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「取調べの全面可視化を求める共同声明」に36団体
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アムネスティ日本・事務局

お陰さまで、約1週間という短い期間にもかかわらず、36団体から の賛同が集まりました。本日付で、千葉景子法務大臣宛てにファッ クスとメールでこの声明を送付し、メディアに対しても、全国主要 各紙の記者、テレビ、雑誌などマスコミ各社に対し配信を行いました。 下記、7月1日の時点で取りまとめました共同声明です。 ぜひ、この声明を広げていって頂ければ幸いです。 ---------------------------------------------------------------------     NGO共同声明:取調べの全面可視化を求める共同声明 --------------------------------------------------------------------- 私たちは、法務省が6月18日に発表した「取調べの可視化に関する省内勉強会 の中間取りまとめ」において、可視化に関する議論が後退していることに懸念 を表明します。 民主党は、2009年総選挙に際して発表したマニフェスト2009において、「消費 者・人権」と題する項目を設け、同項目の中で「取り調べの可視化で冤罪を防 止する」と明記しました。千葉景子法務大臣も、このマニフェストに沿って取 調べの全面可視化を進めていくことを表明し、法務省内に勉強会とワーキング ・グループを設置し、可視化に向けた検討を進めてきました。 しかし、2010年の通常国会では取調べ可視化法案の提出は見送られ、2010年6月 に発表された民主党のマニフェスト2010から「人権」の項目が消え、取調べの 可視化に関する記述もなくなっています。 さらに、法務省が今回発表した「取調べの可視化に関する省内勉強会の中間取 りまとめ」では、「被疑者取調べの全面的な可視化の実現を基本」として検討 を進めているとしつつも、全事件の可視化は現実的ではないとし、さらに取調 べの全過程の可視化が捜査に悪影響を与えるとの懸念を示しています。一方、 新たな捜査方法の導入についても検討したいとして、2011年6月以降に検討結果 を取りまとめるという方針を示しています。 現在の刑事司法制度では、代用監獄である警察留置場に身柄を確保した上で、 弁護人の立会いがないままの長期間にわたる取調べが常態化しています。その 結果、自白の強要による冤罪事件など、深刻な人権侵害が相次いで起こってい ます。国際人権基準に沿った適正な捜査・取調べを実現し、人権侵害を防止す るためには、代用監獄の廃止や取調べ時間の制限等による規制とともに、取調 べそのものを監視する体制が必要であり、取調べの全面可視化は必要不可欠で す。後に無罪判決を受けた元死刑囚や2010年3月に再審無罪となった菅家利和 さんをはじめ、様々な冤罪事件の被害者の多くが、自白を強要されるに至った 自らの体験を語る中で、取調べの可視化を訴えています。 取調べの可視化を進めている諸外国では、違法な取調べを抑制し、虚偽の自白 を防止するだけでなく、信用性の高い証拠が作成され、裁判における正確な事 実認定に寄与する効果が見られたとの報告があります。また、国連の拷問禁止 委員会や自由権規約委員会では、繰り返し日本の刑事司法が国際人権基準に明 らかに違反していることが指摘され、取調べ段階での全過程の録画・録音およ び弁護人の立会いを導入すべきであるとする勧告が出されています。 そもそも、法務省の勉強会およびワーキング・グループは、閣僚関係者以外は メンバーが明らかでなく、その議事録なども公開されていません。また、同省 の調査計画では、国内の捜査経験者からのヒアリングを行うとする一方で、冤 罪被害者など実際に取調べの中で人権侵害を受けた人びとの声を聞く調査が含 まれていません。 日本政府および主要な政権党たる民主党は、取調べの可視化の議論において、 現在の刑事司法制度が多くの冤罪被害者を生み出している事実を踏まえ、被疑 者の権利保障を国際人権基準に合致させることを第一の目的とすべきです。そ して、刑事司法の透明化を実現するために、新たな捜査手法の導入等の議論と は無関係に、まず取調べの全面可視化に踏み切ることが早急に求められていま す。 私たちは、日本政府に対し、取調べの全面可視化を含む、刑事司法制度の抜本 的改革のために以下の点を要請いたします。 ・法務省の勉強会およびワーキング・グループに関して、そのメンバーおよび 議事録を明らかにし、検討過程を公開すること ・今後の調査、検討においては、取調べでの自白強要など、取調べ過程での人 権侵害が指摘されている冤罪事件の被害者や弁護士からもヒアリングを行うこと ・新たな捜査手法の導入等の議論と切り離し、遅くとも2011年の通常国会におい て、取調べの全面可視化法案の成立を図ること ・取調べの全面可視化だけでなく、取調べにおける弁護人の立ち合いの実現と、 代用監獄制度の廃止に向けた検討作業を開始すること 2010年7月1日 <呼びかけ団体> 社団法人アムネスティ・インターナショナル日本 NPO法人監獄人権センター <賛同団体> ※2010年7月1日現在 36団体 NPO法人青森ヒューマンライトリカバリー/アジア女性資料センター/アジア の浅瀬と干潟を守る会/アムネスティなごや御器所140G/アースチャイルド/ アニム・プロジェクト/一羊会/えん罪 JR浦和電車区事件被告団(美世志会) /えん罪・JR浦和電車区事件を支援する会/釜ヶ崎医療連絡会議/樹花舎/国際 環境NGOグリーンピース・ジャパン/憲法を守る市民の会/「婚外子」差別に謝 罪と賠償を求める裁判を支援する会/死刑廃止国際条約の批准を求める四国フォ ーラム/「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク/人権市民会議/人権と報道・ 連絡会/JR東労組中央本部/生存ユニオン広島/全国一般東京ゼネラルユニオン /全国「精神病」者集団/戦争を許さない女たちのJR連絡会/全日本鉄道労働 組合総連合会(JR総連)/盗聴法に反対する市民連絡会/大道寺将司くんと社 会をつなぐ交流誌 キタコブシ/富山(氷見)冤罪国賠を支える会/日本国民救 援会中央本部/袴田巌さんを救う会/反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)/ ハンドインハンド岡山/ビデオプレス/特定非営利活動法人ヒューマンライツ ・ナウ/平和憲法を守る荒川の会/無実のゴビンダさんを支える会/無実の守 大助さんを支援する首都圏の会【団体名50音順】

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