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フィリピントヨタ労組、今年も来日
――「やめろ! 海外での組合つぶし」――
http://imadegawa.exblog.jp/14654580/

フィリピンの労働法で
団体交渉開催に必要な
職場の過半数の賛成を得たにもかかわらず
会社に団体交渉を拒絶された上、
233名の組合員が解雇されたとして
国際的に問題となっている
フィリピントヨタ労組の
エド=クベロ委員長らが
9月19日に
愛知県に来県した。
エド委員長や支援者らは
19日から20日にかけて、
トヨタ自動車の国際拠点である
名古屋駅前・ミッドランドスクエアや
豊田市の本社周辺で
10年にわたる労働争議の解決などを
訴えた。

■フィリピントヨタ労組争議とは
フィリピンにある
トヨタ自動車の現地法人・
フィリピントヨタ社では
1998年に従業員らが
労働組合を結成した。
2000年には
従業員による「組合承認選挙」において、
有効投票943票のうち
503票の賛成票を獲得して
団体交渉権を獲得する。

しかしフィリピントヨタ社側は、
この選挙には
課長クラスの105票が
含まれていないなどとして
団体交渉の開催を拒絶し、
翌2001年には
フィリピントヨタ労組の組合員233名を
解雇した。

こうした
フィリピントヨタ社の対応について、
日本のトヨタ労組などが加盟する
自動車総連の
国際的な上部団体である国際金属労連などが
問題視し、
フィリピントヨタ労組の支援を決定。
2006年には
フィリピントヨタ労組の要求を支持する
「反トヨタ世界キャンペーン」を
呼びかけ、
世界45ヶ国で
支援行動が取り組まれた。

これを引き継いで以来9月には、
毎年「反トヨタ世界キャンペーン」が
行なわれており、
今回のエド委員長の訪日は
第5回キャンペーンの一環である。

■「新たに4名が解雇」
トヨタ・ミッドランドスクエア前に立った
エド委員長は、
今年8月、
工場内に残っていた
労組のウェニー副委員長ら
組合員4人が
新たに解雇されたことを明らかにした。
「不当解雇された233名は
 今も正義を求めて闘っている。
 もう10年がたとうとするが、
 トヨタはまた再び
 同じことを行なった。
 トヨタの経営者に言いたい。
 私たちを解雇して
 あなたたちは勝利したと
 思っているかもしれない。
 だが、
 私たちはあきらめない。
 最後に勝利するのは私たちだ」。

また、
今回新たに解雇された
ウェニー副委員長も、
「私たちは
 全く根拠のない理由で
 解雇された。
 私たちのやったことは
 労働者の権利を行使する、
 ただそれだけのことなのに」
と述べた後、
「9月27日から10月1日には
 フィリピンでも
 大規模な抗議行動をやる。
 トヨタの工場や日本大使館前でも
 行なわれるだろう。
 どうか日本のみなさんにも、
 この問題に感心を持ち続けてほしい」
と訴えた。

■支援者「解決すべきときに……」
その後、
支援者らは
翌日のトヨタ自動車本社要請行動に備えて
豊田市に移り、
豊田産業文化センター
で「連帯交流集会」を開催した。

「フィリピントヨタ労組を支援する会」の
小嶋武志事務局長が壇上に上がって
基調報告。
「今まさに
 解決しなければならない時期になって、
 トヨタは何でこんなことをしたのか。
 今、ウェニー副委員長ら
 新たな4名の解雇問題で
 フィリピン労働雇用省の
 調停あっせん委員会が開かれているが、
 会社側の弁護士は
 4人に職場復帰をあきらめる代わりに
 金銭和解をと言ってきている。
 233名も、
 新たな4名も
 金銭でごまかそうということだ。
 今、
 国連の国際労働機関(ILO)は
 この問題に
 大きな関心を持っている。
 また、
 フィリピントヨタ労組を支援している
 国際金属労連も、
 9月の28日から
 アジア地域責任者会議を開催する。
 当然、
 この問題も
 取り上げられざるを得ない。
 現在、
 世界400団体から
 今年のキャンペーンの賛同要請が
 届けられている。
 トヨタ自動車には
 自らの責任で
 速やかに争議を解決しろと
 訴えたい」。
小嶋事務局長はこのように述べ、
フィリピントヨタ労組問題の
早期解決を訴えた。

■「現地の事は現地で」は二枚舌
その後、
地域の仲間からも発言が続出。
日雇全協・笹島日雇労働組合の
大西豊委員長は、
「トヨタは、
 この問題について
 『現地法人の問題は現地で』と
 この10年間言い続け、
 自分自身の問題として
 責任を持って動こうという姿勢を
 見せようとしない。
 しかし、
 先日のリコール問題では、
 豊田章男社長自らが
 アメリカ議会にまで
 乗り込んでいる。
 自分たちの都合の良いときだけ
 『現地のことは現地で』と言い、
 そうでないときには
 社長がすっ飛んでいくのは
 まさしく二枚舌だ」と指摘。
トヨタ本社の
欧米偏重・アジア蔑視の対応を
厳しく批判した。

■「1人より10人、10人より100人」
フィリピントヨタ労組と
支援する会は翌20日、
愛知県豊田市にある
トヨタ自動車本社に対し、
争議の早期解決を求める
申し入れ行動を行なった。
本社に
エド委員長を先頭とする
申し入れ団が入場し、
30分ほどして
申し入れ団が本社から出てきた。

報告を求められた
支援する会の早川寛さんは、
「実は、
 報告すべきことは
 何もありませんでした。
 いつものことではありますが」と
静かに語った。
これまでもトヨタ社側は、
フィリピントヨタ労組や
支援する会の申し入れに、
権限のある役員などには対応させず、
権限のない末端の従業員に
対応させてきたからだ。

エド委員長は、
「トヨタの経営陣は人間ではない。
 2001年に引き起こされた
 233名の首切りにも
 トヨタの社長は満足しておらず、
 新たに4人のクビを切ったのだ。
 トヨタは237名を解雇しただけでなく、
 彼らの生活・人生・家族まで
 破壊したことを
 全く分かっていないのではないか」と
怒りを爆発させた。

「労働者はこれまで、
 フィリピントヨタ社を強固にするため
 大いに貢献してきたのだが、
 会社はそのことを知ろうとはしない。
 トヨタの社長は
 アメリカ議会の公聴会で
 『全てのトヨタ車には
  私の名前がついている』と
 豪語したが、
 これからは
 世界で一番 
 労働組合つぶしを行なっている人物として
 世界的に有名になるだろう。
 私たちは
 1人よりも10人、
 10人よりも100人の団結で、
 賃金・権利・生活のために
 闘い抜く」。
エド委員長はそのように演説した。
(JanJan blog 9月23日から加筆転載。
 写真は撮影:Esaman)


氏名:酒井徹
電子メール:sakaitooru1983@excite.co.jp
ホームページ:『酒井徹の日々改善』
http://imadegawa.exblog.jp/

Created by staff01. Last modified on 2010-09-23 23:06:48 Copyright: Default

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