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LNJ Logo 報告 : 木村百合子さんの公務災害の認定を求める裁判
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News Item 0414saiban
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「木村さんが子どものことで悩んでいたことを知らなかった」
  −木村さんの自死当時の同僚、教頭が証言−

 4月14日故木村百合子さんの公務災害の認定を求める裁判の第1回証人尋問が行われ、支援者50名が傍聴にかけつけた。(静岡地裁民事第2部 山努裁判長)

 木村百合子さんは、静岡県磐田市立小学校に新規採用された2004年9月、自ら命を絶った(享年24歳)。その背景には、木村さんが担当していたクラス運営の困難さと新人教師に対する職場や教育委員会の木村さんに対する支援の弱さ(実態把握のなさ、木村さんへの関り方の誤り)、さらには労働条件の過酷さがあった。

遺族は木村百合子さんの自死は公務災害にあたるとして申請したが、却下され地裁に提訴、現在に至っている。

今回の第1回証人尋問では、木村さんが自死された当時の研修主任と教頭が証言台に立った。結論的に言えばこの2人の証言の結果、公務災害申請を却下した「地方公務災害補償基金(以下「基金」)の判断の根拠が完全に崩れたと言える。

「基金」は、申請却下の理由を以下のように述べている。

「平成16年4月以来、木村さんの担当クラスの動静については全職員で見守り、相談を受け、また、当該学年、他学年の教諭は、自分の教室に行くときは、必ず被災職員(木村さん)のクラスの前を通ることとし、みんな、本気になってやっていた等とされており、(中略)指導教諭をはじめ同僚教諭と被災教員との間には密にコミュニケーションがとられていたと考えられる」(「採決書」13ページ)

 しかし「密にコミュニケーションがとられていたとされる」証人から、今回以下のような証言が出された。

原告代理人:「4月の段階で、クラスの子どものことで木村さんは困っていたのではないですか」
元研修主任:「わかりません」
原告代理人:「木村さんのクラスがパニックになっていたことは?」
元研修主任:「聞いていません。ずっと木村さんのクラスについているわけではないので」
裁判長:「あなたはどう把握されていたのですか?」
元研修主任:「4月は、それほど把握していませんでした」

また当時の教頭からは以下のような証言が出された。

教頭:「5月に校長に『木村さんは先生をやめてもらったらどうか』と話しました。教員には向いていないと思いました」
原告代理人:「2週間前に木村さんが記録したクラスの子どもの実践記録をあなたに送りましたがご覧になりましたか?」
教頭:「見ていません」

 これらの証言から、木村さんの自死当時の学校内では、管理職をはじめ同僚までもが木村さんが悩み、苦しんだクラスの実態を把握できていなかったことがはっきりとわかる。

 木村百合子さんの父憲二さんは、裁判後の報告集会でこう話した。「同じようなことが学校では起きていますが、今後このようなことが起きないようにこの裁判が出発点になればと思います。」

 木村裁判は、現在の学校がかかえる子どもに関わる職場体制づくりの課題をはっきりと示している。木村さんの公務災害が認定されることが、全国の学校現場の問題点を解決していく展望を切り開くことはまちがいない。(湯本雅典)

↓報告集会

動画(UnionTube)

*第2回証人尋問 
日時:5月12日(木)13時30分
場所:静岡地裁(JR静岡駅からバスで10分)
内容:証人尋問 ・故木村百合子さんの母、和子さん
        ・学校現場からの証言(木村さんと同じようなクラスの子どもに関わった立場での証言。この証人は前回の裁判で保留になっていたもの。しかし今回原告側からの申請がとおり、証人として採用された。このことは、最近裁判所で原告が申請する証人がことごとく却下されるケースが多い中、闘いの前進の反映といえる。)

次回は、いよいよ原告が申請した証人の証人尋問です。次回裁判が今回の裁判の成否を決めると言っても過言ではありません。一人でも多くの傍聴をお願いします。


Created by staff01. Last modified on 2011-04-15 15:31:19 Copyright: Default

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