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LNJ Logo 塩見孝也氏(元赤軍派議長)の生前葬に200名
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沖縄米軍基地を撤去させる闘争資金集めの企画

 元赤軍派議長の塩見孝也氏の生前葬が24日夜、東京の総評会館に約200名が参加して賑やかに催された。情勢は沖縄で「米軍普天間飛行場の国外・県外移設を求める県民大会」が開かれようとする前夜であった。世間で珍しい「生前葬」はこの沖縄の米軍基地撤去を勝利させる闘争資金集めとして企画された。

塩見孝也生前葬 弔辞を聞く塩見孝也氏
↑ 生前葬で葬儀委員が弔辞を述べる    ↑ 目の前で語られる弔辞を神妙に聞く塩見孝也氏

 塩見孝也氏は、1969年から70年代初頭に日米安保条約に反対する軍事闘争や日航機「よど号」をハイジャックで北朝鮮に渡ったグループの所属した赤軍派の議長だった。ハイジャック事件の責任者として逮捕・投獄され、19年後に釈放された。そして、塩見氏は現在駐車場の管理人として働きながら、憲法9条を守る運動団体「9条改憲阻止の会」で活動している。
 冒頭に60年代からの政治闘争や赤軍派のテレビニュースのダイジェストを見た後、葬儀委員たちが発言した。そのうち映画「実録・連合赤軍」の若松孝二監督は、赤軍派の多くの死者たちの怨念を背負って塩見に成仏を求めた。首都大学の宮台真司教員は塩見との交流を振り返りながら「変革は偏見なくして生まれない」と偏見そのものは否定しなかった。評論家の松元健一氏は後に塩見が主張した「愛国主義」について、エセーニンの詩の一節「私は神よりも郷土を愛する」を引用して、擁護した。こうした擁護発言だけではなく、辛口の批判も多く語られた。古くから友人、三上治氏はイデオロギーと現実のかい離を批判した。また、生前葬の提唱者の一人、下山保氏は、「常識と生活感覚の欠如」の課題の内で「生活者の感覚はまだこれから」と批評した。

若松孝二監督 宮台真司教員
↑ 映画「実録・連合赤軍」の若松孝二監督      ↑ 首都大学の宮台真司教員

松本健一氏 三上治氏
↑ 評論家・松本健一氏       ↑ 古くからの友人、三上治氏

 会の後半、鈴木邦夫氏(民族派「一水会」顧問)の音頭による献杯から沖縄の基地撤去闘争を勝利させるパーティに移った。この日の沖縄デモ参加のため遅れて到着した雨宮処凛氏は、「塩見さんから一度も奢ってもらったことはないが、誘われて中国や北朝鮮に行って、それまでの右翼少女から世界が広がり左翼に転向した」と感謝の言葉を送った。
 最後に本人が「再生した」自分の残る命を9条改憲阻止の会の一員として9条を守る闘いにささげると決意表明。参列者全員が肩を組みインターナショナルを歌って、沖縄からの米軍基地の撤去をともに闘うことを誓って会を閉じた。

塩見氏の再生を喜び献杯 蘇った塩見孝也氏
↑ 塩見氏の再生を祝して献杯     ↑ 蘇って笑顔の塩見孝也氏

 なお、この催しの進行と下支えは塩見氏のミクシー仲間であるインディーズユニオンの青年たちが担った。

   報告・写真 高幣真公(9条改憲阻止の会)


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