すべきだ」
などの意見が出されましたが、結局、闘争終結・解散が決まりました。
四半世紀に及ぶ国家的不当労働行為との闘いは、裁判所での一部不当労働行為認定・
金銭和解・雇用ゼロで最終決着しました。

・ジョニーH、疋田哲也さんの裁判
疋田さんは、小平市小平第五中学校の理科の教員をしていた2004年2月23日、教員
として不適格とされ、突然分限免職(=解雇)されました。
理由は、ユニークな授業・実験に使う教材や、部活・文化祭・地域の教育活動などに
使うものが私物であるとして問題にされたこと、ソフトテニス部でのある日の体罰、
また末期ガンの父親を介護するための自動車通勤などがあげられました。
疋田さんはこの不当な処分の取り消しを求めて人事委員会、東京地裁、東京高裁で
争ってきました。
6月30日、疋田さんの控訴審の判決言い渡しが東京高裁(設楽隆一裁判長)で行われ、
傍聴席(48席)を埋め尽くす支援者が駆けつけました。
結果は「本件控訴を棄却する」という不当なものでした。
判決内容は、昨年の東京地裁判決以上に都教委の以降に沿った、いやそれ以上に深刻
な内容です。
事実でないことを並べたて、命令に従わない者は、自分の意見、主張を言うことがで
きないという論理です。
弁護士の津田玄児さんは記者会見で
「生徒にとってプラスか否かはどうでもよく、命令に従ったか否かだけが処分の基準
になっている。
これはとても危険なことだ」
と語りました。

・即刻朝鮮高校に「無償化」を!6・23集会、1000人参加
6月23日、東京の豊島公会堂において、朝鮮高校への無償化を要求する集会が行われ、
1000人が参加しました。
昨年4月、全ての高校段階の生徒の学びを保障するための就学援助金としてスタートした
高校無償化ですが、朝鮮高校のみ排除されています。
日本政府は排除の理由として朝鮮半島における軍事衝突を挙げ、手続停止となっていますが、
外交問題と教育を切り離すという政府・文部科学省の方針とも矛盾しています。
主催者を代表してあいさつに立った長谷川和男さんは、無償化を求める1万1千筆の署名を
文部科学省に提出してきたことを報告し、即刻無償化を実現していきたいと強く訴えました。
朝鮮高校のシン・ギルウ校長は
「3月の卒業式では、昨年懸命に闘ってきた子どもたちを思い、涙を禁じ得なかった」
「奪われた言葉と文字を取り戻すことが民族教育だ。
無償化からの排除は、在日朝鮮人の子弟から言葉と文字を奪うことだ」
と訴えました。
パネルディスカッションでは、地方自治体でも初中級部を含めた朝鮮学校への補助金が
停止されるという差別が起きていることなどが話されました。
また、無償化の手続き停止には法的根拠がなく、今後裁判に持ち込まざるをえないのでは
ないかと話されました。

【不満★自慢】

《許さないぞ!便乗解雇》

右:ジョニーHさん
左:乱鬼龍さん

ジョニー:震災がらみの労働相談をいくつか紹介。

病院勤務の方。
「3月11日震災の際、交通機関がなく、届出欠勤したが、翌日出勤したら上司から
『どんな手段を使っても出てこい』
と怒られ、それ以降、彼らは冷たい態度をとっている」
気にしないで頑張りましょう!

有給とらせろデモ@ツイッターで以前
「有給絶対取るぞ!」
と公約しましたが、取りました。
2つの枠に非常勤勤務しているが、1日ずつ2日間有給を取って憲法寄席に出てました。(笑)

有給休暇が震災後なかなか取れない。
「6ヶ月経ったので、有給休暇が発生すると期待していたら、会社から
『計画停電などで規定の日数に足りないので、まだ有給休暇はない』
と言われた」
だまし討ちですね。

「震災を理由に会社が3月25日からアルバイトを認めた長期自宅待機命令を。
その間有給休暇を申請したが、
『アルバイトしてんじゃねえか』
と有給休暇は認められない」
テキトーなこと言われてます。

正社員の方。
「結婚する相手の国で結婚式を挙げるため有給休暇を申請したが、会社は
『計画停電もあり、難しい』
と認めてくれない」
なんでもオッケー。(笑)

業績不振の問題。
「銀座のレストランで働いています。
震災で売り上げが激減し、対策として日曜日のランチ販売を始めました。
休日出勤、割り増し賃金支給はない。
労働時間も大幅に延長され、全く休憩時間もなく過労状況が続く。
仕事もない、売り上げがないと言いながら労働時間だけはある、怪しい」
大丈夫なんですよ。

仙台のレストラン。アルバイトの方。
「深夜働いても、
『震災のため深夜手当ては出ません』
と言われた」
逆じゃんか!
経営者のトリックにひっかからないようにしましょう。

府中のアルバイトの方。
「会社から
『節電で仕事を縮小するから5月末で解雇』
と言われました」
これぞ便乗解雇。

ということで今日は便乗解雇をテーマに曲を作ってまいりました。

ステージ側は0.14マイクロシーベルト。
観覧側は0.09マイクロシーベルト。
その差はなんでしょうね。

乱:「便乗の夏は 悪乗り し放題」
夏なんで、サーフィンと乗りをかけて。

「何となくしわよせ (元歌:なんとなく なんとなく) 」

(1) ゆれのあった その日から 何となく しわよせ
何となく 何となく 大声あげて 叫びたい
地震の前から 不景気なのさ
業績不振は ゆれのせいじゃない
ゆれのあった  その日から 何となく しわよせ
何となく 何となく 地震装い 便乗解雇

(セリフ)
困っちゃったんだ 突然クビになっちゃたんだ
しかも なんとなく

(2) もれのあった その日から 何となく しわよせ
何となく 何となく 大声あげて 叫びたい
風評被害は 関係ないさ
もともと評判  あまり高くない
もれのあった  その日から 何となく しわよせ
何となく 何となく 原発事故の  便乗解雇
           
(セリフ)
テレビやラジオが風評被害風評被害と言ってホントの被害を隠すし
お国のために我慢しろ、そうすればよくなる なんて言うけれど
そんなの みんな嘘っぱちなのさ

許せない 便乗解雇 大声あげて 叫びたい
許せない 便乗解雇 大声あげて 叫びたい

(ご一緒に)
許せない 便乗解雇 大声あげて 叫びたい
許せない 便乗解雇 大声あげて 叫びたい

ジョニー:今日乱さんがデモで書いた句を。

乱:「玄海も もう限界と ぶち切れる」

ジョニー:「替え歌を募っては?」という視聴者からの声があり、もういくつか来ています。
東京・笑い茸さん。
エチゼンクラゲさん。
京都・としゅさん。
池袋・わかち愛さん。
愛知・伊藤あつしさん。
名古屋・えふでささじまさん。
から、続々と届いております。

是非12月のレイバーフェスタでご披露していただければと思っております。
レイバーネットTVで、こんな音楽企画、なんてありましたら是非お寄せください。
レイバーネットTVはまた9月から再開予定です。
もしこのコーナーが無事その時あれば、またお会いできると思います。
その時はよろしくお願いします。

【特集 原発震災とメディア】

右から:土屋トカチさん、上杉隆さん、西山千嘉子さん、山口正紀さん、松元ちえさん

松元:レイバーネットTVは、3月11日以降震災特集として様々な角度から問題を取り上
げてきましたが、今日はまとめとして「原発震災とメディア」を取り上げていきます。
ゲストにフリージャーナリストの山口正紀さんをコーディネータに迎え、同じくジャー
ナリストの上杉隆さんと、双葉郡川内村村議、西山千嘉子さんにおこしいただいています。
よろしくお願いします。

山口:3月11日からレイバーネットTVでは原発特集をやってきたんですけど、その中で大
きな問題として、マスメディアの報道が本当のことを伝えてきたのか?という点、いずれ
の回も大きな問題になりました。
今日はそれについて現地、場所は、半分くらいが20km圏、その後30km圏に殆ど入っている
双葉郡川内村で村会議として活動されている西山千嘉子さん、彼女はその後家を失って転々
としながら活動されているんですけども、この方から、被災者にとって、原発震災報道は
どうだったのか?あるいはどうあるべきなのか?ということをお伺いしたいと思います。
それからもう1人、皆さんよくご存知だと思うんですが、フリージャーナリストの上杉隆さんです。
ツイッターでは、20万人?くらいですか?

上杉:今23万1千人くらいです。

山口:大人気です。
私も前から存じ上げておりますけど、20年くらい前。
元々ニューヨーク・ タイムズ東京支局記者やられてて、その後フリーになられてからは官邸
の問題、特にジャーナリズム、記者クラブの問題を中心に批判されている。
今年になって、自由報道協会というのを作られて、その後原発震災が起きて。
以降、官邸から出される情報、非常に制約されてしまう、あるいは大手メディアがそれを独占
して出さない、という問題を指摘されてきました。
今日はお二人に、情報を受け取る側、発信する側、両方からマスメディアの問題についてお話を
お伺いする。

山口:まず西山さんから。
2007年に村会議員になられて、川内村とは人口3000人の小さな村なんですけど、その中で村会議員
12人中、たった一人の反原発議員として活動してこられて、そして今回震災に遭われたわけですね。
3月11日から、大体15日くらいまでの間に、あの一帯には大変な放射能が落ちてしまったわけで。
その時、西山さん自身が、どのような形で震災を経験されたのか。
あるいは原発や震災のことを、どんなふうに知られたのか。
そしてどのように避難されたのか。
11日から15日のあたりのことをお伺いしたいのですが。

西山:11日は丁度議会が終わった直後だったんですね。
私も携帯をしながら屋上にいたんですが、その時に揺れが始まりまして。
それでこれは大変だ、と。
つかまりながらこう、いたところが、物置の瓦がバラバラっとおっこってきた、そんな感じだったんで、
これは大きいな、と。
議会は終わったので、家に帰りました。
家に帰ったところでTVを観ましたら、仙台空港に津波が押し寄せてきた。
それを観た時に、「ああすごい地震だったんだ」とその時初めて思ったんですね。
次の日、防災無線から、隣町の原発立地の富岡の住民たちが避難してきますよ、ということで放送が
あったんですよ。
私も外科医やってますから、村の様子を(回診で)見回りながら、お昼過ぎ、2時か3時頃ですかね、
富岡から上がってくる、原発の作業をし終わってくる車が来たわけなんですね。
その時私も何気なく見たところが、防護マスクをしながら、すごい格好で来たんですけども。
私が真正面を見たら、(車の中の作業員たちは)下を向いたんですね。
その時に「あれっ?」と思ったんですよ。

山口:見られたくない?

西山:下を向いて、観られちゃ困るな、という感じで下を向いたので、「えっ?」と思いながら
ずっと見ていたら、もう一台来たんですね。
で、同じように防護マスクをしながら、下を向いたんですね。
その時、「もうこれは大変なことだ」と思ったんですが、村としては受け入れに一生懸命だったんです。
それで原発の危険性は全く発信されなかったですね。
家に帰れば、TVからは「ただちに影響はない」ということなんですね。(笑)

松元:東電の人たち皆マスクしてるのに!普段はしてないんですよね!

西山:そうなんです。
何で?と思いながら。
TVでは「何でもない」ということを枝野官房長官が言うわけですよ。

土屋:現場で起こってることとえらい違いますよね。

松元:東電の人たちは一体何だったんだろう、そんな感じですよね。

西山:そうなんですね。
あれは私の勘違いか?とかね。(笑)
あー大したことなかったのかな?と思いますよね。
それで、13、14と爆発が起きますよね。
12日は妹が避難してきたんですね。

山口:妹さんは富岡なんですか。

西山:富岡住民なので、避難してきてて、爆発と聞いた時に私は、もうこれは危ない、と。
直感ですよね、それはもう。
危ないとは誰も言わないけど、私は危ないと感じたので、親と富岡から来た妹夫婦の家族を、
「とにかく、もう今日は離れたほうがいい」
ということで、私自身は残りましたけど。
15日の朝になりましたら、住民の方から、避難はどうなってんだ?と。
もう全く情報がないから、わからないわけですよ。

松元:TVでも新聞でも、大丈夫、って書いてあるわけですか。

西山:ネットは使えましたけど。
村外移住してきた方たちが100人ぐらいいらっしゃるんですけど、その方々から、どうなった
んだ?と言われたので。
まだいるんだったら、様子を言っていかなきゃいけないな、と思って行ったら、その方はもう
既に避難していなかったんですね。
そういう方は危険性を知っていますので、いち早く移住された方は反原発派なので、危ない!
と思ったらもうさーっと。
危ないと感じるわけですね、反原発だと。
私が戻ってきたのが11時頃だったんですね。
その頃に自宅退避してください、という防災放送が入ったんです。
あ、これはいよいよ危ないな、と家に戻りましたら、3号機が爆発した後だったんですね。
危険だ、ということは何も入ってこないけど、TVからしか報道は入ってこなかったんです。

山口:結局11、12、13、14、15とこの一番危険な5日間、殆ど村自体からの情報はない、
TVではただちに危険ではないと言っている。
そうするとごく少数の、ネットをしてる人だけが危険情報を知った、と。

西山:はい、そうです。

山口:(ネットユーザーは)3000人のうち何人ぐらいいらっしゃる?

西山:150人か、…そんなにいるかどうか…わからないですね。

松元:一握りですよね。
で、殆ど村外からいらした方ですよね。

山口:河内村の殆どの人はそういう状況におかれたと。
わかりました。
3月11日から15日、上杉さんはどんな風な活動をされていたのか?
特に官邸記者会見問題、色々大変だったようで。

上杉:丁度その4日間は、自分の実際の仕事を止めて、官邸のほうに陳情じゃないですけども、
「記者会見をオープンにしてくれ」
という、実力行使じゃないですけど、電話をかけまくって、約100時間。
それはかつて民主党の議員秘書をやっていたということもあって、枝野官房長官や、福山官房
副長官、細野豪志、当時はまだ秘書補佐官だったのかな?
それから官邸サイドのいわゆる報道室、笹川内閣広報室長、西森昭夫首相官邸報道室調査官、
10何年間も議員秘書の後、ニューヨークタイムズ以降に官邸取材を重ねてたんで、知人というか、
知己もたくさんいたんで、私が自由報道協会の窓口として、1人、一旦仕事を止めて交渉しま
しょう、と。
そして、FCCJ、外国特派員協会も含めて、そしてネットも含めて、全メディアのいわゆる窓口
として交渉します、と。
というのも、やはり官邸も、相当な大砲を、体制をしいてるんで、全員が電話すると逆にこれは
迷惑だろうと。
そのやさしいことが結果的に仇になったんですけど。(笑)
せっかくやさしく接してあげたのに裏切られました。
結果、金曜日発災があったわけですよ、2時46分。
で、実は3時から官房長官の定例オープン会見、やる予定だったんですが、何故か定例の時だけ
に限って、非常事態だからやんない、という全く本末転倒なことを言って。

松元:逆じゃないの?(笑)

上杉:ほんとにそうなんですよ。
海外メディア、ネット、フリーは出されちゃったんです。
で、枝野さんに、それ逆でしょ?ということをそこからずーっと言い続けるんですね。
国会脇に車停めて、電源引っ張って、で暇があれば電話して。
民主党の他の議員にもお願いしたような形だったんですが、結果はまあ、一部改善されたと、
その100時間で。
その一つには、もうアウトプットしないんだったら、海外メディアはもう絶対風評とか誤報
が出るから。
要するに自分で取材拒否しといて、正しく書かない、というわけのわからないことに。
だから海外メディアだけでも入れてくれ、とか、あるいはネットメディアとか、ニコニコ動画とか、
ユーストだけでも入れてくれ、と言ってて。
それも出来ない時は、じゃあツイッターでアカウント作ってくれ、と。
ツイッターアカウントを作って、それをリツイートしたりして、自由報道協会の面々も、そう
やれば政府の発表が地元に届くかもしれない、と。
ツイッターやってる若い人たちが、年配の方に、こうだよ、って教えられる可能性もある。
ツイッターは発災直後から一秒たりとも落ちてないんですね。
一秒も、ですよね。
発災直後、地震が起こってから。
だから、もしかしてそこが、文字通りライフラインになるかな、と思ってその気持ちでツイート
してくれ、と言ったら、アカウントを作ってくれて、14日に。
今もありますけど、@Kantei_Saigai、官邸災害、なんですよ。(笑)
これは素晴らしいな、と、逆に言えば。
これは予言しているのは、まさに官邸が起こした災害と。
あれ、正直な。
で、結果、翌日に海外メディア一部入って、翌日にネットのニコニコとユーストの一部、神保哲生
さんとかのビデオニュース・ドットコムとかが入って、それで結局終わりでした。
だからフリーの私はまだ未だに入ってない。
というのが100時間の動きでしたね。
翌日から諦めて、東京電力の本館会見に1ヶ月くらい通いだすんですが。

山口:今のお二人のお話聞くと、非常に大事な時期に、一帯の一番影響受けやすい人たちが、
情報難民におかれたと。
TVが映っていても、肝心なことは伝えない。
ネットをやる環境にある人は非常に少ないと。
TVからはきちんとした情報が流れてこない。
新聞ももちろん流れてこない、という状況におかれた、ということですね。
西山さん、お伺いしたいんですけど、西山さんはその後、ご自身もそこから離れて、避難され
るわけですね。
避難された後、村会議員としてどんな風に活動を?
3000人ぐらいの村民が、バラバラになってしまうわけですね。
村民の置かれている状況、特に原発事故について、村民の方々がどんな風に受け止めているのか。

西山:その前に先ほど抜けた所を。
16日に、全村避難ということで、何人かは残りましたけど、結局16日の夜までには、皆さん
避難したんですね。
それで私は最後まで、自分の行政区を見たいと思って、最後、7時頃に家を出て、自分の避難先は
仙台の息子の所があったので、そこに行く時に、途中自衛隊の頑丈な…

山口:装甲車?

西山:そうですね。
それが3台か4台くらい停まってまして、その時に着替えてたんですね。
停まって、多分。私は走ってたからわからないんだけど。

土屋:車の中で?

西山:うん多分。
ここから先は危ないから、行く時はこの防護服で行きましょう、という、多分そんな所を私が目撃し
ちゃったんじゃないかなと思う。
しちゃったんですよね、悪い所を。(笑)
それが16日だから、その時にはもう既に汚染。

山口:村民は何も(防護服)なしで、ほったらかしでしょ?

西山:なしですね。
結局自治体もそんなに詳しいことはきっと教えてもらってないですね。
私らは4月の7日に説明があった時に、こういうことがありました、ってことは聞きましたけど、
自治体ももう必死ですね。
避難することとか、他の町から来てるわけですから、そちらで頭いっぱいって感じで。
その対応に追われてた、という感じですね。
で、私は避難して、仙台ですから、行ったら帰って来れないんですね。

山口:ガタガタだったですからね。

西山:ガタガタだったし、燃料もないんですよね。
避難する時に既に並んでましたから。
その後更にひどい状況になって、なかなか燃料を手に入れることができなかった。
しょうがないからいつまでもいられない、ってことで、2日、泊りがけで、夜11時頃車で寝て
(燃料整理券の列に並び)、朝整理券を持っている方は20リットルなら20リットル入れられる。
2晩かけてやっとこさ(燃料を)入れました。
それで30日にビックパレットに行きました。

山口:村民の避難先ですね。

松元:今は福島のビックパレットには河内村の方たちは何人くらいいらっしゃるんですか?

西山:今はもう少なくなりました。
仮設住宅とか、ああいうところは長い間いるとプライベートも何もないので、各ホテルとかに分散して。
それも仮設住宅が、なんとまあ郡山だったりね。
結局それってすごく問題だと思うんですね。
私自身は想定して、県外避難が必要じゃないかと思ってたんですが、やはり国からの流れですから、
自治体は対応に慌ててた、と。
今は県内に2000人くらい。

山口:1000人が県外に出ていると。

西山:そうですね。

山口:県外でも皆さんばらばら?

西山:バラバラですね。
その時には情報がなかなかつかめなくて、後はTVでテロップ流れてるから、それに皆さんが電話
をかけて、ここですよ、ということだったと思うんですね。

山口:3月あたり、その間、TVではいわゆる御用学者という人たちが各局出てきて、直ちに影響
はない、直ちに心配はない、とかね。
直ちに影響出たら大変なことになる。(笑)

松元:言わなくてもわかりますよ、みたいな。

西山:それで、今になってから言われてますけど、20ミリシーベルトに上げましたよね、年間の。
それがその頃上げられたんですね。
SPEEDIの情報がストップされましたね途中で。
あれがストップされて、1回出たんだけど、やめってことで出てこなかったんです。
なんかそれは県の方でストップしたんじゃないか、というネット情報で入ってきた。
県ということは県知事ではないかと。
そういうことなので、私らはほんと信じられなかったですよね。
県民を守るのが県。
私たちは守られてない。

上杉:佐藤雄平さんの場合は本当に、後から取材してると、全部どうして滞ってるのかなと思うと、
最後行きつくんですよ。
前の佐藤栄佐久さんと違って、佐藤雄平さんって、選挙出た時に原子力村、特に東電、電事連の
事実上の支援、お金も選挙も人も。
渡部恒三さん、元通産大臣の政策秘書というか、右腕だったんですね。
私は秘書時代、秘書会の会長で、よく怒られてましたけど。(笑)
そういう利権構造に関しては、当たり前のように考える人なんで。
今回やっぱり、今仰った部分ですね、SPEEDIもそうですけど。
あと20ミリシーベルト、あれも調べてると、これ確定じゃないですけど、最初佐藤雄平さんが
100ミリシーベルトって言ってるんですよ。

土屋:もっとすごいな。(笑)

上杉:その妥協点で、1ミリと100ミリで、20ミリシーベルト。(笑)
ほんとびっくりするようなことをやってるなと。
秘書時代のいじめられた恨みを個人的に晴らしてるわけじゃないんですけど。(笑)
いじめられてません。

山口:知事がそういう状態。
村長さんもまた推進派でしょ?

西山:自治体は、周り、双葉郡も皆さん一緒ですね。

松元:反対してたら原発建たないですもんね。

西山:その自治体だけ反対なんてできませんよ。
皆さんおさえられてますから。

山口:西山さんが、「村議 ちかちゃん」( http://blogs.yahoo.co.jp/chikako_5155 )
というブログを移動する車の中で発信されてるのを知ってびっくりしたというか、感動したっていうか。
やること自身は大変だったんじゃないですか?

西山:去年あたりからブログを書きましたけど。
震災の時に、ブログをしたいんだけども、と思ったんだけど、そしたら携帯でできたんですね。
それで私、あれ!そうかできるんだ、と。
一生懸命(色々なボタンを)押しながら、何回かブログ発信しました。
その辺から私大手メディアとかTVなんか全く信用できない、と思いましたね。
後はもうネット情報。
ずっとネットで、情報を得てました。
ですのでほんとにそれを知らなかったら、全て闇の中、というか、色んなもの含めて。

松元:現地でいらしてて、大手メディアの報道と、ネットで見られた報道、両方見てどう違う?

西山:全く違いますよね。

松元:どうしてネットは信用したんですか?

西山:去年辺りから検索してまして、自分この歳で珍しく(ネットをやっていた)。(笑)
この歳で出来る人なかなかいないよ、って言われて、あ、そう?なんて感じなんだけど。(笑)
一生懸命やって、ブログと検索のみでやってきて、結局それができたって。
一回わかると、全て色々繋がってくるので、更に更に奥深く知ることができる、いろんな方面で
知ることができるので、これ以上の情報発信はないな、と思いましたね。
なので大手の新聞やTVは全く観る気がなくなってしまって。

山口:上杉さん、東電会見に出られて、色んな質問をされる。
その時の会見の模様、大手メディアの記者たちのありよう、何故大手メディアは信用できないのか、
情報の出所側からお話してください。

上杉:東電会見今思い出してもウンザリするような思い出、思い出にしちゃいけないんですけど。
3月11日の発災直後、12、13、14から官邸行って、15日くらいから東電会見にずっと。
24時間、殆ど通うわけですね。
その中には自由報道協会のメンバーである日隅一雄さん。
あるいはメンバーではないんですが事実上準メンバーみたいな、色々協力していただいている
木野龍逸さんとかですね。
あるいは田中龍作さんも含めてフリーランスはいたんです。
そのフリーランスの記者がわずか数名。
そして海外メディア、赤旗の記者、これまあ6〜7人ですね。
この記者たちと、あと残り300人くらいいる、大手メディアの記者たちで全く、同じ場にいるのに
やってる仕事が逆なんですよ。
具体的に言うと例えば、メルトダウンは3月12日から起こっているだろう、と質問する。
東電が嘘をつく。
放射性物質が出てるじゃないか。
また嘘をつく。
避難はさせないのか。
嘘をつく。
清水社長はいつ出てくるのか。
これもまた嘘をつくという繰り返しなんですね。
その中で、3月17、18くらいから、格納容器が壊れて、ピットの方もひびが入ってるんで、どうも海
に汚染水が流れてるんじゃないかという点で追求を始めるんですね、フリーランスが。
そうすると、チェーンクエスチョンっていうんですけど、夜中ずーっと聞いてるわけです、
終わらせないために。
そうすると東京電力の担当者も5〜6人出てくるんですが、答えられないからちょっと確認させてください、
といって、1階から2階のオペレーションルームのほうに戻るわけですね。
そうなると水入りみたいになるんですが、それを繰り返してたら、いつも夜中の2時3時になりますが、
また放射能のデータを見ながら、おかしいじゃないか、漏れてるだろ海洋に、と突っ込んだわけですね。
そしたら後ろのほうから、
「もういいよ!その質問は!」

松元:もういいってどういうことですか。(笑)

土屋:誰が言ったんですか?

上杉:えっ?と思って、
「お前たちの会見じゃねえんだぞ!」
って、振り返ると読売新聞の記者でした。(笑)
山口さんではありませんでした。(笑)

土屋:元古巣の人がここに。とんでもない後輩ですね。(笑)

上杉:普通だったらそういう時って、公権力に対しての隠蔽情報を団結して、海外のメディアにも
僕いましたけど、いつもはケンカしてますけど、ライバルですけど、そういう時は共闘するわけですよ。
ところが日本は、逆に相手側についちゃって、まずビックリするんですね。
それから、勝俣会長がやっと出てきて初めての会見で、田中龍作さんがですね、
「3月11日に何してたんですか?会長は」
具体的に聞くわけです。
この大事な時に指示が出なかったって。
清水さんは奈良に旅行に行ってて。
「勝俣会長はどこですか?」
と言ったら、そしたら中国に旅行へ行ってたんですって。
そらまあしょうがないですよね、旅行は行きますから。
「誰と行ってたんですか?」
そしたら、マスコミ、つまり大手メディアのOBなんですよ、それから幹部。
つまり接待旅行だったわけですね。
後から調べてわかったんですが、一人5万円なんです。
5万円でファーストクラスかビジネスクラスに乗って中国行って、一週間5つ星のホテル回って、
おいしいごはんを食べて、中にはゴルフをして、うらやましいけどゴルフをしてる人もいて、
私にはそういう誘いは来ませんでしたけど。
一週間行ってるわけです。
その間に起こってしまったわけです。
行ったことは問題じゃないんですよ。
ただお金を5万円しか払わなかった、あまりにもおかしいだろうと。
結局それでわかるんですが、その質問今度してるわけですね。
誰と行ったか名前を言え!と。
決して言わないんですよ。
ただ接待は認めるんですね。
こちらの方が多く払う、と。
そしたら大きい会見場の後ろのほうで、
「もういいよそんな質問は!どうでもいいだろ!」(笑)

松元:俺も行くんだからそこまで突っ込まないでくれ!と。(笑)

上杉:声がとんだわけですね。
それはニコニコ動画でもユーストのIWJでもアーカイブ残ってますから。
パーンって振ったら、後で皆、教えてくれるわけです。
ユーストで生中継してますから。
それが日本経済新聞の記者だったんですね。
名前忘れちゃいましたけど。
こういう意味ではネットの力ってのは大きかったのは、フリーの記者はこれまでも
同じようなことがあったわけです。
潰されて終わりなんですね。
紙面には1文字も載りませんし。
自由報道協会という名前すら、TBSなんかモザイクかけるくらいですから。(笑)

松元:某報道協会みたいな。(笑)

上杉:そういうのも出ないですね、もうモザイク、完全に。
私はもう完全に見切れないように切れて、綺麗に編集する。

土屋:嫌われてますね。(笑)

山口:TVなんか綺麗に切られてますもんね。

松元:視聴率上がるのにね。出せば。(笑)

上杉:もう1393人ぐらい。視聴率。
そういう意味では、勝手にカットするんですが、ただこういうの観てる人が、これまでと
違うのは、記者会見の内容全部ダダ漏れで知っちゃうわけですよ。
で、何やってんだ!?と。
既存メディアは嘘ばっかりじゃないか、と。
言ってることと、次の日記事になってること、あんだけ嘘ついてる東京電力に対して、
正に西山先生仰ってるように、
「格納容器は健全に守られてます」
「直ちに健康に被害はありません」
「チェルノブイリ級の事故では絶対にありません」
「風評被害を出さないでください」
「プルトニウムはおいしくて飲めます」(笑)
脚色しましたけど。
それを平気で流すNHK以下既存メディアに関しては、これはもう誤報を流すんじゃなくて、
半ば犯罪行為。
強い言葉で言えば、人殺しに加担してんじゃないかと、そういうふうに思ったんですよ。
だからここで負けちゃいけない、と思って、4月6日までは出てたわけです。
むしろ私よりも、今言った日隅さんと木野さんが泊りこみで、フロアーに寝て。
既存メディアはいいんですよ、記者クラブあるから、テーブルあって。
私たちはないんですよ。
だから立ちっぱなしか、床に座るか、フロアに座るか。
こういう形で、とにかく切らしちゃいけない、ということでやってたんですね。
ただ結果は、今出てる殆どの情報は、3月の段階で指摘していたことばかりです。
あの時に、きちんと政府がその言葉に一言でも耳を傾けてくれれば、全く違う結果になった
のかな、と。
それはもう本当に残念ですよね。

松元:ツイッターでいくつかメッセージがあったんですけど。
「フリーランスの記者がいなかったことを考えたら恐ろしい」
「佐藤(雄平)知事は犯罪知事です」

上杉:本当にうんざりするような感じで。

山口:その辺はね、上杉さんは
「大本営発表が甦ったんだ」
と仰ってますね。

土屋:全くそうですよね。

山口:そういう意味では、そういう情報に今も殆どの人がさらされている。
放射能を浴びているように、マスコミ情報を浴びている、と考えたほうがいいっていう気が
するんですね。
西山さんはその後、キャラバン、自分の車で移動し寝泊りしながら。

松元:すごいですね。今でもそうなんですか?

西山:はい。
パソコンとプリンターを持って、シガレットライターから(電源を取って)。
ボロですけどね。(笑)
自由に移動ができるので、今埼玉に親がいて、仙台に息子がいて、郡山に自治体があって、
明日また議会なんですけども。
今私問題なのは、議会やってて、復興復興で東電の問題をおさえようおさえようという。
復興支援、そちらのほうの報道と、後は国と県と地方自治体が一緒になってやってるんですね。
まだ終息されないのに、なんで復興なの?と思いますよね。

松元:まずは原発を安定させてからですもんね。

西山:ある議員さんは、いまおいしい事業があるよ、という話までしてるっていうことなので。

山口:もう復興事業のほうに話がいっちゃってるってことですか。

西山:ええ。
私が若い人たちや子どもたちを移住させたい、という気持ちで活動してますけど、そこに
復興とか、頑張ろう、とかゆう、メディアとかTVとか蔓延してますから、そこで移住って
いう話はなかなか伝わっていかないんですね。
ですのでそれをどうネットの中で、真実を伝えて、そしてネットをしない方たちが、理解
するというか現実を知るっていうことを、いかにするのがいいのかな、というのが今の課題なんですね。

松元:河内村の平均年齢っていくつくらいなんですか?

西山:高齢化が進みまして、35%が高齢化ですか、大体。
で、少子化が始まってまして、ずっと前からなんですけども。
小学校が全校で60人か、70人。

松元:とするとインターネット云々の話ではないですよね。

西山:ないですよね。

山口:一人一人会って、話をして。
ただしかし話をするにしても、なかなか。
村民がバラバラになって、どこに村民がいるかわからない。
村民がいる場所を探すこと自体が大変なんじゃないですか?

西山:そうなんですね。
それを自治体のほうに、村民の住所を(教えて欲しい)、と言いましたら、個人情報だ、と。(笑)
情報公開と個人情報と、これは両方ある自治体は、どうすれば。

山口:村民がどこにいるかを村議が知ることが出来ない、という。

西山:はい。
そうですね。

土屋:個人情報も大事だけど、命が大事だろ。

西山:おかしいじゃないですか。
ですので、情報隠蔽は全く住民とか国民を思ってないですね。

山口:それを受けて上杉さん、大手メディアのお話を聞いたんですけども。
一部、4月、5月ぐらいに入って、東京新聞とか、毎日新聞とか、毎日新聞は社説で政策の
転換だ、と。
朝日新聞は変わったのか変わらんのかわからんようなこと言ってますが。
あるいはTBSの金平さんの所が、6.11デモを中継したりだとか。
一部変わってきたように見えるんですけど。
上杉さんの目から見たら、今の大手メディアの全体の状況はどうですか?

上杉:変わったことはいいことですけど、はっきり言って遅すぎるし、笑っちゃうくらい、
あまりにもひどいな、と。

山口:遅すぎる。

上杉:ええ。
金平さんも含めて。
だったらどうして3月11日に、一秒でもいいからその情報を出してくれなかったのか、と。
そしたら助かった人たくさんいたと思うんですね。
今残念ながら被曝をしてるお子さんたちですね、今回の調査でも。
まあ5月の調査ですけどあれは。
例えば10人中10人がセシウム134の尿検出。
あるいはこれも5月ですけど、文科省の調査ですね。
1000人中45%、450人、これがヨウ素の放射能被曝。
もっと今内部被曝が増えてますから。
そういうことにならないためには、初期対応だったんですよ。
初期対応の時どうしたかっていうと、今名前挙がった新聞の方たちも、日本の中では立派
ですけど、海外のメディアから見たら、当たり前のことをやっていると。
しかも、遅すぎると。
レベルが低すぎる、ということしか言わざるをえないですね。
というのも、例えば3月12、13とか、自由報道協会のメンバーみんなガイガーカウンター
持ったりして、現地入る、そして測って、線量が高くなって振り切れる。
そうするともうこれは危ない、と言い続けるわけですね。
でまた東電会見入ってるメンバー、保安員の会見入ってるメンバー、それから直接自衛隊の、
最初に作業した人間にあたったメンバー、それから関電工の下請けの、250人逃げたうちの
何人かにあたったメンバー。
色んな形で取材して、これは大変だ、ということでみんな発信するわけですよ。
その時どうしたかっていうと、皆現地に入ってるから、海外メディアも含めて。
皆危ない、危ない、と。
これは一旦逃げたほうがいい、と。
別に恐れる必要はないけど、今現在一回逃げよう、と。
大丈夫だったら戻ればいいんだ、ということを発信するんですね。
そしたらそれに対しては、デマって言うんですね、既存メディアは。
デマってなった後どうなるかというと、自分たちは50km圏内から入ってこないんですよ。
要するに、内規があるわけです。
NHK40km、朝日新聞50km、時事通信60km、民放50km。
自分たちは50km以内入っちゃいけない内規のルールを守りながら、当時20kmとその間の
住民たちに対しては、TVや新聞で、毎日安全です、安心です、風評をあおらないでください。
だから言ったんですよ、何人も、会見で。
「安心です、というのも自由だ。
危険だ、というのも自由だ。
情報と言うのは、多様なほうがいいから、あなたの意見を否定するつもりはないけど、
自分が入ってないんで危ないと思ってるんだったら、それも書いてあげて、そして、
『僕は逃げてるけど、安全だ』と書くのが筋じゃないの?
自分の奥さんと子どもをさっさと西日本に逃がし、中には海外に逃がしてるのに、
それで安全だって、自分は入んないじゃないか、と。
だったら自分は入りなよ。
入らないんだったら、
『自分は入ってませんから、危険の可能性はあります』
と、何で書いたり言ったりしないの?」
と言ったら、そのうちの一人はこう言ったんですね。
「え?だってフリーランスとか、うちの製作会社の人間が入ってるから」

山口:東電と全く同じ構造なんですね。

上杉:全く一緒なんですよ。
つまり社員は人間ですけど。
フリーとか海外メディアは人間(じゃない)というか。
放射能に強い、わけはないんですけど。(笑)
扱いはそうなんです。
そうなるとジャーナリストとして、というよりも、むしろ人間の良心としてちょっと
おかしいんじゃないかと。
いうことで、山口さんが最初に仰った新聞も含め、だったら最初にやれ、と。
だから今一生懸命やっても、正直言って私は尊敬もしないし、彼らの仕事全く認めない、
というのが実際の所ですね。

山口:非常に厳しい指摘なんですけど。

土屋:心して聞いてますか、メディアの皆さん、ね。

上杉:金平さんもよく聞いたほうがいいと思いますよ、本当に。(笑)

山口:西山さんは今の話を聞いてどうですか?

西山:私は、最初にきちんと情報を下されば、それに対応する、というのはそのまま
なんですね。
その時に危ないよ、と言ってくれれば、やっぱり危ないんだから今逃げよう、と。
で、帰ってきていいんだな、と誰も考えると思うんですね。
危険だ、ここ今これだけ(線量が)上がってるよ、ときちんと調べてくれなかった。
12、13、14、15。
その日だけでも対応してくれれば。
今になってから15人中15人は被曝してるっていう事実がありまして。
私も被曝してると思うんですね。
それはやはり問題なのは12日から15日の間、ということなので。
その時だけでも正直なことを言って、国民を、住民を守る、という意思があらわれて
欲しかったな、と思いますね。
最近東電の放射線量(グラフ)が爆発の時から出てるんですけど、最初の3日4日は高いですね、
だんだん下がっていって。
この高い時に知ってて、隠したというのはやっぱり隠蔽の体質というんですか、
体質が出ちゃったというか。

山口:東電が隠す。
暴くのがジャーナリズム。

上杉:今言う4日間の、各種の線量も出てこなかったんですよ、ずーっと。
2ヶ月くらいかかったんですけど。
それずーっと、最初から言ってたんです。
日隅さんと、木野さんと、僕と田中さんとか。
それを言ってて、言い続けてきて、既存メディアは一言も質問しないんですよ、出せと。
最初は、ない、って言ったんですよ。
測れなかったと、故障中で。(笑)
そしてやっと5月になって、全部、分毎の刻みで出てきたんですよ。
あるじゃないかと。
そしたらやはり、最初は17日からのが出たんですよ、3月の終わりに。
なんで17日なの?って質問したら、壊れてた、って言ったんですよ。
でも17日から一番高い所持ってきて、下げてんですね。
でも15日が一番酷かったんですね、午前中。
そん時は、おかしいだろ、格納容器の炉圧の下がり方から、と質問しても全然出ない。
既存メディアは、そこ質問しない。
やっと出たといっても、扱い小さいですよね。
どうしてかというと、自分たちはその時安全だ、と安全デマを山下教授含めて流してたんで、
誤報になっちゃうと。
だから今更放射能の線量が、まさか3月14日の午後から3月15日の午前中にかけて、
環境基準の100万倍近くの放射能が出てたなんて口が裂けても言えなくなってるんですね。
でもそれは、完全に隠蔽に加担した、ということでは政府も東電も既存メディアも同罪だ。
共犯関係にあるのかなというふうに思いますよね。

山口:非常に厳しい状況の中で、しかしそれでもやっぱりメディアに対して、要求して
いかなきゃいけないことはいっぱいあると思うんですね。
西山さんの立場から見て、大手メディア、特にTVなんか非常に大きな影響力を持ってると
思うんですが、どんな風に報道して欲しいのか?
希望を言っても空しいんですけど、しかしやっぱり声として伝えていく必要はあると
思うんですよ。
被災者は何を求めてるか。

西山:国民とか住民とか、命を助けるっていう気持ちがあるかないか。
やっぱり人道的というか、そういうメディアの姿が本当にメディアなのか疑問なんですけど。
人間として、ジャーナリストをして欲しいと思いますね。

松元:ツイッターを紹介。
今回のことに関しては、真実が流れたんじゃないか、批判していたのはネットじゃないか、
という話もあったんですが、ネットも規制されているのか、という質問があったんですが。
インターネットの情報が規制されはじている。

上杉:もう法案通っちゃいましたね。
3月11日午前中に閣議決定して、その後発災、震災が起こったんですが。
4月1日に警察庁から7件ですよね。
ネットの削除命令出して、そのうち何件かは受けて。
4月6日に総務省の通達という形で、インターネットのデマ・風評削除、並びに
プロバイダーの停止。
4月?5月?4月の同じ週ですかね?法務委員会に付託されて、一旦廃案になり
そうだったんですが、

山口:いわゆるサイバー 犯罪条約の国内版ですよね。

上杉:そうです。
そしたら5月にもう一回上がって、この前の国会、衆議院、参議院等で成立と。

山口:殆ど議論なかった。

上杉:なかったですね。
一番ビックリしたのは4月1日ですね。
4月1日に警察庁から7件、これデマだから削除しろ、って内容調べてビックリしたのは、
一つは震災発生直後に自動販売機を荒らす人間がいる、と。
デマだと。(笑)
ホントなんですよこれ。
で、ビックリして。
それ、結局削除させられてるんです。
そうなるとこれはインターネットをやられちゃうとですね。
だってTV新聞のほうがよっぽどデマ多いわけですから。(笑)
あと一番の最大デマは官邸にいる枝野幸男官房長官て人がそのままデマなんで、
彼を是非逮捕して欲しいですけど。(笑)
やはりそういう意味では、デマっていうよりむしろ、インターネット、つまり通信の
ネット等のマスメディアから出た情報っていうのは中身を精査することなく、政府、
それから東電を含めた企業体、並びに大手メディアに逆らう情報は全てデマ。
ということが最初から決まったような法律が通ってしまったと。
これに関しては、結構、まあレイバーネットは違いますけど、一般的にネットを
使ってる人にあんまり感覚がないんですよ。
これはとんでもない法案だって。

松元:そうですね。
現地に行って実際に見てるのに、デマだから、と言われても、ホントにデマなのかな、
と思いながらね。

山口:3月下旬に、読売新聞が1ページ使って、「デマ情報に気をつけろ」という特集を
やってるんですね。

土屋:ろくでもない新聞社でしたね。(笑)

山口:悲しくなりましたけども。(笑)

上杉:読売新聞全体がデマになっちゃいましたね。

山口:まあ頑張ってますけどね。

土屋:デマ売新聞。(笑)

松元:ツイッターから。

「新聞、TVだけが情報源の私の母のような人は、どうしたら本当の情報が得られるのか、
情報を届けられるのか」

ネットも使う方と、新聞TVラジオだけしか情報が得られない方と、情報格差があるんで。

山口:西山さんはそれ(ネット情報を)口コミっていう形でやってらっしゃる?

西山:そうですね。
それしかないのかなと。
本当に、伝えたいんだけど、伝えた所で本気にしてくれるかどうかも心配なんですよね。
まあでもしょうがないですね、していかなきゃいけないんで。

松元:でも村議の名前でやられたら。
以前レイバーネットTVに出演していただいた郡山の先生たちも、FAXで地道に
毎日毎日線量を測って流してた方も。

上杉:色んな情報があっていいと思うんですよね。
私も常に言ってるんですが、私が言ってることが必ずしも正しいとは思ってないんで、
間違いしょっちゅうありますし。
ただ色んな、多様な情報があれば、それを選択できる広がりがあるんで。
デマとかになりにくいんですよね。
ぱっと気づいた時に、あ、あっちの情報があったな、と。
ところが日本のように、大本営でやってしまうと、
間違いのほうに行った時に、なかなか元に戻れない。
どこに行ったらいいんだ、と。
これが非常に不健全な言論空間を作ってるんで、これを改善するのが、遠回りですけど、
ここしか道がないのかなと思いますよね。
こういう番組を地上波でやれるような環境があれば変わりますよね。

松元:そうなんですよ!言ってください!(拍手)

上杉:いや私はもう地上波は干されちゃったのでダメです。(笑)

山口:ラジオ番組持ってらっしゃる。

上杉:ああ、ラジオだったらできますよ。
ラジオはTBSラジオは干されましたね。
テレビは殆ど切れました。
ただ、こういうのが、意見が違うのが、違う意見があって当然なんで、この世の中は。
そういう風にやるのがいいんですけど、日本のメディアっていうのは、怖がりなんでしょうね。
恐怖なんですね、自分たちが否定されるのが怖い。

山口:社内でもそうでしたからね。
社内でも意見が違うとか、少数意見っていうのは排除されていく。

上杉:非常にアンフェアな人たちだな、というのは今回、益々。

山口:しかし、そうは言ってられないんで、何とかして。
このレイバーネットTVをはじめ、色んな情報をネットから発信して、それを少しずつ、
今度は口コミで、また広げて、っていうね。
そういう相互作用で今から対決していく他ない。
今回の震災をめぐって、ネットが非常に大きな役割を果たした。
大手メディアの嘘を暴いていく。
そうすると今度はネットを潰しにかかってきた。
それは一つありますね。
もう一つは運動ですね。
6.11の大きなデモ、これを警察が弾圧にかかってきた。
これに対してどう戦っていくか。
色んな局面で、これから本当に力を合わせて戦っていきたいと思ってます。
最後に一言ずつ。

土屋:今の通りなんですけど。(笑)
TBSラジオも干されたというお話でしたが、今なんか文句言いたいこととかあります?(笑)

上杉:別にそういうのはいいんですけどね。(笑)
逆にTBSかわいそうだなと思って。
自分たちで首を絞めると、必ず歴史的に証明されるわけですよ。
もうだいぶわかってきましたけど。
結局自分の首を自分で絞めて、断罪される。
つまり未来とか、将来とか、歴史に断罪されるのは自分なのに、かわいそうだなと思ったんで。
それが心残りではないですけど。(笑)
あと、デモとか、日本だと信号守って停まってますけど、ヨーロッパとかデモ取材行って(全然違う)。

山口:あれものすごい妨害なんですよ。
本当に腹が立つ。

上杉:ただ私自身はデモ取材行かないようにしてるんです。
というのも、余計な所で捕られちゃうんで。
皆さん行ってきてください。
警告も入ってますし。
とにかく色んな人が、色んな形で、バラバラに発信していったほうが、やはりそれはいい
のかなと思いますね。
ツイッターなんかもそうですけど、今日今、ユーストは?
2292人観てるんで、広めていけば。

土屋:リアルタイムでこれだけ観てることはないですね、今まで。

上杉:ネットの広がり方って、時間差でまた広がってくるんで、武器としては非常に、
これまでにない武器ですよね。
ネットがなかったら多分、もう、あっという間に消えてるような言論も、こうやって
多様化の一つとして広がっていくんで。
これはどんどん活用していこうかなと。

土屋:これを消されないようにやっていかないと。
僕らも別に給料もらってやってるわけじゃないですけど。
あがったりですけど。(笑)
大変ですからね。

山口:西山さん、最後に一言。

西山:私も去年からネットを始めまして、本当に今まで知らなかったことがいっぱい出て
きましたので、真実の世界はどっちなのかということがはっきりわかりまして、これじゃあ
この世の中、なんでこうなの、ということになりましたね。
今思いますと、何故政府とか東電とか、隠蔽するのかと。
そこを皆さんこの機会によく考えて、国家の姿とか、自分たちの自治体の姿、上杉さんが
書かれた本「この国の問題点」ありますけど、国をやはり見て欲しいと思いますね。
自分たちが国に守られてるのか、そういうことを含めて。
今回はすごく、ネット社会はもう本当にやめられない。(笑)

上杉:「この国の問題点」じゃなくて私が問題点みたい。
画的に。(笑)

山口:松元さん何かあります?

松元:私も結構大手メディアのこと批判するんですけど、昔大ゲンカしたからなんですが。(笑)
レイバーネットTVでは大手メディアが発信できないこと、しないことを発信していこう、
という努力をしているんですが。
でも、本当だったら、今回のことがなくても、本当は仲間なので、情報を受ける側の人たちに
どれだけの情報をどういう形で、一番いい方法で提供していく、っていうのが私たちの仕事
だと思うんですね。
だから、批判しあってもいいとは思うんですけど、本当はそこを乗り越えて、実際敵である
のは個々人の記者ではなくて。
やっぱり彼ら人間なので、彼らが見聞きしたことを報道したい、伝えていきたい、という気持ちが
あるんですけれども、その上にいる大きい組織である、何々会社とか、そういう繋がりで、こう
いう風に規制されている、または操作されてることもあると思うので、そこを何とか、報道に関わる
情報配信する人間として、どこでどういう風に協力して、受け手の聞きやすいように、必要な情報を
提供しやすいように考えていければいいかなと。
本当はそれが理想ですけれど。

山口:今松元さんが仰ったように。
新聞労連のジャーナリスト・トレーニングセンターという所に年2回、若い記者たちの研修活動に
ずっと参加してきて。
やっぱり、個々の記者たちは何とかいい報道をしたいと思っている。
しかしそれをさせないようなシステムがあるわけですね。
そのシステムとの闘い、というのが大手メディアの中でも、新聞TVの中でもあるわけですよね。
それと連携しながら、こういう番組を、そういう記者たちに観てもらうことが、とても勇気を与
えていくと思うんですね。

松元:本当は感化していかなきゃいけないですからね。

山口:一緒に闘いましょう、一緒の仲間でしょ。
そういうことをこれから是非進めていきたいな、ということを、今日は改めて思いました。
本当にお忙しい中、大変な中、上杉さん、西山さん、ありがとうございました。

【木下昌明の 今月の一本】

木下昌明さん

土屋:すっかりお客さんの気分でゆっくりくつろいでらっしゃったんですけど。(笑)

木下:なかなかいい話で。(笑)
それを後でぶち壊すのは非常に困るんですが。(笑)
それを壊さないようにやりたいと思うんですけど。

土屋:今日は一本じゃないんですね。

木下:はい。
今日は「レイバー映画祭」をやりますので、それを紹介したいとおもうんですけども。
今年は7本ですね、映画の上映です。
そのうち労働問題が主軸になるんですけども、今年は原発問題がありましたので、4本、原発
問題をそろえて上映することにしました。
最も新しいのは、「子どもたちを放射能から守れ!−福島の闘い」というのが正式のタイトルで。
鋭意、ようやく作り上げたような段階で、僕も観せてもらいましたけど。
これは、福島の子どもたちが、先ほども問題になってますけども、母親たちが立ち上がらないと
どうにもならない状況で、そのことを映画で捉えています。
ですからこの映画は、是非日本の子どもを持つ母たちに観てもらいたい映画だと、僕はオススメ
したいと思うんです。
単純に娯楽映画とかゆうんじゃなくて、やはりこれは子どもを持つ母親にとっては、傍観者で言
えることは、犯罪になると思うんです。
自分の子どもに対する犯罪だと思うんです。
だから是非、この映画をとっかかりに、それぞれの地域で、自分たちの活動を始めてもらえれば、
と僕は思ってます。
ただし僕は、この映画祭の目玉と思うのは、約半世紀前に作られた亀井文夫の「世界は恐怖する−
死の灰の正体」ていう映画なんですが。
これを、もう半世紀も経って今上映するのかということ。
ある意味非常に驚いてるんですけども。
これを上映することの大切さを、観られれば、非常にわかると思うんですけども。
正に今の問題、今の問題というよりも、これからの問題をえがいてるわけです。
この映画は、土本典昭さんが、水俣病の土本典昭さん、ご存知ですよね。
あの水俣病も、医学としての「水俣病」っていう映画がありますけども、これに非常に影響を
与えた映画なんです。
ですから、この映画を観ると、
「ああそうだ、土本さんはこういう捉え方をしてた」
ということがよくわかると思うんで、そのことも念頭に入れて、この映画を観るといいと思います。

松元:では予告編。

土屋:3本だけ。
「ハードレイン−パンドラの箱からふりそそぐ放射能」「子どもたちを放射能から守れ!−福島の闘い」
「世界は恐怖する−死の灰の正体」

<「レイバー映画祭」予告編 映像>

土屋:ネズミは死にました、とね。

松元:予告編だけでもショッキングですよね。
最初健康上に問題ありません、て言いながら。

木下:ショッキングといえば、もっとショッキングなシーンがたくさんあるんですけども。
ショッキングというよりも、この映画は、大体20人くらいの科学者たちの協力を得てるんです。
その中には、武谷三男の「トイレのないマンション」という非常に有名な言葉がありますけども。
その武谷三男たちの研究とか、色々協力を得ながらこの映画を作ってるんですね。
何よりも、非常に科学的、実証的に扱っていて。
ドキュメンタリーというと、見えるものを撮るのが普通なんですけども、放射能ってのは見えない
もんなんです。
それをいかに可視化するか、あるものを通じて、媒介しながら、見えるものとして捉えようとする
所にこの映画の特徴があるわけなんですけども。
それと同時に、人間だけに焦点をあててるわけじゃなくて、生物全体の、生態系の問題として捉え
てますね。
だからそこが非常に面白いんです。
ハエとか、ハツカネズミとか、金魚とか、色々個別に実験してるんですけども。
それが、我々はハエなんかより下じゃない、と思ってるかもしれないんですけども、放射能に
とっては人間もハエも同じなんですよね。

土屋:生き物ですからね。

木下:それが見事に重ねられているわけです。
あの時代は丁度、(映画が)作られたのは1957年で、それ以前にはソ連とアメリカの核実験が
盛んに行われた時ですから、非常に恐怖心が強かったわけですけども。
そういう状況の中で作ってますから、ひしひしと我々の中に迫ってくるんですけども。
同時に、今後の我々がどう生きるか、という生態系の問題として、考えさせられる映画に
なってるわけですね。
だから、これからの問題なんですよね。
だから放射能といったら、学者たちが、直ちに…、と言う風に言ってましたけども、実は10年後
20年後、そして子々孫々の問題としてある、ということをこの映画は訴えているわけです。
だから、そのことを考えると、非常に怖い。
怖いんだけど、これは観ていかなきゃだめだ、というのがよくわかる映画です。
そういう意味では、是非観て欲しい映画です。

土屋:これDVDとかになってないですからね、今ね。
なかなか観る機会がないと思いますので、是非会場に来ていただければ。

木下:おそらくこれから、劇場映画になり、かかると思うんですけど。

松元:7月23日、田町交通ビルで、レイバー映画祭が開催されます。

(「レイバー映画祭」7/23土曜10:30〜 田町交通ビル6Fホール お得なメール予約等
詳細は http://unionyes.exblog.jp/ )

松元:今晩のレイバーネットTV、いかがでしたでしょうか。
レイバーネットTV、8月のレギュラー番組はお休みさせていただきます。

土屋:この間面白目玉企画も用意してます。
題して、《原発「御用」大賞》!
を今企画しております。
原子力政策や、原発事故の大惨事には色んな方が関与してきたわけですね。
「安全だ」
「クリーンなエネルギーだ」
皆殺しを企画していた、企てていたわけですけども、そういうでたらめな文化人、有名人の方ね。
企業の方、知識人など、色んな方がいらっしゃいますけど、その方に「御用」学者・芸能人
・有名人・インテリとして、発言してきた人を表彰してしまおうと。
よくぞ世の中をめちゃくちゃにしてくれたと、表彰していこう、ということを企画して
おりますので。
これも別に我々が勝手に選ぶんじゃなくて、みんなで、《投票制》で決めていこうという
企画をしておりますので。
あげるものを何にするかは企画中ですけどね。

松元:そうですね、色んな賞をあげたいと思うんですけども。
以前PARCアジア太平洋資料センターが企画した、「ブラック企業大賞」というのがある
んですけども、それと同じような感覚で。
ツイッターとか、メーリングリストとか、ブログ、ホームページで、皆さんに名前を挙
げてもらって、投票していこうかということですね。
皆無責任な発言して私たち国民を、西山さんのお話じゃないですけど、路頭に迷わせて、
命の危険にさらした。
そういう責任があるということで。

土屋:西山さん、だって移動中ですからね。

松元:その責任を重く感じていただこうかということで、表彰しに行きます。

土屋:我こそは御用学者だ、という方は。

松元:自薦他薦問いません。(笑)

土屋:俺こそ御用学者だ!という方は是非スタジオにも来ていただいて、どんなに御用を
してきたかっていうことをね、とくと話していただきたいと思います。

松元:また正式発表しますが、それまでご注目ください。

土屋:レイバーネットTVでは、《「御用」大賞》含め、これからも大手メディアが絶対
報道しないようなニュースをどんどんご紹介していきますので、今日の番組、次回への
ご意見、なんでもいいのでお寄せください。

松元:レイバーネットTVは皆様の寄付で運営されております。
先日大口のカンパをいただいたんです。
ありがとうございます。
みんなボランティアなんですよ。

土屋:今日、京都のコンノさんという方からもカンパをいただきました。
メッセージ:
「2回観ました。楽しみにしています」
ありがとうございます。

松元:ありがとうございます。
《「御用」大賞》、山下俊一1票、入りました。

土屋:早いな!
超有名人ですもんね。
山下君を抜くぐらいの、我こそは御用だ!と言う人は是非名乗りをあげていただければ
と思いますね。(笑)

松元:スタッフ全員ボランティアです。
この番組いいね、と少しでも評価していただけましたら、少しでも大歓迎ですので、
カンパにご協力よろしくお願いいたします。
番組に寄付していただいた方は、番組最後のエンドロールに流れるので是非ご覧ください。

土屋:今晩もお付き合いどうもありがとうございました。
それではまた9月にお会いいたしましょう。

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